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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007111302063902.html
2007年11月13日
首相訪米に向けた手土産なのか。給油新法案が衆院委員会で可決、きょうの本会議を経て参院に送られる。情報隠ぺいなどの疑惑は置き去りのままだ。政府・与党は国民の合意づくりへ汗をかけ。
抗議する野党議員が委員長席を取り囲む中、採決が進む。インド洋での給油活動を再開させる新テロ対策特別措置法案をめぐり、おなじみの光景がやや控えめに展開された。
審議時間を十分取った。民主党が修正協議に応じない−。福田康夫首相の意向に沿って低姿勢に徹してきた与党側は方針転換の理由をこう説明する。が、最大の要因は首相訪米が週末に迫ってきたことにある。
政府は米側の期待に応えられず、給油活動を続けた海上自衛隊は撤収を始めた。日米同盟への影響を懸念する声も出ている。在日米軍駐留経費(思いやり予算)の削減問題や米国産牛肉の輸入全面再開など懸案事項はいつになく“満載”の状態だ。
そこでブッシュ大統領との初会談を前に、努力の証しを示す必要があった。それが新特措法案の衆院通過というわけらしいが、そもそも首相は小沢一郎民主党代表との会談で成立にこだわらない考えを示したともされる。経緯の説明を求める。
審議の焦点は、米空母に間接給油した燃料がイラク作戦に転用された疑惑と、活動の効果の有無だった。結局、政府から十分な説明がなかったばかりか、情報隠ぺいの新たな問題も浮上。守屋武昌前防衛事務次官と防衛商社の癒着も発覚した。文民統制が機能しているのか、その根幹部分の疑念は消えていない。
十五日には守屋氏の証人喚問が参院で予定される。その前の採決はいかがなものか。視線は米国と国民のどちらに向いているのか疑わしい。世論調査では給油活動再開の賛否は二分している。成立を目指すなら国民の合意形成の努力がもっと要る。
新特措法案が参院に移れば、主導権は多数派の野党が握る。政府にとっては、対応をゆだねざるを得ない「未体験ゾーン」に突入する。民主党はイラクに派遣している航空自衛隊を撤退させる自前の法案審議を優先させる方針だ。
国会は今ざわついている。参院で新特措法案否決なら、与党が衆院で再可決、野党が対抗して首相問責決議案を参院で可決、そこで衆院解散の可能性が取りざたされているからだ。ここは浮ついた政局論より地に足をつけた政策論争を期待する。
民主党にも注文がある。民生分野に限定した支援策をまとめたのだから、国際貢献をめぐる議論を国民の前で深めてもらいたい。
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