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2.自民党と公明党の不可解な選挙協力と教育基本法
○亀井(静)委員 ありがとうございました。我々も一生懸命取り組みますから、ぜひ政府の皆さん方も協力をしてください。資料を隠したりなんかしないで、しっかりと協力してください。
今、国交省の佐藤君が本当に苦労していますよ。怨嗟の声が国交省に行っちゃっているんだ。自民党から出たので本人はその点悪いんだけれども、かわいそうじゃないですか。
だから、そういうことはもういいけれども、ここで、総理、力が弱い者が一生懸命生きていこうとした場合、やはり、せめて手がかりぐらいは政府の責任においてきっちりつくっていく、自己責任だとかなんとか言わないでということを私はぜひお願いしたいと思う。これは答弁は結構です。
私は、こうした日本をきっちりとしていくには、総理を初め、政党、必死になって頑張らにゃいかぬと思うんだけれども、それだけではなかなかうまくいかない。国民全体の協力と努力が必要ですね。宗教団体、精神修養団体、いろいろありますね。こういうところの、やはり何を考えているかというところをしっかりと政治が酌み取っていくということは、私は今ほど大事なときはないと思う。
いろいろ宗教団体ありますよね。既成宗教と新宗教では、辯天宗とか、あるいは妙智会、あるいは立正佼成会、創価学会、いろいろあります。神道系なんかまた本当にたくさんありますよね。真光、天理教、金光教、あるいは天照皇大神宮教、大本、また、八大龍王神八江聖団というのが北海道にあります。これまた宗教団体じゃないけれども、精神修養団体、あなたも指導を受けていると思うんだけれども、実践倫理宏正会、すばらしい活動をしていますよね、私も指導を受けているけれども。あるいは一燈園なんというのがありますね。
こういう宗教団体や精神修養団体がやはり一緒になって立ち上がっていかなければ、この日本、なかなか私は救われないと思う。そうした団体の意見をどう酌み上げていくか。
創価学会が、公明党を通じて政権に対して自分たちの考え方を反映してもらおうというのは、当たり前だと私は思いますよ。ただ、問題は、それを政府・自民党がどう受けとめていくかということなんです。残念ながら、今見ておりますと、創価学会と公明党、自民党、政府の関係、ちょっと国民もおかしいなと思っているんじゃないですか。
だって、そうでしょう。創価学会員は、平和を願い、庶民の生活を守ってほしいと。冬柴さんがいらっしゃるので私言いにくいんだけれども、公明党は、イラク戦争を支持しているじゃありませんか。また、庶民への負担増を、あっという間に自民党に同調して、支持しているじゃありませんか。
逆に、自民党は、教育基本法については、あらゆる宗教団体、圧倒的な声を無視しちゃって、創価学会のおっしゃるとおりの教育基本法を強行採決までやってつくったじゃありませんか。――ちょっと待ってください。あなたに質問したんじゃない。
そういう中で、いいですか、しかも自民党は、私のかつての住みかですけれども、選挙で公明党、創価学会に丸抱えになるからといって、今どうですか、本当にひどい状況じゃないですか。だって、自民党への復党問題まで公明党が堂々と横やりを入れているじゃないですか。こんなことは普通あることですか。(発言する者あり)ちゃんとこれは堂々と公明党が出しているじゃない、何言っているの。復党について反対しているでしょう。
それと、いいですか、総理、選挙協力と称して、自民党が候補者を出しているところに、出していないところなら別ですよ、出している比例区に公明党、公明党と言う。言っているじゃありませんか。今度の選挙でまたやるんですか、それを。我々野党は選挙協力しますよ。しかし、自分の党が候補者を出しているところに、よその党を応援してくれなんて、そんな破廉恥なことはようやりませんよ、我々は。だけれども、自民党はそれをやるじゃないですか。そういうことは政党としてあっていいことですか。政党政治の堕落じゃないんですか、これは。だって、候補者を立てているんですよ、自民党が。おるのに、ここは公明党をというようなことを、こんなことを政党がやっていいんですか、選挙協力だといって。
私は、これはまさに政党政治の自滅だと思う。こうなったら、総裁は怒るかもしらぬけれども、いっそ、もう公明党に自民党は吸収合併されたらいいんだ。その方が国民からわかりやすいよ。(発言する者あり)失礼だって、本当にそうだからしようがない。おかしいじゃない、今あったら。だって、自民党の候補者がおるところを、公明党をやるやれとかどうだとか、前小泉総理が解禁したんですよ。それをやったっていいということを解禁したんですね。
だから、私はここで総理にお聞きする。今度の参議院選挙で自由民主党は公明党との間でそういう選挙協力をおやりになるんですか。答えてください。
○安倍内閣総理大臣 どういう選挙戦略を行うかは、これは自由民主党の問題であって、本来ここでお答えすることではない、こう思いますが、当然、我々は、次の選挙においては、自民党としての選挙公約を掲げて戦っていきたい。そして、当然また、自民党、公明党で与党を組んでおりますから、与党の公約を掲げていく、与党の公約と自民党のマニフェスト、これを同時に国民の皆様に訴えてまいりたい。友党関係にありますから、選挙の際は協力関係を構築していくのは当然のことではないかと思います。(冬柴国務大臣「委員長、委員長」と呼ぶ)
○亀井(静)委員 あなたに聞いているわけじゃない。
今、総理からの答弁、本当にその答弁でいいと思われますか。日本は政党政治でやっているんですよ。だから、私の質問時間だって五十分でしょう。質問時間だってほとんど小党にはないんです。党を中心に運営をされているわけでしょう。
その政党政治下における選挙において、何度も私は申し上げるけれども、候補者を立てていないところで協力し合うのは、何ということはない、政策を中心にやる。立てているところで他党の候補者をやってくれというようなことを言うのは、選挙民を愚弄しているじゃありませんか。違いますか。もう一度答えてね。
○金子委員長 冬柴国土交通大臣。
○亀井(静)委員 私、指名していないよ。まあ、いいよ。どうぞどうぞ。
○冬柴国務大臣 先ほどから、公明党、公明党と、いろいろな言葉が出ておりますので、私も公明党員でございますから、お答えをしなきゃならないと思います。
選挙協力、これは政党間でよく話し合って、そして我々も応援すべきだと思う人は応援します、しています。そして、我々に応援をしてあげようという人には我々も感謝します。そういうことで自公連立が成っているんじゃないですか。我々は、政党だけではなしに、私どもを支援していただく方にもよく相談をし、そしてその人たちの意思を集約して政治決断をしているわけでありまして、そういうふうに言われることはないと私は思います。
それから、先ほど来、公明党が何か国家を壟断しているような趣旨の話までされましたけれども、とんでもない話ですよ。私も亀井先生は大変尊敬する政治家の一人ですけれども、なぜそういう、その立場になったら言われるのか、本当に私には解せません。本当に私は誠心誠意、亀井先生ともおつき合いしていて、そういう、私どもが無理難題を自民党に押しつけ、そして自民党が、あたかも選挙で応援してもらいたいからそれをのんでやっているような趣旨としかとれないような発言をされることは全く心外でございまして、私は、公明党は断じて、庶民のため、そして平和のため、一生懸命やっています。
そして、イラク戦争を是認したではないかと。私は、イラクの人道復興支援のために一生懸命自衛隊にやっていただいたわけでありまして、平和の問題であります。私どもは、十分に党員、支持者の方にも納得をしていただいて、我々は政治決断をしているわけでございまして、国連の安全保障理事会決議に基づいて、国家として自主的、主体的、積極的に行ったものに対して、あたかも派兵をしている、戦争に行かせるような趣旨の発言は、私は受け入れることはできません。一部政党がそのように言われることは、私はもう反論もしませんけれども、亀井先生からそういうことを言われるというのはまことに心外でございます。
いろいろ言いたいけれども、これぐらいにしておきます。
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3.安倍総理と池田名誉会長との関係への疑惑
○亀井(静)委員 別に、私は冬柴大臣に答弁を求めたわけじゃありませんが、大臣、そうおっしゃるけれども、選挙協力の実態が、今申し上げましたようにバーターでなされているということは国民周知の事実じゃありませんか。これは違う違うと言われても、これは周知の事実。
それと、具体的に言いますと、大分県で復党問題について公明党が堂々と、それについてだめだと言ったのは事実でしょう。違いますか。だから、冬柴大臣、そう無理な答弁をされないで、ひとつ、やはり公明党としては、創価学会員の切なる平和への願いとか庶民の生活を守るとか、そういう立場に立って、やはり自民党に対しても、だめなものはだめだということを、また、やるべきことをやれということを言ってやってもらう、私はそういう期待感があるけれども、最近の状況を見たらそうじゃないから、あえてこういうところで申し上げている。いいですか。
それで、これは、とにかく次の参議院選挙で明らかになることなんです、全国的に。だから、国民は注視をしていますから、総理、いいですか、政党政治の上に乗っかっている議会制民主主義である以上は、そうした政党のあれを無視した、当選するために便宜がいいというだけでの、そんな国民を愚弄したことをおやりになった、その数の上で政治をやろうと思われましても、これは絶対大敗北を喫しますよ。申し上げる。
もう時間がありませんので、次に移ります。
総理、池田大作名誉会長に、あなたは去年の九月ごろ、お会いになりましたか。
お会いになったっていいんですよ。池田名誉会長は世界の第一級の人たちとどんどん会っておられますね。そういう人物と一国の指導者がお会いになるというのは当たり前の話です。これは、池田大作会長だけじゃなくて、ほかの宗教団体のトップだって同じことです。私は、それはいかぬと言っているんじゃないんですよ。そうじゃなくて、お会いになっているということを読売も書き、毎日も書き、日本経済新聞も書いているでしょう、具体的に。それで、予算委員会で総理は、いや、会ったことはないということを執拗に否定をしておられる。国民は、総理が何かうそを言っておられるんじゃないか、隠しておられるんじゃないか、そういう大新聞が全部報道しているんですから、今そう思っているんですよ。
だから、私は、お会いになられたことは、もうお会いになられていいんです、何も悪いと言っているわけじゃない。しかし、こういう状況だと、創価学会と一国の総理との間に何かやましい関係があるんじゃないか、隠さにゃいかぬ関係があるんじゃないか、そういう疑心が生まれる危険性があると言っているんですよ。だから、私は、お会いになられたら、率直にお会いになられたということをおっしゃったらいいと思いますよ。どうですか。
○安倍内閣総理大臣 私が敬愛する亀井先生とは思えないお言葉だと思います。
まず、自民党と公明党との関係でありますが、いわゆる復党問題について、公明党からまた我々が言われて判断をするということはないし、事実、私は全く復党の問題について公明党の方々から何か意見を言われたことはないということは、まずはっきり申し上げておきたい。今後もそれはない、公明党の皆様から意見を言われるということも恐らくないでしょうし、その意見によって私が判断するということもないわけでございます。
また、自民党と公明党は、両党連立政権を組むに際しまして政策協定を結んでいます。いわば、政策をしっかりとお互いに示しながら、協定を結んで、国民の目の前で、わかりやすい連立政権を組んでいるということは申し上げておかなければならない。
そしてまた、選挙においては、これはやはり選挙において友党であり政権をつくっている連立の政党同士が協力するということは当然のことであろう、そしてその中でも、国民からあらぬ疑いを持たれたり非難を受けることのないように節度ある選挙協力を行ってまいらなければならないと思います。
もちろん、連立政権を組んだ当初は、これは当初ですから、いろいろありますよ、それは政治の世界ですから。それはもう亀井先生も御承知のとおりだろうと思いますよ、亀井先生も自民党におられたから。しかし、だんだんこれは成熟をしてきて、成熟期に入ってきている、私はこのように思います。
そしてまた、政策においては、自民党は単独の政権ではありません。それは参議院において我々は過半数を割っておりますから、それが民意といえば民意なわけでありますから、そこで我々は連立政権をつくっているわけであります。自民党の意見は一〇〇%通らない、もちろん公明党もそうです。その中で、お互いに政策において協議をしながら、時には激しい議論をしながら、政策をつくっていくわけでございます。
ですから、これは教育基本法においても自民党と公明党で長い間相当の議論を繰り広げました。大島先生が大変な御苦労をされてやっとでき上がったものでありまして、もちろん自民党が一〇〇%これだったらという最初の望みどおりにはいきませんが、それはやはり、国民が民意として今の連立政権ということになっているわけでありますから、その中でできたベストではないか、私はこう思っているところでございます。
そこで、池田名誉会長と私がお目にかかったかどうか。これは、もう既に委員会で申し上げておりますように、お目にかかったことはございません。
○亀井(静)委員 時間がないのでなんですが、総理、では、なぜ、教育基本法なんというものはもう本当にできて以来初めての改正でしょう、そういうものを、ほとんどの宗教団体が賛意を表していない、反対をしている、野党が反対をしている状況の中で、しかも、自民党が長い間党内で練りに練ってきた案、それとも違う、連立を組んでいる公明党が言っていることにああいう形で妥協というかして、強行採決までして、何でおやりになったんですか。それは、時間をかけておやりになればよかったことでしょう。これ以上のことは水かけ論だから言いません。
それともう一つ。今、復党問題について、そんなことはない、それは自民党の方から言ったわけじゃなくて、公明党の方からそれは復党させてもらっては困るということを言ったんでしょう。正式でしょう、これは。新聞にもたくさん出ていますよ。大分県連がやったんでしょう。大分県連、やらなかったんですか。やっているでしょう。
それと、今、総理が会ったことはないとおっしゃったんだけれども、それでは、官房長官……(発言する者あり)うるさいね。いいですか、一国の総理がうそを言っているのかもしれない、そういう状況に立たされているときに、それは読売であろうが毎日であろうが日経であろうが、あんなにでかく報道されちゃっておる、それについて、間違いであるのなら記事の訂正あるいは法的措置をやられたんですか。どうぞ、官房長官。
○塩崎国務大臣 ただいまの面会をしたかどうかという報道は内閣としての問題ではないと思っておりますので、内閣として動いているわけではございません。
○亀井(静)委員 内閣で動いていないという。あなた官房長官でしょう。だって、総理たる安倍晋三の行動について国民から疑念を持たれているときには、それを晴らしていくのが官房長官の立場じゃないんですか。そんなことをする必要はないんですか。では、官房長官は何をやるんですか。総理の汚名を晴らしていくとか、それは官房長官が適切にやっていくべきことでしょう。やらなくていいんですか。だって、総理のときにお会いになったんでしょう。
もう一度、答弁。官房長官。
○塩崎国務大臣 新聞に取り上げられている件は、安倍総理が総理になる前の話でございます。
○亀井(静)委員 総理になる前とかなんとかおっしゃるけれども、国民はまさに、なられるのは決まっているわけだから、一体として見ているんですよ。そういう場合に、総理におなりになる、私はいつ会われたかわからぬから言っているんですよ、なって会われたのか、その前か、わからないから。そういうこと全体の国民の疑念に対して、きちっと措置をするのが官房長官の仕事じゃないの。それを全然ほっておいていいの。もう一度。
○安倍内閣総理大臣 まず、亀井先生が汚名という表現を使われましたが、これはやはりおかしいのではないですか。私は、それは全然、別に汚名だとか侮辱されたという感覚は全くございません。
そして、そこで、新聞報道について、私は、この報道は誤りだ、明らかに違うことというのは随分ありますよ、それは。それは亀井先生だってそうでしょう。新聞報道とか週刊誌が本当だったら、亀井さんは今ごろ大変なことになっていますよ。それは違うんですよ。だから、私も一々そんなことで法的手段に訴えたり、そういうことはいたしません。
○亀井(静)委員 総理、そう興奮しちゃだめですよ、一国の総理が。
私が汚名と言っているのは、いいですか、池田大作名誉会長とお会いになったことが恥ずかしいことだ、いかぬことだと言っているんじゃないですよ、最初から言っているように。それはいいことだと言っているんです。ただ、そういうことを、新聞はお会いになったということを言って、書いているのに、自分は会っていないというようなことをおっしゃるのは、うそつきと思われる汚名なんですよ。これほど恥ずかしいことはないよ、そんな、疑われるということは。恥ずかしいことで、総理がそういうことを隠しているということを国民から思われることは汚名ですよ。
そのあたりのことは、あなたはきっちりする気はないんですか。今後ともそういうことでおやりになるんですか。
○安倍内閣総理大臣 私が否定したのは、その報道があって後ですね。ですから、その報道を私が否定したわけですよ。その私が否定したことを別にうそつきだという報道はなされていません。ですから、一々それに私が法的な対応をとるということでは全くないと思います。
○亀井(静)委員 総理、あなたは私との間では、もう時間もないから、これはしのげるかもしらぬけれども、国民全体が、なぜそういうことを隠しているんだろうかという疑心はずっと引き続いていく。だって、そうでしょう。一社じゃないでしょう、多くの新聞が克明に書いているんでしょう。では、それなら法的措置をとればいいんです、記事訂正を申し入れすればいいんですよ。
私なんかだって、ありもしないことを言われたら、私は法的措置をどんどんとっていますよ。それで私は賠償金も取ったし。それが、政治家は、自分の、個人の気が済む済まぬの話じゃなくて、国民との関係においてはそういうことを明確にしていくのが政治倫理でしょうが。そうでしょう。
○安倍内閣総理大臣 私は委員会でも申し上げているんですから、これ以上のものはありません。それと、総理たる私が一々マスコミ等を訴訟する、いかがなものかと思います。
ですから、それは多くの週刊誌に勝手なことを書かれていますよ、事実と全く違うことを。しかし私は、今権力の頂点にいる、行政のトップとしてですね、そういう訴訟を一々するべきでない、このように考えています。
○亀井(静)委員 もう時間がないので終わりにしますけれども、政治と宗教との関係というのは、やはりお互いに神経を使いながら進んでいかなきゃいかぬ問題ですよ。総理もその点、よくおわかりでしょう。
そういう観点からも、やはり、一国会議員なら別として、総理たるものはそのあたりのことをきっちり配慮していって、一点の疑念も国民から持たれないようなことを私はやっていってもらいたい、このようにお願いします。
はい、時間がありません。
○金子委員長 これにて亀井君の質疑は終了いたしました。
次回は、明十四日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時散会
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亀井静香議員発言を見る!
平成19年2月13日の衆議院予算委員会での亀井静香議員による忌憚のない発言。その中で、特筆すべき言葉を4つの分類に分けて列挙したいと思う。
1.国の現状を言い当てた発言
2.自公政権の政策への意見・批判
3.年次改革要望書への批判
4.日本の本来の在り方
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1.国の現状を言い当てた発言
「この日本列島の津々浦々から弱いうめき声が聞こえているでしょう。」
「総理のお話を今までいろいろ聞いていると、バラ色のようなことをおっしゃっているけれども、今の日本は経済の面でもしぼんでいるんじゃないですか。六年前に五百十兆円の国民所得は、今五百三兆円になっているんじゃないですか。」
「経済もしぼみ、心もしぼみ、国土もしぼむ。」
「今、経済全体のことも言いましたけれども、日本人の精神状況はどうですか。これで本当に大丈夫なんだろうか。結局、幾ら機械化したところで、生産だって何だって最後は人間がやるものだ。この激しいモラルハザード。」
「今、テレビ時代で、トップリーダーのモラルハザードは茶の間を直撃しているじゃないですか。」
「本当に冗談じゃなくて、そこまで夫婦のきずな、家族のきずなというのが信じられないような、こんな時代になっていること。」
「米俵百俵、財政が大変だ、我慢してくれ、それは結構な話。しかし、だれに負担を求めたんですか。人生の最後を迎えようとするお年寄り。若い者にもっと働けと言うのはいいんだ。そういう人たちに、年金、医療、介護、三点セットで。あそこに何で集中的な痛みを求めなければならぬのですか。」
「この六年近くで五百三十兆の借金が八百兆に今なんなんとしよるじゃありませんか。何のためにお年寄りや地方の人は苦しんだんですか。」
「今、イザナギ景気を超えるものだと言っているけれども、先ほど来もいろいろ質問が出ているけれども、国民大衆には何も関係ないじゃないですか。かつて岩戸景気、神武景気という時代があったんですね。あのときはみんな少しずつ懐が暖かくなったんです。今はそうじゃないでしょう。」
「景気が回復してよくなっているんなら、消費がふえにゃおかしいんですよ、どう考えたって。ところが、消費は減っているじゃありませんか。消費が減っていくような経済で、上澄みの一部の人が自家用ジェット機を買おうが何をしようが、そういう人たちの消費で日本経済はもっていくんですか。中国やアメリカへの輸出、それも大事だけれども、内需をきっちり拡大していく。」
「この六年間で日本の経済構造も生活の仕方もがらりと変わっちゃったんですよ。だから、大企業が景気がよくなったって、みんなに及ばなくなっちゃった」
「それを大事にしながら、そこももうけさせながら従業員も豊かにしていく、その中で利益を上げていくというのが経営者の生きがいだったんじゃないですか。そういう経営者が世間から立派な経営者だと言われたんでしょう。今はどうですか。偽装請負をやった会社の会長か社長か知りませんが、経団連の会長をやり、ピンはねをしていくことを奨励するようなことを経済界のトップが言っていますね。」
「今は労働組合が骨抜きになっているから経営者が自由自在にやっているという面もあるけれども、何で、もうかっているのに正社員をどんどんパートやアルバイトに切りかえていくんですか。かつてそんなことはなかったでしょう。松下幸之助さんにしても、そんな経営は絶対許さなかったはずですよ、どこにしても。」
「そんなことをやって、パートが都合がいい、アルバイトが都合がいいと正社員をどんどんどんどん減らしていって、会社経営というのは本当に成り立つんですか。」
「そして、地場の中小零細の企業は、哀れ、下請で細々とやる。どんどんやめていますよ。私なんかの地元でも建設会社はどんどんやめている、やっていけないから。ばらで競争、競争というだけをやらせた場合には、力が強いのが勝つに決まっている。」
【私的解説】亀井議員が言われる通り、小泉改革路線によって経済は縮小し、日本人の心は競争社会、効率化社会の中で荒廃が進み、その延長線上として、モラルハザードがトップリーダーを筆頭に頻発する腐敗社会に転じてしまった。その腐敗社会の中、個人主義や個性重視という思想が蔓延し、家族の絆というものは限りなく希薄になっているのが現状。
痛みを伴う改革を断行した小泉改革であるが、それは弱者たるお年寄りを直撃するものであり、特に、年金、医療、介護においては、筆舌に尽くしがたい扱いを受けている。
この6年間で、日本の経済構造も生活の仕方も大きく変わり、経営者の意識も連動するかのように冷徹になり、正社員をパートやアルバイトに切り換えることに躊躇を感じなくなっているのが現状。一部の強者たる経営者が、パワーゲームを楽しんでいる現社会において、多くの人が呻き声を上げて救いを求めているのではないか、と亀井議員は痛烈に自公政権を批判したのだと思う。
2.自公政権の政策への意見・批判
「改革、改革と言って、この六年間、日本はよくなったんですか、さっき言いましたように。そうでしょう。」
「地方改革、地方改革と言ったけれども、地方に痛みを与えてきた、これが実態なんですよ、これがね。」
「女の心は金で買える、天皇制反対と堂々と言った人間を自由民主党は私に刺客として送ってきたんですよ。」
「やはり総理、ここで、過去にとらわれないで、現実をしっかりと見詰めて、それに即した経済政策、社会政策をぜひやっていただきたいと私は思います。」
「今のように、人間を人間として大事にするんじゃなくて、安く物をつくる道具だと。それを残念ながら自公政権は推進しているんでしょう。」
「我々が、日本人がどういう生き方をしていけば本当に幸せになれるのかという、その原点を押さえた上での経済政策、社会政策を私はぜひやってもらいたいと思います。」
「それと、競争、競争でしょう。それは資本主義社会だから、競争するのがある面では当たり前。しかし、それは、みんなで助け合いながら、みんなで幸せになっていこう、そういう中での競争をやってきたんでしょう、日本は。今はひどいんじゃないですか。バランスを崩していますよ、競争すればいいと。終点が百メートルなのか一万メートルなのか、マラソンなのかさっぱりわからぬで、ただ走らされているだけ。その後来る社会が、どういう社会になるんですか。」
【私的解説】今の競争社会を手放しに賞賛する風潮そのものはおかしいものであり、日本人がどういう生き方をしていけば本当に幸せになれるのか、という観点を押さえた上で、経済政策、社会政策を展開していく事が、政治家の役目であるとの考えを亀井議員は示した。人間は、安く物を作る道具ではない、人間を軽んじてはいけない、という警告も強く主張している。
競争社会という終わりなき社会に対して、終点のないマラソンである、というニュアンスで厳しく非難することで、競争社会への盲信を強く否定している。
3.年次改革要望書への批判
「小泉総理も、目的のためには手段を選ばない、何でもやっちゃった。参議院、二院制まで否定するようなことまで、あの、アメリカから言われた郵政民営化を実現するためにおやりになったんですね。」
「しかし、民営化して何がいいことがあったんですか。何にもいいことないじゃないですか。もう明らかでしょう。郵便の遅配が起きる。そして、山の奥のお年寄りは本当に今寂しい思いをしている。経営だって混乱しちゃって、郵貯は減ってきているでしょう、どんどこ。日本に民営化しろと言ったアメリカは国営じゃないですか。」
「当時は、下請、孫請、護送船団方式なんて悪口をアメリカが言ったんだけれども、アメリカは意図的に言っているんだ、日本をぶっ壊すために。そうでしょう。」
【私的解説】米国は、以前から何かにつけて日本流社会を非難し、規制緩和を求めていた。その流れの中で、小泉総理は、米国の言いなりで郵政民営化を断行し、結果として、ユニバーサルサービスの質の低下を招いていると批判。そもそも米国は、郵政に関しては国営であり、従順に郵政民営化した事は、許されないことと断じた。
4.日本の本来の在り方
「我々、資本主義経済でずっとやったわけじゃない、しかし、何千年の営みの中で我々がやってきた生活の仕方、それを急に、ここに来てアメリカ流の経済に変えていかなければならぬ理由があるんですか。神のお告げですか。そんなことは私はないと思いますよ。我々日本人には日本人としての生き方があるはずだ。」
「総理、私はぜひ、もう下請、孫請、余りにも今ひどい目に遭っている。ちゃんと、もうかったら、果実は、よき日本の伝統に従って、下請、孫請におすそ分けしてやったらどうですか、報賞金とかいうような形でも。」
「ふるさとをつくるために、ノウハウの違う、大きいところも小さいところも集まって、一人の者が仕事を独占しないように、みんなで話し合いをして分担して郷土づくりするのが、どこが悪いんですか。」
「だから、我々は、このままでは日本は一部の力の強い者によって全部支配をされちゃう。それを理屈で言っているときじゃない。それにかわる新しい何かの仕組みをつくらないと、毎日毎日倒れていっているんですよ、中小企業。」
【私的解説】日本流の経済の在り方や社会の在り方があって、日本人に合うスタイルの方がいいわけであって、米国流経済に変える根元的理由はないと主張。日本独特の「系列」と呼ばれる連帯的経営自体も、みなで幸せを分け与えるという観点では肯定されるべきであり、競争至上主義の米国流経済全てが肯定されるべきではないと批判。
談合が悪と断じられているが、みなが幸せを享受する為にも、新しい仕組みを作ることが大事である、と強く総理に求めた。
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国会議員である亀井静香氏がこれほどまでに、全体感を持って世相を把握されている事には、感服させられた。郵政民営化が、年次改革要望書に従った売国政策であると見抜いた反郵政民営化議員としての鋭い考察が、この予算委員会での発言の随所に見られたと思う。
我々国民は、どの国会議員が、本当に国民の目線に立って考え、行動をしているのか、をしっかり見極めなければならない。新聞、テレビ等のマスメディアの多くが、世論操作を水面下で行っている現状、どの国会議員が真実に近い発言をしているのか、を世情に照らし合わせながら判断しなければ、米国の思うがままに日本は廃墟に追い込まれてしまうので、最大限の注意と慎重さが必要だ。亀井発言ができるような国会議員がどんどん台頭していくことを切に望む。
現政権に「ノー」!!!から
http://blog.livedoor.jp/passionmaster/archives/50176262.html
亀井静香ホームページ
http://www.kamei-shizuka.net/
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