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小連立もできないのか (佐高 信) = 週刊金曜日
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/364.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 11 月 18 日 18:19:29: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.kinyobi.co.jp/KTools/fusoku_pt?v=vol679

 11月3日、水戸へ行った。「9条を守る茨城講演・学習会」主催で「城山三郎氏の遺言」という講演をするためである。改札口で新社会党の元参議院議員、矢田部理とバッタリ会う。彼は同時刻に別の会場で開かれる講演会の講師を迎えに来ていたのだった。

 私を招んだ文芸誌『葦牙』の編集長、武藤功によれば、やはり同じ時刻にもう一つ同じような護憲の集会があるという。私はずいぶん前に武藤から、この日の講演を頼まれたが、他の二つはそれを知らなかったのか。何も、私が講演した会を主にせよと言うのではない。しかし、どうして同じ日の同じ時刻に分散して同じような趣旨の講演会を三つもやらなければならないのか。そうは思いたくないが、これでは、後で計画された集会は前から準備している集会を盛り上がらせないために挙行されたと疑われても反論できないだろう。

 自民党と民主党の突如浮上した大連立構想に非難が集中している。私もそれを大野合と批判したが、改憲の側はそこまで無節操にやろうとしているのに、護憲の側は小連立もできないではないか。大体、それをやろうとすらしていない。水戸には今年の2月16日にも行って「JR20年を問う県民集会」で講演した。何年か前には矢田部から依頼を受けて護憲の集会で講演したこともある。こちらはそれぞれにつながりを持っているのに、水戸ではそれぞれがバラバラに動き、横の関係が断たれている。

 かつて、官房長官だった野中広務は当時の自由党党首、小沢一郎に「悪魔にひれ伏してでも」と言って協力を求め、自自連立を成功させた。もちろん、それを良しとするのではない。しかし、護憲のためなら“悪魔”と手を組んでもとは思わないのか。それとも、同じ護憲派でも他の集会の主催者は悪魔以上に顔を合わせたくない存在なのか。「自分だけは正しい」とする、こんな状況で、果たして憲法が護れるのか。

「九条の会」が全国にいくつできたと『赤旗』は喧伝するが、「九条の会」の呼びかけ人が「憲法行脚の会」主催で講演しても一行も報じない。たとえば『社会新報』は「九条の会」の講演を大々的に報ずるのにである。

 大連立を批判する前に護憲派は保守のそのしぶとさ、たくましさを学ぶべきだろう。
 

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