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国会同意人事/参院、3人を「不同意」/共産党 実績で判断し賛成
参院本会議は十四日、政府・与党が示した同意人事案件(十四機関二十八人)を採決した結果、民主党などの反対で、三人を不同意としました。
国会同意人事は衆参両院の同意を経て内閣が任命するもので、法案の場合と異なり、衆院の再議決が認められていません。このため、参院で不同意となった人事は、欠員もしくは暫定的な残留扱いとなります。
民主、社民、国民新の三党によって今回不同意とされた三人は、労働保険審査会委員の平野由美子氏、運輸審議会委員の長尾正和氏、公害健康被害補償不服審査会委員の田中義枝氏の三氏。
民主党は今回の判断基準について、表向きは「官僚の天下りでは出身省庁に厳しいことが言えない」などとしていますが、小沢一郎代表は十三日の記者会見で、「(与党には)参議院で過半数割れしている認識が非常に薄い。過半数をもっている人(民主党)に対する説明をしなきゃ(同意人事が)通らないという認識が薄い」と述べ、与党をけん制しました。
民主党内には早くから、今回の国会同意人事を、参院で民主党が多数を占めていることの象徴にする思惑がありました。
実際、参院の民主党幹部も「(国会同意)人事をセレモニーにしないということで鳴り物入りでやってきたのに、まったく不同意がないというのも格好がつかない」とのべていました。
日本共産党は、民主党などが不同意とした三氏について、それぞれの委員としての活動の実績から判断して同意に賛成する態度をとりました。
解説
民主など反対 問われる政党の判断力
政府が国会同意を求めた人事案件が不同意となったのは、五十六年ぶりのことです。
民主党は衆議院議院運営委員会で「参院で野党が半数を超えた。官僚内閣制的な日本の内閣制を、政党政治にふさわしい形に変える好機だ」と力を誇示。「ねじれ国会」を象徴する事態だと報じられています。
民主党が不同意としたのは、労働保険審査会委員の平野由美子氏、運輸審議会の長尾正和氏、公害健康被害補償不服審査会委員の田中義枝氏。同党は、三氏が官庁出身者であることから「天下り」と判断し、反対したとしています。
しかし、三氏はいずれも再任の是非が問われたもので、前回の就任時には、民主党も含め全会一致で同意した人事です。
例えば平野由美子氏(56)は、前任者の欠員を埋める形で昨年十一月に就任したばかり。一年で態度を変える理由が「官僚には厳しく」というだけでは説得力に欠けます。
また田中義枝氏(54)は小児科の医師で、国立病院などの勤務医を経て、環境庁特殊疾病審査室長、労働省じん肺審査医、成田空港検疫所長、国立感染症研究所主幹など医療行政や研究機関の職を歴任し、三年前に委員に任命されました。少しでも役所に籍を置いただけで天下りというのでしょうか。
日本共産党は、これらの三氏について、それぞれの委員としての活動の実績から判断して、同意に賛成する態度をとりました。
一方、再任人事で日本共産党は、電波監理審議会とNHK経営委員の人事を問題にしました。電波監理審議会では昨年十一月、総務大臣からの「命令放送」の諮問にどのような審議・答申をおこなったかが問われなければなりません。「放送番組編集の自由を侵害する」とのきびしい批判がありながら、「異議」を表明した委員は一人もいません。このため小舘香椎子・日本女子大教授の再任に反対しました。
また、NHK経営委員では深谷紘一・デンソー社長の再任に反対しましたが、これは、この間の受信料の義務化・罰則化の推進や、「NHK改革」での政府への追随などを問題にしたものです。
日本共産党の穀田恵二国対委員長は、「官僚だからダメとか、財界人だからダメといった一律な判断はしていない。わが党の政策と相いれるかどうかが基準ではない。それぞれの委員会の任務に照らして、ふさわしい人かどうか、利害関係はないか、また再任の場合は実際の活動ぶりをみて判断している」とのべています。
「逆転国会」のもとで、各党の判断力が問われます。(党国会議員団事務局 白髭寿一)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-11-15/2007111501_01_0.html
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