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http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20071130k0000m070155000c.html
社説:前次官の功罪 小泉元首相の感想が聞きたい
「前次官逮捕」の余波が続いている。
29日の自民党国防関係合同部会では、守屋武昌前防衛事務次官の次官在任期間が異例の4年余に及んだことについて「歴代長官、大臣にも問題があったのではないか」との指摘がなされた。石破茂防衛相は「昨日(28日)を防衛省再生の日にする」と答えたという。
また首相官邸は12月3日にも「防衛省改革に関する有識者会議」の初会合を開き、防衛装備品の調達方法や組織の規律保持について議論を始めることになった。大胆な改革を期待したい。
闇に包まれた防衛利権の実態解明は、第一義的には強制権のある東京地検の仕事である。ただし、政策面や人事面から守屋前次官の功罪を徹底的に検証することは、政界に課せられた責任だ。その作業なしに、事件の再発防止と省の再生は果たせないはずだ。
守屋容疑者が次官として君臨した期間は、03年8月から今年8月末までの4年1カ月である。次官は2年が相場と言われる中央省庁にあっては突出して長い。これに先立ち、02年1月には官房長から防衛局長に昇格している。
この期間の特徴は、日本の防衛政策の重大な転換点をいくつも含んでいることだ。
まず01年12月、旧テロ対策特別措置法に基づくインド洋での給油活動が始まった。03年6月には長年の懸案だった有事関連3法が成立し、イラク復興特措法の成立(同7月)、ミサイル防衛システム導入の閣議決定(同12月)と続いた。さらに守屋次官時代の大仕事には、在日米軍再編の日米合意(06年5月)がある。
一見して明らかなのは、これらの政策転換が小泉政権時代に集中し、守屋容疑者はその実現に奔走することで実力次官としての地歩を固めていったことだ。特に小泉純一郎元首相の懐刀であった飯島勲元首相秘書官を後ろ盾にし、再編協議では外務省をしのぐ影響力を発揮したと言われる。
ならば、小泉元首相は事件を受けて結果責任をどう考えるのか。なぜ彼を重用し続けたのか。検証作業の一環としてぜひ感想を聞かせてほしいものだ。
防衛政策の転換は、装備品の新たな発注や基地建設など巨額の財政支出に直結する。守屋容疑者は数多くの転換点に立ち会うことによって、利権の衣をまとう存在になったと考えることができる。利権のにおいに敏感な業者や政治家に対し、有利な立場にあったことは想像に難くない。
人事面からの検証も必要だ。政府は局長級以上の省庁人事について、正副官房長官らによる閣議人事検討会議で承認することにしている。官僚任せにせず、政治のチェック機能を果たすためだ。
ところが、同会議は守屋容疑者の続投方針をあっさりと追認してきた。小泉官邸はそれを後押ししたのか。飯島元秘書官は閣僚候補に対するいわゆる「身体検査」で勇名をはせたのに、前次官については何も情報がなかったのか。これも元首相に聞いてみたい。
毎日新聞 2007年11月30日 0時02分 (最終更新時間 11月30日 1時14分)
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