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河合隼雄氏のあぶない動き
http://sugakita.hp.infoseek.co.jp/newpage58.htm
に以下の記事がリンクされています。
『ねっとわーく京都』(2004.9)掲載原稿
http://sugakita.hp.infoseek.co.jp/newpage18.htm
京都市教委による河合隼雄講演会での暴行傷害・セクハラ・警官導入に抗議する!
---事件の背景には、市教委の市民不在の強圧的な姿勢と、河合隼雄氏との癒着
京都市教育委員会は、6月13日、「子ども相談センター・パトナ」の開館1周年記念イベントとして、河合隼雄氏記念講演会を開催しました。
この講演会において、河合隼雄氏への質問や異議などを表明した若い女性たちを、市教委の男性職員らが大勢で会場から暴力的に引きずりだし、会館の出入り口を全て施錠して閉じ込めた上で、警察官の出動を要請して、2時間にわたって不当に拘束するという信じ難い事件が発生したのです。
彼女らは、腕や肩をつかまれて無理矢理引きずられため、転倒したり、履物が飛び散ったりしました。また、「ふざけるな!馬鹿野郎!」といった暴言や、脇から胸に手をまわして羽交い絞めにして連行するなどのセクハラ行為も繰り返されました。市教委の職員らは、抗議する彼女らに対して、「最近は何でもかんでもセクハラと言う」と言って無視し続けたのです。
こうした暴力行為によって、3人の女性たちは、「頚椎捻挫、右上腕打撲、両膝打撲兼擦過傷」「両肩捻挫、臀部打撲、両膝打撲兼擦過傷」「左肩捻挫、右上腕皮下出血」などで、全員、全治10日間と診断されました。しかし、それ以上に、事件後、しばらく寝込んでしまった女性もいるように、セクハラ行為によって、若い彼女らが受けた精神的な被害は実に深刻です。また、1人の男子学生も拘束されましたが、彼は会場内では一言も発しておらず、見るに見かねて止めに入っただけでした。
私たちの抗議に対して、市教委は謝罪を拒否して開き直ったままです。京都市は、市職員によるこうしたセクハラ行為・暴力行為を放置しておくのでしょうか?
●市民を見下した京都市教委の居丈高な姿勢
この事件に至った背景について触れてみましょう。ことの発端は、2001年、市教委が道徳教育振興市民会議(初代座長・河合隼雄)を作り、道徳教育市民アンケートを実施したことに始まります。このアンケートは、「国を愛する心をもっていますか?」「先祖のお墓参りに行きますか?」というようなものだったので、市民グループや教員組合等から批判や疑問の声が寄せられました。しかし、「振興市民会議」は、こうした市民らからの質問状に対して、「いっさい回答しない」と決定し、問答無用の態度をとり続けてきたのです。中には、「もっと広く話し合うべき」と抗議して辞任された委員さんもいました(東京新聞 2003年7月9日)が、「振興市民会議」としての態度は変わりませんでした。
3年間の「振興市民会議」の最後にやっと実施された「パブリックコメント」でも、多くの批判的な意見が寄せられたのですが、それらをほとんど無視したまま、「ルールの尊重」ばかり強調した最終答申をまとめてしまいました。京都市の「市民参加ガイドライン」で定められた手続きすら、市教委は全く無視したのです。
去年の「振興市民会議」では、傍聴者の1人が、会議終了後に「傍聴者にも資料を配布してほしい。不親切だ」と指摘したところ、市教委の職員らに取り囲まれ、「黙れ!」「出て行け!」と怒号を浴びせられて追い出されてしまったことがあります。また、6月末の最後の「振興市民会議」は、廊下に警備の職員を待機させ、傍聴の市民を威嚇しながら開催したのですが、会議後、ある市民が、「3年間、我々の質問に全く答えてくれなかった。パブリックコメントでも批判的な意見を全て無視した。最後だから、せめて1〜2分だけでも話を聞いてほしい」と訴えたのですが、やはり市教委の職員らが、「退出させろ!警備を呼べ!」と遮ったのです。
従来から、京都市教委は、市民グループなどが申入書などを持って行って話し合いを求めても、廊下で追い返したり、企画課の係長レベルでしか対応せず、回答文を出してきたことはありません。京都市の他の部局と比べても、その閉鎖性・市民を見下した居丈高な姿勢はあまりにひどいのです。
こうした市教委の強圧的な姿勢については、当時、市教委の専門委員だった河合隼雄氏にも責任があります。彼は、「振興市民会議」の初代座長で、前記のアンケートも河合氏が提唱したのですが、彼は、「日本にはアンケートしか神がいない。『お上』から言えば反発が起きるし、それならアンケートをしてみたらどうやというわけだ」(毎日新聞)と、その狙いを露骨に語っています。
また、河合氏は、いつも「対話」の重要性を強調します。しかし、彼の講演会では質疑応答や意見交換の場が設定されたことはありません。「対話」をいっさい拒否し続けてきたのが河合氏なのです。6月13日の講演会でも、講演中は黙っていた女性が、最後に、「質問をしたい」と発言したのですが、彼女も市教委職員らに実力で排除され、負傷してしまいました。
このように、市民の意見を全く聞こうともしない市教委や河合氏に対して、市民らが質問や異議を表明したことを誰が非難できるでしょうか? 他に、いったい何処に「対話」の場があったというのでしょうか?
●目にあまる京都市教委と河合隼雄氏の癒着、不明瞭な謝礼金の流れ
最近の京都市、特に市教委のイベントでは、河合氏がひっきりなしに登場しています。公文書公開請求をしてみると、驚くような事実が明らかになりました。
まず、前述の道徳教育振興市民会議の委員謝礼。各委員への謝礼金は、毎回、11,111円、すなわち源泉徴収を引くと手取りが1万円です。ところが、河合氏だけには、1回の出席毎に、なんと10万円も支給しているのです。京都市には、約60の審議会や市民参加の委員会がありますが、謝礼金は5,500円〜21,000円(2002年度)の範囲です。何故、河合氏だけをこんなにも特別扱いするのでしょうか?
さらに驚いたのは、河合氏に対して、業務内容の定めもなく、毎月定期的に謝礼金を払っていたことです。
2001年度、2002年度の13ケ月間、河合氏に対して、「相談指導法の指導者謝礼」という名目で、毎月6万円が支給されています。しかし、支出決定書には、何時、何を指導するのかということはいっさい書かれていません。市教委の担当者は、「電話で相談したり、時々訪問して指導していただきました」と言いますが、それを証する文書は何もありません。
また、2001年7月から7ケ月間、「相談助言謝礼」として毎月10万円が河合氏に支給されていました。「子どもの健全育成に向けた事業展開、子どもカウンセリングセンター建設、スクールカウンセラー事業の充実、道徳教育の振興などについて指導助言を受ける」として、月に1回、午前10時から午後1時まで来てもらうというのです。「昼食を食べに来ただけじゃないの?」と言いたくもなりますが、ともかくそれだけで10万円ですから驚きます。前述の「指導者謝礼」とも重複していますし、そもそもこの時期、河合氏は、「本市教育のさらなる充実・発展にむけて、専門的・学術な指導・助言」を行う市教委の専門委員に就任していました。「指導助言謝礼」などを別に支給する理由などありません。
また、市教委が各種団体に呼びかけて結成した「人づくり21世紀委員会」でも、河合氏が何回も講演を行っています。2001年8月、2002年2月、2003年2月の3回、彼は毎回20万円を講師謝礼として受け取りました。しかし河合氏は、この「人づくり21世紀委員会」の代表です。主催団体が自分たちの会の代表に高額の謝礼金を支払っているのです。
他にも、この2年間、「専門委員就任記念講演会」、「スクールカウンセラー連絡協議会」、保護者向け冊子監修謝礼などで、河合氏に謝礼金が支払われていました。しかし、たとえば昨年のパトナのオープニング記念の講演では、財団法人京都市生涯学習振興財団から河合氏に謝礼金を払ったということで、公文書公開の対象とはしませんでした。こうした手法も含めれば、河合氏への謝礼金の総額はいったいいくらになっているのでしょうか?
●「国家主義者」「御用学者」になってしまった河合隼雄氏の危険な役割
それでは、京都市教委と河合隼雄氏のこうした癒着はどこから生まれてきたのでしょうか?
そもそも河合氏は、「心理主義」の立場から、子どもたちの心に国家が介入する「心の教育」路線を提唱してきただけではなく、「天皇への敬愛」を強調して問題となった「期待される人間像」(中教審答申)や、森前首相の「神の国発言」を賛美したり、「国家は義務教育を本来の統治行為として自覚し、厳正かつ強力に行わなければならない」(21世紀日本の構想懇談会の最終報告書)というような憲法違反の提言をまとめてきました。また、道徳の国定教科書とも言える『心のノート』についても、作成協力者会議の座長として、中心的な役割を果たしてきましたし、教育改革国民会議や中教審委員を勤めるなど、教育基本法改悪の動きを「学者」の立場から推進してきた人物です。また、彼は、2001年、自民党国家戦略本部で、「政府や総理大臣が言うと反対されるようなことを、上手に持っていって実現するのが我々学者の役割だ」というような講演をしていますが、もうここまでくると、露骨な「国家主義者」「御用学者」という他ありません。
こんな河合氏にとって、「道徳教育、京都の取組・全国の手本に」とひた走る京都市教委は、野田正彰氏も「京都市は河合氏による心理主義的ナショナリズムの実験場」(『世界』2002年10月)と指摘するように、まさに自分の思い通りになるフィールドなのでしょう。
「子ども相談センター・パトナ」も、3年前に河合氏が桝本市長と直接話し合って、「京都でモデルになる取組をし、全国に発信しよう」と開設したと言われています。京都市には現在、パトナだけでも、約50名のカウンセラーがいるのですが、さらに、1億4千万円をかけて市内の全ての中学校にスクールカウンセラーを配置する予定です。スクールカウンセラーとして配置される臨床心理士も、河合氏らが作った民間団体「臨床心理士認定協会」が認定するということになっているのですから、彼の影響力は強まる一方です。
市教委にとっても、河合氏を宣伝広告塔のように利用することによって、自らの施策を権威づけ、彼を文部科学省などとのパイプ役として利用しているのでしょう。
今回の事件で市教委は、それこそ「河合先生の顔に泥を塗った」「河合先生の前で市教委のメンツが潰れた」と慌てて、あれだけの強圧的な行動に出たのでしょう。
私たちは、京都市教委が、3人の女性らにセクハラと暴力行為を謝罪するとともに、河合隼雄氏や市教委と、市民との公開での討論の場を設けるよう要求しています。河合氏は常々、「私も反対論を唱えている人々の考えをぜひ聞いてみたいと思っている」(東京新聞 2003年8月11日)と言っているのですから、一度、じっくりと話しあおうではありませんか。
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