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赤木智弘著『若者を見殺しにする国』(双風舎)へのコメント
投稿者:miyadai
1990年代以降の東京郊外、あるいは首都圏の端っこ。
そんな地域に漂う空気とその匂いが伝わってきます。
匂いを伝える小説、ならば従来ありましたが、論説は珍しい。
実は赤木氏の論説が「匂いを伝える」こと自体が「問題」を象徴しています。
そう、彼が主題とする若年非正規雇用問題について、匂いに鈍感な論説が多すぎるという「問題」。
匂いに鈍感なままどんなに正論を連ねても、人々は動機づけられず、物事の手当ては見当外れになる。
僕も85年から96年までの十年余り、売買春フィールドワークで北海道から沖縄まで回わりました。
バブル崩壊の翌92年頃、地方が急速に空洞化し始めたこと、背後に対米追従外交があることに気付きます。
対米追従を支えるのは、対米ケツナメを右だと考える馬鹿右翼と、護憲平和を左だと考える馬鹿左翼。
右はアジアを敵に回して自立に必要な重武装化のチャンスをつぶし、左は米国軍事力への依存を平和と呼ぶ。
冷戦が終わったのに、対米追従の永続を前提とした権益と利権の鍔迫合いをする政界・官界・財界。
平成不況と対米追従ネオリベ策のダブルパンチで、集権的再配分が滞り、地方が著しく空洞化します。
本来なら――欧州がそうであるように――「閉ざされた談合主義」から「開かれた談合主義」へのシフトが必要なのに、
騙された国民は「談合主義(再配分主義)」一般がイケナイのだと思い込み、対米追従ネオリベ策に喝采しました。
取材を通じて、空洞化した地方都市で売買春する主婦や女子高生が漂わせていた匂いはどんどん強くなるばかり。
なのに、匂いに鈍感な「左右の識者」が規範や道徳を唱えていましたが、こうした糞野郎は増えるばかり。
「匂いに鈍感な糞野郎」が正論を唱える中、本書の正誤を逐条的に議論しても仕方ないでしょう。
この本で「匂いに鈍感な糞野郎」の存在が実名を挙げて暴露されていること、それが最も重要だと思います。
『若者を見殺しにする国』。
僕はこうした「匂いを伝える論説」を心から愛し、匂いに鈍感な馬鹿右翼と馬鹿左翼を心かち憎みます。
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=579
関連サイト:
希望は、戦争?blog 〜「丸山眞男」をひっぱたきたい Returns〜
http://d.hatena.ne.jp/t-akagi/
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