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新テロ特措法案の衆議院での再可決を視野においた臨時国会の会期再延長が現実問題となった。早晩福田首相は長期延長を決断するのだろう。これらの問題について、報道各社が世論調査を行い、その結果が報じられている。現在のところ世論調査の結果には、かなりのバラつきがある。設問の仕方が違うためにそのようなバラつきが生まれるのであろう。問題が複雑なことにも原因があるようにも思われる。
しかし、現在バラつきがあっても実際に衆議院で新テロ特措法案が再可決されたとき、国民世論がバラバラである筈がない。問題が確定すれば、国民世論は意外にハッキリとすると思う。世論調査を読むというのは、非常に難しいのである。現在の世論調査の結果を参考に会期再延長を福田首相が決断すれば、抜き差しならない事態に追い込まれることは十分にあり得る。1ヵ月後の世論がどのようにやっているかを予測することは、最高の政治的センスがなければ非常に難しい。そのようなセンスが自公“合体”政権や与党幹部にあるとは思われない。
もうひとつ重要なことがある。政治もしくは政治問題に関する世論調査は、日々変わっていくということである。政府の行動、野党の攻め方、マスコミの報道の仕方、政治以外の社会情勢、国際情勢などさまざまの要因が絡み、またそれらがお互いに影響し合いながら、国民世論は形成されていく。もし、ある問題について国民の支持をキチンと得たいならば、それ以外の問題については最大の問題に配慮しながら進めなければならない。大の虫を生かすためには、小の虫は無視しなければならない。今回の大の虫とは、もちろん新テロ特措法案である。
福田首相にも自民党・公明党にも、このような繊細な配慮はまったくない。いちいち挙げるまでもないであろう。要するに戦々兢々として薄氷を踏む思いで政権を運営するなどという気は毛頭ないのである。安倍内閣にはそのような姿勢はまったくなかった。それらが積み重なって、参議院選挙で歴史的な大敗を喫したのである。そのことに対する認識がないのである。だから安倍首相の続投を許容したのだ。またまったく変わり映えのない派閥談合で福田康夫氏を総裁に選出したのも同じことである。根本のところがそもそも度し難いのである。
根本がおかしいのだから、やることなすことが全部ピンボケになる。国民の神経を逆撫ぜする。それらが影響し合って、徐々に福田内閣を追い詰めている。そんなことは当然のことなのだ。自業自得である。内閣支持率は徐々に落ちているが、ある時点で必ずドンと急落する。それが何時かは私にも分からないが、新テロ特措法案を衆議院で再可決したとき、その可能性がきわめて大きいことは確かである。ひとたび今回の臨時国会の会期を大幅に延長すれば、福田首相はもう後ずさりできなくなる。その結果どうなるか。私にはだいたい予想できる。その覚悟があるなら、大幅延長すればよい。この数日は、見ものである。
それでは、また。
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