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[AML 16836] 村岡到:「大連立」茶番劇が示すもの
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投稿者 gataro 日時 2007 年 11 月 16 日 23:20:44: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-November/016362.html から転載。

[AML 16836] 村岡到:「大連立」茶番劇が示すもの
村岡到 logos at nn.iij4u.or.jp
2007年 11月 14日 (水) 11:37:21 JST


村岡到:「大連立」茶番劇が示すもの

 『もうひとつの世界へ』第12号掲載予定

 「列島あぜん」と「赤旗」が嘲笑気味に一面のトップ見出しを付けたと思ったら、その翌日にはご当人が代表辞任の意思表明。小泉純一郎前首相の言う「まさか」だ。ここでお仕舞いかと思ったら、「恥をさらす」と言い訳しながら復帰。このめまぐるしい茶番劇は事の性質上、笑い飛ばしているわけにもいかない。何が起きたのかについては、表に整理したが、福田康夫首相と小沢一郎民主党代表が「大連立」を密室談合したあげく、民主党指導部がこれを拒否し、それを自分への「不信任」と受け取った小沢氏が代表辞任を表明、民主党指導部の慰留工作のすえに辞意撤回で「矛盾封印 元のサヤ」(毎日新聞一一月七日)となったというわけである。

 まず、この一連の動向の背景は何なのか。だれもが指摘しているように、七月の参院選挙での民主党の大勝利によって〈衆参ネジレ政局〉となったことが、事態の根底にある。確かに、憲法に明記されている「三分の二」条項を使えば、法律を成立させることはできるが、世論の動向や手間がかかりすぎることを考えれば、そのやり方を定着させることはできない。この手詰まりは、今後三年間は持続する。衆議院が解散して総選挙となり、与党が三分の二を割ることになれば、それすらできなくなる。政治の停滞は歴然である。

 〈衆参ネジレ政局〉における国会運営の新しいルール・習慣を見いだす以外に脱出路はない。ここまではまじめに日本の政治を考える人ならだれでもすぐに分かる。その先に分岐点がある。途中の説明をしている紙数はないが、〈民主政〉(民主主義)を無視すると「大連合」となり、〈民主政〉を根付かせようとするなら、個別の政策(法案)毎に与野党が公の場で協議する新しい作風を模索するほかない。民主党は「大連立」か「対決」かという極端な二項対立思考を克服しなくてはならない。

 次に、福田・小沢の密室談合が問題である。この密室談合の舞台回しがだれかという問題も小さくない問題であるが、だれが背後でうごめいたかよりも、この手法自体が厳しく断罪されなくてはならない。政治にはそういうこともあるさ、などと訳知りに容認してはいけない。国民の意志を踏みにじる、〈民主政〉に反する行為だからである。決定されていた国会での党首討論もつぶしてしまった。密室談合を容認することは、その当事者の政党の質を劣化させる点でも大きなマイナスである。

 小沢氏は、「小沢首謀説」を「事実無根の報道が氾濫」ときつく批判した。後に触れるように、読売新聞の報道と論調は明らかにジャーナリズムの原則を逸脱しており、この点で小沢氏が怒るのは当然であるが、彼は市井の善良な一市民ではなく、国政のトップを争う政治家なのであり、渡辺恒雄氏から打診があった瞬間に「謀略的」に利用される可能性についても察知すべきなのである。こんな政治計算ができないようでは、「凄腕」どころか、「甘ちゃん」にすぎない。密室談合であるがゆえに、謀略の余地が拡がるのである。なお、小沢氏を動かしたのが、アメリカの圧力であるとか、金銭スキャンダルであるとかのうがった見方は外れているに違いない。

 さらに、この小沢氏および民主党の政治的能力の低さがこのドタバタを招いた。辞意表明のなかに、「私が党代表として選任した役員」という文句がある。言外に私が選任したのだから、有無を言わずに従って当然だという姿勢が透けて見える。「朝日新聞」の社説が「小政党時代のオーナー気分」(一一月五日)と指摘したとおりである。党首の方針が役員会で全員一致で拒否される党とはどういうことなのか。しかも、自らの党について「政権担当能力はいま一歩」とか「総選挙での勝利は厳しい」とまで表明した人に慰留工作をする以外に打つ手がない。九六年の結党いらい代表がくるくる替わる民主党には政党としての安定性が著しく欠如している。

 先に黒幕はだれだ、を問題にしたが、渡辺氏であることは周知の事実と言ってよい。読売新聞グループ本社会長・主筆という位置を考えれば、明白に「新聞人」として失格・逸脱である。「読売新聞」は大々的に「『大連立』小沢氏が提案」と報道した(一一月四日)。明らかに許すことのできない誤報、というよりは謀略である。一〇〇〇万部の大新聞の影響は巨大である。「朝日新聞」も社説で取り上げているが、徹底して糾弾しなくてはならない。

 最後に、残念ながら、これが日本の政治の水準なのである。一件落着後の世論調査では民主党の支持率は下がっていない。寛容なのか、成熟したのか、それとも諦めなのか。だが、政治の劣化は、政治への関心と期待を失わせ、暴走政治を生む危険性すら感じさせる。なお、「大連立」とからめて「中選挙区制の復活」が浮上し、それへの反発も生じているが、思惑がどうであれ、「中選挙区制の復活」は大きなプラスをもたらす。

 第一に確認した〈衆参ネジレ政局〉の下では、今後も「大連立」だの政界再編だのが複雑にかつ「まさか」も含めて展開されるであろう。本稿では、補給支援法案や自衛隊を海外に派兵する恒久法などについては全く触れなかったが、政治的課題をめぐってきっぱりした対決路線を確立して運動を組織することこそが活路なのである。政党の離合集散に期待を寄せるのは幻想にすぎない。

8月16日 読売新聞社説「大連立 民主党
     も『政権責任』を分担せよ」
9月25日 福田内閣発足
10月中旬 渡辺恒雄 福田首相、小沢代表
     と個別に会談か?
  30日 福田・小沢第1回密談
11月2日 第2回密談
     民主党指導部が大連立を拒否
  4日 小沢代表が辞意表明
  5日 読売新聞社説「それでも大連立
     をめざすべきだ」
  7日 小沢代表が辞意撤回を表明

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