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流行語大賞「消えた年金」なぜ舛添氏が受賞…長妻氏が異論http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/107779
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12/05 10:12更新
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今年の流行語大賞でトップ10に入った「消えた年金」の受賞対象者が波紋を広げている。昨年来、民主党の「ミスター年金」、長妻昭氏がいち早く国会で取り上げ、社会保険庁を徹底追及してきたもので、「消えた年金」という言葉も長妻氏の作なのだ。だが、受賞者はなぜか、同庁を所管する舛添要一厚労相だった。舛添氏をめぐっては、年金対策への“公約違反”も取りざたされる。対象者から「消えた」長妻氏を直撃した。
長妻氏は4日朝、「(受賞者は)主催者が判断することで、(流行語を)盗られたという意識はありませんが、何か不思議な気はしますね…」と語った。
1年間の世相を反映し、強いインパクトを残した言葉に贈られる「2007ユーキャン新語・流行語大賞」。3日午後、東京・丸の内の東京會舘で発表され、トップ10に入った「消えた年金」の受賞者として舛添氏が登場した。
当の舛添氏は3日の授賞式に出席し、「こういうのを頂くのは申し訳ない」「国民に迷惑を掛けた」と陳謝。その上で、「問題に取り組む一つの勇気を頂いたという思いで頑張っていきたい」などと話していた。
長妻氏は舞台裏をこう明かす。
「数週間前、主催者側から『表彰式があるので来てほしい』と連絡があったが、表彰式があった3日は以前から決まっていた大阪出張があった。『ビデオメッセージなら大丈夫です』と返答したが、そのままだった。いつの間にか、舛添氏が受賞者になっていた」
主催者のユーキャンがインターネットで発表した「消えた年金」の受賞解説には、≪5000万件ともいわれる基礎年金番号に統合されていない記録のこと。元経済誌記者の調査能力を活かし、年金問題を徹底して追及していた“ミスター年金”長妻昭議員が国会で質問し、大きくクローズアップされた≫と長妻氏への心配りがみられる。
「ユーキャン新語・流行語大賞」事務局は選考理由について、「舛添大臣と長妻さんの2人の名前が挙がっていましたが、検討した結果、現在、年金問題に取り組まれているという理由で最終的に舛添大臣に決定いたしました」と話す。
だが、舛添氏の受賞には疑問が多い。
年金対策での“公約違反”が発覚したばかりなのだ。
先月21日の会見で、舛添氏は消えた年金記録について「場合によっては数%、何としても(氏名などが)見つからないというのは出てくる可能性もある。最後の1円までやるというのは、ある意味で選挙のスローガン。そういう意気込みでやるということだ。国民に報告し理解をいただくほかはない」と平然と言い放った。
舛添氏は8月28日の就任会見で、消えた年金記録について「最後の1人、最後の1円まで確実にやる」と公約。翌月26日の会見でも「政権公約として工程表を発表しており、これに則ってやることは内閣が代わろうが変わらない」といい、来年3月までの統合完了を約束していた。
閣僚就任からわずか3カ月で福田康夫内閣の最重要課題を事実上あきらめる発言を放ち、「選挙公約ならば守れなくても仕方ない」といった認識を示すような人物に、どうして受賞資格があるのか。長妻氏もいう。
「社会保険庁は2年2カ月後に解体される。私は国会で『解体前に、倉庫に保管してある(年金記録の)紙台帳とコンピューターの記録をすべて照合し、コンピューターの記録を正しくすべきだ』と主張してきた。舛添氏は当初、『やる』と言っていたが、最近は『あれは意気込みだ』と変わってきた」
「柳沢伯夫前厚労相は『産む機械』など問題発言もあったが、大臣として『やる』と約束したことは、官僚を動かして実行した。ところが、舛添氏は『やる』と言いながら、やらずに発言を修正してくる。あまりにも言葉が軽過ぎる。大臣としての自覚がないのではないか」
消えた年金や薬害肝炎といった課題に、派手なパフォーマンスもまじえて取り組んできた舛添氏だが、最近は「実行は伴っているのか」との批判も多く、劇場型閣僚としての真価が問われだした矢先の受賞だった。
明治大学の高木勝教授も「そもそも政府・自民党は『年金は消えてはいない』という立場だったのに、その後、社会保険庁職員の横領などが次々と発覚し、否定することができなくなったのだろう。『消えた年金』という言葉自体は賞に値すると思うが、厚生労働行政のトップとして、年金問題に取り組むのが当たり前の舛添氏を表彰することに矛盾を感じる。賞をあげる方もあげる方だが、ひょこひょこと出てきて表彰を受ける舛添氏も言語道断だ」と話している。
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