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民主党は額賀財務相が宴席に座っていたかどうかの問題ばかりに拘泥し、それよりもはるかに重要な（宴席同席も含むといえば含んでいるが）防衛産業と防衛族とのつながりや、その中でいったい何が話され、何がおこなわれていたのかの問題を追及することに及び腰だ。
それはなぜかというと、民主党は、前原元代表（現・副代表）が「安全保障議員協議会」の常任理事だったり、日米平和・文化交流協会の理事だったりするなど、久間さんや額賀さんと同じ側にいる人物を党内に抱えているからだ。
額賀さん同様、民主党代表の小沢氏も、山田洋行から多額の献金を受けていたが、「あらぬ疑いをかけられても」とばかりに返却したそうだ。それもそうだろう、小沢さんは自民党幹事長時代は押しも押されもせぬ、防衛族議員の筆頭だったのだから。
要するに民主党は、防衛産業と防衛族の関連を追及すれば、必ずブーメランとなって自分に返ってくるのをよくご存じなのだ。
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以下は12月7日（金）付「しんぶん赤旗」１面から直接貼り付け。
≪腐敗の聖域 軍事利権を追う⑦≫＜交流協会（上）＞防衛族のパイプ役に（しんぶん赤旗）
一連の軍事利権疑惑の中で注目を集めているのが、外務省所管の社団法人「日米平和・文化交流協会」です。常勤理事を務めるのは「軍需利権のフィクサー」と呼ばれる秋山直紀氏。国会近くの事務所は東京地検特捜部の捜索を受けました。
同協会は、日米で毎年一回ずつ「日米安全保障戦格会議」を開催しています。防衛族議員や米高官が出席。両国の軍需産業が後援・協賛し、兵器や装備の「売り込み」演説も行われます。
■軍事強め
「私がいたころはあんな団体じゃなかった」
団体元幹部の一人は吐き捨てるようにこう語りました。
登記簿によると同協会は一九六八年設立。旧称は「日米文化振興会」です。別の元幹部は「年に二回ほど、ワインパーティーや高校生の英語コンテストなどをした」と語ります。
この団体が軍事色を強めていく過程と、秋山氏がトップに就くまでの過程は重なります。
九一年の振興会の事業案内にはまだ、防衛族議員の海外交流は書かれていません。軍事関連では「米国の政治、防衛、経済の裏情報を即日伝えるレポート配信」があります。秋山氏主宰の「国際外交研究所」による、会員制の情報配信サービスとみられます。
九八年までに秋山氏は非常勤理事に就いていますが、元幹部は「あまり会合に出てこない人だという印象」と語ります。
秋山氏の国際外交研究所はその後、安全保障研究所（安保研）と名を変えます。
安保研と振興会が、防衛族議員を米国に派遣する「日米安保議員交流」を始めます。振興会の九八年の事業報告書には「国防議員四人を派遣、ガイドライン法の成立に伴う日米安保体制について研究を深めていただいた」とあります。
これが現在の日米安全保障戦略会議として続いているのです。
秋山氏と親しい人物は「振興会の活動は実質的に安保研の活動になっていった」と語ります。
二〇〇四―五年にかけて、振興会の理事だった大学教授や評論家らが一斉に退任。代わって理事に就任したのが久間草生元防衛相や額賀福志郎財務相、前原誠司民主党前代表ら防衛族議員と、日本の軍需企業幹部でした。シュナイダー元米国防次官らも理事に迎え、秋山氏は常勤理事に就任。名称も現在のものに改めました。
こうして協会は名実ともに秋山氏の軍事利権団体となりました。
■調整機能
かつて、軍事利権の調整機能を果たしていた別の組織がありました。
故金丸信・元自民党副総裁らが八〇年に設立した「日本戦略研究センター」（日戦研）です。防衛庁（当時）制服組OBや自民党防衛族議員らが名を連ねていました。
日戦研は元陸上幕僚長の永野茂門参院議員（自民、引退）らを幹部に迎え、利権に深く食い込みますが、金丸氏は東京佐川急便事件（九二年）で失脚し政界を去ります。会長を引き継いだのは、小沢一郎元自民党幹事長（現民主党代表）でした。しかし小沢氏は翌年、自民党を離党。日戦研はその後、活動を中止します。
利害調整組織を失った自民党防衛族にとって、軍需産業との新たなパイプ役を担うことになったのが現在の交流協会と安保研だったのです。
秋山氏と親しい前出の人物はこう解説します。「防衛族は軍需虚業の動きを知りたい。パイプ役にはニーズがある。小沢氏が自民党をとび出しでできたすき間に入り込んだのが秋山氏だ」
（つづく）
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以下は12月8日（土）付「しんぶん赤旗」１面から直接貼り付け。
≪腐敗の聖域 軍事利権を追う⑧≫＜交流協会（下）＞防衛族のパイプ役に（しんぶん赤旗）
「北朝鮮体制と対時（たいじ）する上で、われわれの国に飛来するミサイルを破壊する能力があることを知らしめることほど、核ミサイル開発の意欲をそぐことはありません」
■売り込み
米国ノースロップ・グラマン社のホームページ（英語）に、軍需企業の本音を示すスピーチが掲載されていました。二〇〇五年秋、東京で開かれた「第六回日米安全保障戦略会議」での、I・J・クイン副社長の言葉です。ミサイル防衛（MD）技術の「売り込み」演説で、同氏はこう強調しました。
「事態は切迫しています。すでに開発済みのシステムを、日本政府は選択すべきです。何年もの努力と何十億ドルもの予算が節約できます。われわれはあなた方と働く用意があります」
防衛族議員と日米軍需企業の接点となっている、社団法人「日米平和・文化交流協会」（秋山直紀常勤理事）。事業の中心が、日米で毎年一回ずつ開催する安全保障戦略会議です。毎年、自民、公明、民主の各党の議員が参加しています。
近年の会議資料を見ると、MDに関連する出席者や議題が目立ちます。
MDには迎撃ミサイルだけでなく、イージス艦、地上レーダーや航空機、軍事衛星からのミサイル監視網、それらを統合運用するコンピューターシステムなど、複雑な技術体系が必要です。軍需企業はここに巨大な市場を見込みます。
〇六年の第八回会議（東京）のプログラムには連日、米軍需企業によるプレゼンテーションが。グラマン社やミサイル製造大手のレイセオン社などが連なります。ロッキード・マーティン社のデビッド・ギアMD部門副社長はパネリストを務めています。
配布資料（〇五年）には、米側各社による日本語のMD関連パンフレットが多数あり、「画期的なミサイル防衛」（ボーイング社）「ミサイル防衛のパートナー」（グラマン社）などのコピーが躍ります。
日本側も同様です。日本経団連の防衛生産委員長を務めていた三菱重工業の西岡喬会長は、事実上、武器輸出を禁じた武器輸出三原則が日米間での共同生産の障害になっていることに触れ、「今回日米でBMD（弾道ミサイル防衛構想）の共同研究を始めたチャンスをとらえ…政府間で何としても解決への道を」と訴えています（〇三年、第二回会
議）。
■20年来の
交流協会を軍事利権組織に育て上げた秋山氏。主宰する国際外交研究所が九九年、興味深い本を出版しています。
『新仮想敵国』（二百十三㌻）。はしがきによると、「安全保障政策に関わる政・官・学分野のメンバーと重ねてきた研究会」で作成した「安全保障政策の提言」です。二部構成の前段部分が、ミサイル防衛に費やされているのです。
同書にはウイリアム・シュナイダー元米国務次官が特別寄稿。「日本のMD導入に向けた歩みののろさは、北朝鮮のミサイルの利用価値を高めてしまっている」と日本政府を批判しています。
秋山氏と親しい人物はこう語ります。「秋山氏が狙っていたのは、二十年くらい前から一貫してMD利権だった」
〇三年末、小泉純一郎政権は日本版BMDの導入を決定しました。導入経費は総額一兆円とも言われます。交流協会をパイプ役に、MDをめぐる軍需産業と防衛族の動きはいよいよ本格化しています。
（つづく）
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投稿者 gataro 日時 2007 年 12 月 09 日 11:23:53: KbIx4LOvH6Ccw
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