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日本共産党が「軍事利権取材班」をおいてから初めての連載記事が「しんぶん赤旗」紙面に登場した。残念ながら電子版にはアップされていない。長期連載になると思われるが、ひょっとすると掲載が終了すれば単行本として出版されるのかもしれない。 連載第1回目のターゲットはグッドタイミングで入院中の久間章生元防衛大臣(防衛庁長官)だ。 ========================================== 以下は「しんぶん赤旗」11月30日付1面から直接貼り付け。 ≪腐敗の聖域 軍事利権を追う@≫<随意契約>長官指示 久間氏12件 「政治家の方がもっと権限があるじゃないか」―。前防衛事務次官の守屋武昌容疑者(六三)は、収賄容疑での逮捕直前、側近の防衛省幹部にこう不満をもらしていたといいます。 年間約二兆円にのぼる防衛省の装備品調達をめぐる影響力のことです。調達は、随意契約の割合がきわめて高く、汚職と利権の温床となっています。 ■6千億円 そこで影響力を発揮していたのが「長官からの指示」です。防衛庁長官には、軍用機などの機種の選定や、「長官からの指示」でその選定した機種にかかわって特定の業者との随意契約を命じる権限がありました。 防衛省が、随意契約とした理由の一つとしてあげた「長官からの指示」。二〇〇一年度から〇五年度までの契約時をみると、二百四十七件、総額五千八百二十六億六千三百四十七万二千六百五十九円が、「長官指示」によるものでした。 「長官(大臣)からの指示」は二十八日、衆院内閣委員会で日本共産党の吉井英勝議員の質問に、泉信也国家公安委員長が「警察庁ではそっいう例はない」と答弁したように、他の省庁にはない、異例なものです。 こんな例があります。 一九九七年一月十四日、久間章生防衛庁長官(当時)が、「長官からの指示」で「新中距離地対空誘導弾」の調達を決定。〇一年度に二回にわたって三菱電機と随意契約をおこなっています。その額は、三十二億六千六百万円です。 巨額の契約が、「長官からの指示」で、大手軍需企業に随意契約でおこなわれる―。きわめて不自然な光景です。 ■石破氏も 軍需商社「山田洋行」の元専務、宮崎元伸容疑者(六九)、守屋容疑者との宴席に同席したと指摘されている久間氏や、現職の石破茂防衛相らが、長官時代に「長官からの指示」を出した装備品について、防衛省が明らかにした資料があります。吉井議員が要求したものです。 提出資料には、久間氏が橋本内閣の防衛庁長官時に、調達相手の選定をおこなった装備品が、「新中距離地対空誘導弾」を含めて十二件、列挙されています。 (表参照) 護衛艦、潜水艦、掃海艇、輸送艦、哨戒ヘリ、観測ヘリなど、いずれも高額なものばかりす。 「長官からの指示」による随意契約のなかには、一件百億円を超すものが、九件もあります。たとえば、こんなぐあいです。 「F−2A/B支援戦闘機」 906億6580万円 三菱重工業 「次期固定翼哨戒機及び次期輸送機」 785億850万円 川崎重工業 石破茂現防衛相も、小泉改造内閣の防衛庁長官だった〇三年七月三十日に、「海上自衛隊次期回転翼航空機(掃海・輸送用及び南極輸送支援用)」の調達相手を選定しています。 「長官からの指示」は使われなくなりました。しかし、今日でも防衛大臣の権限は絶大です。防衛省の元幹部は、こう指摘します。 「防衛省のトップは事務次官ではなく大臣。露骨に指示してこなくても意向が伝わるようにしてくるし、それに配慮するのが当然だ」 ◇ 「大物次官」と呼ばれた守屋容疑者逮捕の衝撃が広がっています。「軍事機密」のベールに包まれた軍事利権は、今回の事件にとどまりません。政治家の関与、さらに日米に広がる癒着の実態に迫ります。
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(軍事利権取材班)
(つづく)