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テロ特措法をめぐる一大騒動に意味があるとすれば【国民が主役になったのだ…】(天木直人のブログ)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2007 年 11 月 23 日 20:03:25: twUjz/PjYItws
 

http://www.amakiblog.com/archives/2007/11/23/#000598

2007年11月23日
テロ特措法をめぐる一大騒動に意味があるとすれば

  23日の朝刊各紙は、22日に行われた党首会談で、「新テロ特措法を成立させたいと平身低頭する福田首相に対し、小沢民主党代表が断固これを拒否した」、と一斉に報じた。
  事ここに至ってはもはやこれ以上与野党間の協議が続けられる事はないだろう。いや、あってはならない。7月末の突然の小沢発言から始まった一大茶番劇はこれで終りにさせなければならない。我々国民は、これ以上無駄な時間を今の政治家たちに使わせてはいけない。今の日本にはそのような余裕はない。
  そもそもアフガン給油・給水問題などと言うものは、激動する国際政治においては極めて瑣末な問題である。対米配慮というその一点で日本の政治家たちが大騒ぎをしている。つまりこよなく国内政治上の問題なのだ。
 世界の大多数の国は日本の給油活動には関心はない。それどころか知っている国は殆どない。日本のメディアが盛んに取り上げたのは、それが政局に絡んだ話しであるからなのだ。
  しかし政局に絡んだ国内問題ならもっと重要な問題が山ほどある。年金問題はもはや解決不能である事がハッキリした。膨大な財政赤字は膨れ上がる一方だ。その尻拭いのために増税されようとしている。インフレが迫ってきた。米国金融資本による日本経済の乗っ取りは加速化していくだろう。格差社会がどんどん進み、企業と職員の対立、不信が、日本の企業文化や社会風潮を破壊しつつある。
  これらの問題について政府・官僚は打つ手がないのが現状だ。国民は政府・官僚に頼ることなく、日本のシステムを自らの手で根本的に変えていかねばならないという自覚を持つべきだ。戦後連綿と続いた政・官・業の馴れ合いが結局今日の日本の停滞を招いたのだ。テロ特措法問題は大騒ぎする問題ではない。
  私は、そもそもアフガン給油活動など必要はないという立場である。それどころか米国のテロとの戦いに日本は巻き込まれてはいけないと主張してきた。だからテロ特措法の延長にも、それに替わる新たな新法にも反対である。
   しかし対米配慮を最優先し、それを「国際責任」という言葉にすりかえて、何としてでも給油活動を続けようとする政府・自民党の立場を私は知っている。
   だから私はまず福田自民党に言いたい。日米同盟のために本当に給油活動が不可欠であると信じているのなら、野党が何と言おうと、世論がどう考えようと、もはやここに至っては強硬策を推し進めて成立させるべきではないかと。三分の二の衆院再議決で成立させる事が出来るではないかと。問責決議案が出されようと、解散・総選挙に追い込まれようと、いやしくも政権与党である。天下の自民党である、野党などに平身低頭することなく堂々と新法を成立させ、そのほかの重要問題に一刻も早く取り組むべきではないか。
   そして私は小沢民主党に尋ねたい。小沢氏がテロ特措法の延長に反対した真の理由は一体なんだったのかと。私の考えと同じように、そもそも米国の対アフガン戦争が間違いであり、その米国のアフガン戦争に加担するいかなる協力も日本はしてはならない、というものであるのか。それとも、日本にふさわしいやり方で、米国やNATOのアフガン戦争に協力すべきであると考えているのか。一体どっちなんだ。
  前者であるのなら、国連決議云々などということなく、あらゆる協力に反対だと明言すべきだ。後者であるのなら、自民党が言うように早く対案を出すべきだ。そして自分の考えを自民党に飲ませて一日も早く新法を成立させるべきだ。そうだろう。
  23日の毎日新聞に次のような小沢民主党代表の言葉を見つけた。首脳会談で福田首相が「(恒久法で)民主党も考えがあるのなら出してくれ」と迫ったのに対し、小沢代表はこう言ったというのだ。
「野党各党間でも異論があるので、首相から言われても簡単にまとまる話ではない」。語るに落ちるとはこの事だ。違いは野党の間だけではない。民主党内部でも意見が分かれている。それは衆知の事実である。
  だからと言って、いつまでたっても対案を出さず、さりとて自民党案を否決する訳でもなく、いたずらに法案審議を引き延ばすのであれば、それは卑怯というものだ。否決してもどうせ衆議院での三分の二の再議決で成立させられる、だからそれを避ける為に、審議を引き延ばし、時間切れを狙ってあくまでも法案成立を阻止すると言うのであれば、それも一つの戦略である。しかし、民主党内部や野党間で意見の不一致があるために引き延ばしているとすれば、その態度は自民党よりも劣る。情けない。
  23日の朝日新聞は、今の政局を評して、国会会期を再延期してでも衆院三分の二の再議決で新法を成立させようとする自民党と、それに対抗して福田首相の問責決議案を出そうとする小沢民主党の度胸比べ(チキンレース)であると書いている。つまり強硬姿勢を押し通せば最後は解散・総選挙に追い込まれる、それを恐れる方が先に譲歩するだろう、というわけだ。
  なるほど、そう考えてみると、追い込まれているのは福田自民党でも小沢民主党でもない。どちらも追い込まれているのだ。いや、今の政党のすべてが追い込まれているのだ。彼らが一番恐れているのは世論であり、解散・総選挙なのである。国民の投票権である。
 国民が主役になったのだ。こんどの茶番劇に意味があったとすれば、これまで以上に国民の判断が政治を動かすようになったという事である。国民はこの事を自覚すべきである。

 



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