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2007年11月28日発行 二十五号
9条改憲阻止の会
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参院はイラク復興支援特別措置法廃止法案を可決した
「雨は 今宵も 昔 ながらに、昔 ながらの 唄を うたってる。だらだら だらだら しつこい
程だ」(中原中也「夜更の雨」)。国会はむかしながらの審議をやっている。僕らはむかしながらの闘争をし、むかしながらの言葉を綴っている。しかし、そのむかしながらのリズムや調子の背後にある変調を知って欲しい。それが僕らの願いだ。このかすかに感受できる変調は希望であるのだ。中原中也には「失われた希望」という歌があるが、僕らはまだ希望を失ってはいないからだ。
28日付けの朝刊は参院で「イラク復興支援特別措置法廃止法案」が可決されたことを短い記事ではあるが伝えていた。この記事によると審議は二時間足らずであったとのことだ。この法案が参院で可決されたにしても、衆院で否決されることは目に見えているのだから、法案の可否よりは十二分な審議が展開されることを僕らは期待していた。わずかに二時間、と嘆息もでるが国会議員たちの見識が疑われる。このことを何人が自覚しているのか。
ある週刊誌はイラク派遣自衛隊員の自殺について伝えていたし、新聞も報じている。政府の公式発表(総理大臣の答弁書)ではこのようになっている。在職中に死亡した隊員は35人(陸自14人、海自20人、空自1人)で、うち自殺者は16人(陸自7人、海自8人、空自1人)となっている。死因が不明のものは12人(陸自6人、海自6人)とある。そして防衛省は「退職した後に、精神疾患になった者や、自殺した隊員の数」については把握しないと述べている。この自殺の割合は一般の自殺比率と比べても高いが、こうした背後には精神疾患をきたしたりしたものが相当な数に上ることを暗示していると思う。イラクやアフガニスタンでの戦地においてアメリカ兵などで自殺や精神疾患をきたしている人は多いと伝えられる。厭戦気分も曼延しているとも言われている。少し想像力を働かせば誰でも分かることだろう。
日々、命を糧にして生きている兵士たちにとって「戦いの意味」は一瞬ごとに問われるものであり、ごまかしのきくものではない。ワシントンにいる軍官僚や政府の高官たちと違って彼らにとってそれは抜き差しならないものだ。しかし、戦争の命令権は軍の官僚や政府にある。これは、現代の悲劇であるが、それだけ軍の官僚や政府の高官たちは戦争の現実に心しなければならないのだ。それだけ責任は重いのだ。これは日本の政府高官や軍官僚にとっても他人事ではないはずである。
アメリカ政府はベトナム戦争の教訓から報道管制を強め、情報を遮断する努力をしている。これは彼らが「不朽の自由作戦」という「テロとの戦い」に自信を持っていないことの現われである。ところで、一体、イラク特措法の審議を二時間で終わらすのはどういう了見なのであろうか。政府与党はイラクやアフガンへの自衛隊の派兵にそんなに自信(?)があるのか。政府与党はイラクやインド洋沖から帰還した後の自衛隊の状況を把握し国民に報告せよ。それもまた文民統制の範囲である。 (文責 三上治)
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