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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071129ddm002010143000c.html
新テロ特措法:参院審議入り 守屋前防衛次官逮捕で国会視界不良に−−与野党対立激化
守屋武昌容疑者(前防衛事務次官)が逮捕された28日、国会では焦点の新テロ対策特措法案が参院で審議入りする皮肉な巡り合わせとなった。額賀福志郎財務相の宴席同席疑惑をめぐり野党が単独で証人喚問議決に踏み切ったことから、与野党対立は激しさを増している。来月15日までの会期内成立はすでに日程上困難で、政府・与党は再延長したうえでの成立を目指すが、守屋前次官の逮捕が与える影響も読みきれておらず、視界不良だ。
◇「解散」互いにけん制
「捜査と、国益のかかった給油の話は次元が違う。粛々と審議してもらうのが、良識の府のあり方だ」。自民党の伊吹文明幹事長は28日、守屋前次官逮捕が参院での新テロ対策特措法案審議に与える影響について、あくまで切り離すべき問題、と強調した。
しかし、28日にようやく参院審議入りした同法案の会期内成立は絶望的だ。参院外交防衛委員会での趣旨説明は29日に行われるが、質疑は12月4日から。与野党逆転下の参院で会期内に採決が行われることは事実上不可能なうえ、守屋前次官逮捕は、野党の「疑惑追及優先」(小沢一郎・民主党代表)の姿勢を勢いづかせることは確実。事件の進展次第でさらに国会運営が危うくなるという不安材料も与党は抱えた。
このため、政府・与党は会期を再延長する方針をすでに固めている。参院での法案否決や、衆院通過後60日を経過した場合に参院で否決したとみなす事態も想定。憲法の規定を活用し、衆院で再可決、成立させる方向で調整している。
ただ、再可決は野党の首相問責決議案提出を招く可能性があり、与野党双方が本音では回避したいと考えている衆院の解散・総選挙につながりかねない。政府・与党にとって綱渡りの国会運営が続くなか、野党が額賀氏と守屋前次官の証人喚問を与党の反対を押し切って議決するなど、対決はエスカレートする一方。政局の推移は与野党ともに読みづらくなっている。
こうした中、衆院解散を意識、けん制する発言が相次いでいる。小沢代表が25日、「出合い頭ということもある」と、あえて解散の可能性に言及すれば、福田康夫首相も翌26日に「政界は一寸先は闇」と応酬。双方が強硬姿勢をけん制した。「問責決議で首相が辞めたり、衆院を解散しなければならないというものではない」(古賀誠・自民党選対委員長)と野党の首相問責決議案提出にクギを刺す発言も出るなど、神経戦の様相だ。【鬼木浩文】
◇額賀氏喚問、痛み分けも
守屋前次官の証言で浮上した額賀財務相の「山田洋行」元専務との宴席同席疑惑を巡っては与野党とも激しく対立しており、新テロ対策特別措置法案の参院審議にも引き続き影響しそうだ。ただし守屋前次官の逮捕に伴い、12月3日の参院財政金融委員会での証人喚問は額賀氏のみを対象に行われる。「同時喚問」が不発となり、与野党の突っ張りあいが痛み分けとなる可能性もある。
民主党は額賀氏と守屋前次官2人の言い分が違う様子を国民に示し「どちらかがうそを言っている」状況を演出する狙いがあった。27日夜に額賀氏、守屋前次官の喚問議決を急いだのも、逮捕を喚問実施後にずらす思惑からとみられる。
与党側は守屋前次官と「電話がつながらない」(大島理森・自民党国対委員長)状態。一方で、民主党は27日も含め計6回、守屋前次官と電話するなど緊密に連絡を取っていた。証人喚問が実現すれば守屋前次官は民主党の主張に沿った証言をした可能性もある。その場合、額賀氏が宴席欠席のアリバイを強く主張しても疑惑の印象が後を引き「予算審議まで追及できる」(民主党国対幹部)状況に追い込まれかねなかった。民主党参院幹部は「立法府の決定に司法が手を出すことはおかしい」と喚問前の逮捕に不快感を隠さない。同党は3日の額賀氏喚問を予定通り行うと同時に、守屋前次官には出張形式での尋問を求めるが、実現には時間を要するとみられる。
ただ、与党は写真や録音などの物証で額賀氏のアリバイを強く主張するなど逆攻勢を強めていた。会合は昨年12月に日本橋人形町の料理店で開かれていたが、守屋前次官はこれまでの喚問で「神田の料亭」「去年ではなくて、おととしぐらい」などあいまいな証言もしていた。再喚問で守屋前次官の発言が揺らげば、逆に民主党が窮地に陥りかねなかった。【須藤孝】
毎日新聞 2007年11月29日 東京朝刊
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