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小沢民主党代表が代表の職を辞することを表明した。誰が引き止めてももう辞職以外の道はないだろう。わが国の政治は、混迷する可能性がある。だからといって、これまでの政治の流れは変えてはならない。いよいよ正念場である。
小沢民主党代表は今回の党首会談や大連立をめぐる報道機関の報道に抗議する意思もあるといっていた。わざわざ『朝日新聞』と『日本経済新聞』を除外していた。ということは、今日の『讀賣新聞』の一面トップの次の記事を全否定したということであろう。
「大連立」小沢氏が提案――「絶対 党内まとめる」
2日の福田首相と小沢民主党代表の会談で、議題になった自民、民主両党による連立政権構想は、実は小沢氏の方が先に持ちかけていたことが3日、複数の関係者の話で明らかになった。
「大連立」構築に向け、小沢氏がカギと位置づけたのは、自衛隊の海外派遣をめぐる「原理原則」だった。
関係者によると、小沢氏は当初から、首相側に連立政権の考えを持っていることを内々伝えていたという。
2日午後3時から行われた会談で、首相は新テロ対策特別措置法案への協力を要請。これに対し、小沢氏は「自衛隊派遣には原理原則が必要だ」と主張した。
さらに、自衛隊の海外派遣のあり方を定める一般法(恒久法)について、「『派遣は国連決議に基づくものだけに限る』と決めて欲しい」と求めた。内容の検討は、「内閣法制局に頼らない方がいい」などとも注文した。
首相は「与党が納得するかどうか確認したい」と答え、休憩を取ることにした。
直前に、小沢氏は「それさえ決めてくれれば、連立したい」と述べ、連立政権への参加を持ち出したという。
連立参加は、首相の方から要請した形とすることも小沢氏は求めた。民主党内の説得に有利と判断したと見られる。
会談が6時半から再開したところで、首相は小沢氏の主張に沿った文書を手渡した。
小沢氏は「これで決める。(連立参加で)私が党内をまとめます」と明言。首相が「大丈夫ですか」と問いかけると、小沢氏は「絶対にまとめます」と重ねて強調した。
そもそも、10月30日の最初の党首会談を持ちかけたのも小沢氏の側だった。
打診は10月半ば。30日の会談では、2日の再会談を確認するにあたり、31日の国会の党首討論をどうするかが話題になり、首相は予定通り行うことを主張したが、小沢氏は難色を示し、延期が決まった。
私はこの記事の書かれていることが事実だとしたら、小沢氏は民主党代表を辞任するに値すると思っていた。しかし、そうではないようである。「自衛隊の海外派遣は国連決議に基づくものだけに限る」ということだけでも政策協議ー連立を議論する価値はあると考えたようである。また民主党がマニフェストに掲げた農家の所得保障などの政策を実現できるのであれば、民主党に投票してくれた国民の期待に応えることになるのではないかと述べていた。小沢氏らしい考え方である。
小沢氏のこれまでの政治的言動は、それなりの理屈があった。しかし、小沢氏は理屈あるいは論理を重視しすぎる嫌いがある。政治も世の中も“理屈”だけでは動かない。また“理屈”よりもっと高度な“理論”が必要なのである。ましてや政治理論が必要なのである。政治理論は感性やプロセスにも価値をおかなければならない。私も理屈を大切にする方だが、私が重視するのは政治理論論である。若いときから自民党政治家として生きてきた小沢氏と社会運動や政治運動をしてきた私の違いである。
小沢氏が民主党に投げかけた問題は大きい。感情論だけでこれを拒絶しただけでは済まない。政権を獲得するとはどういうことか、政策を実現することとはどういうことか。大きな問題の提起をしているのである。これに応え、小沢氏の“理屈”を乗り越えていく代表を選出していくことは至難の業である。しかし、そのような代表を選出する以外に民主党の歩む道はない。またそのようなリーダーによって、政権交代ははじめて成し遂げられる。これからの民主党の動向に注目しなければならない。
それでは、また明日。
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