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党首会談で、福田首相からお化けのような“大連立”という話がでた。このことを巡って昨日から政界やマスコミはいろいろな議論や憶測がなされている。小沢民主党代表は、こんな“お化けのような話”を拒否した。そもそも党に持ち帰ったことがおかしいという人もいるが、大事な話だから一応党に持ち帰って皆で確認をした上で断ったことはそんなに責められるべきではないと思う。おかしいのは、“大連立”などというお化けのような話を切り出した福田首相である。
私は福田内閣の発足にあたり、福田首相の本質を“反民主的な政治家”であると指摘した(永田町徒然草No.563参照)。福田首相が“お化けのような大連立”という構想を描いたのは、詰まるところ福田首相が民主主義というものをまったく理解していない政治家だからである。すなわち、“反民主的な政治家”だからである。福田首相は就任以来口先では丁寧で低姿勢を示しているが、本当に国民の意思を尊重しなければならないと考えていないのである。このような首相に騙されてはならない。
インド洋における給油活動を継続し、わが国の国益を守るために必死なのだと右翼反動の政治家や言論人が懸命に福田首相を擁護している。しかし、このことも一昨日書いたとおりである。先の通常国会の会期末、あれだけ強行採決をしておきながらテロ特措法延長法案だけは通しておかなかった。インド洋における給油はその程度の問題と捉えていたのである。それをいまになってわが国の国益が害される、世界の孤児になるなどといっている。三白眼の防衛大臣は、わが国のちょっと先に政治状況を予測できない政治家なのだ。だから私はこの大臣を“防衛オタク”の政治家というのである。
このように今回の“お化けのような大連立”の話は、原点に立ち返って原理原則に基づいて考えれば、きわめて簡単なことなのである。そう大騒ぎをするほどのことではない。“ねじれ国会”というが、自民党と公明党が政権を担当するかぎりこれから3年間は今回のような状態が続くのである。町村官房長官が「国会を開いているのに、まだ一本も法律が通っていない」といっていたが、そんなことは当たり前のことなのである。現在は衆議院の再議決で辛うじて法律を無理矢理とおすことはできるが、それも総選挙までである。まさか次の総選挙で国民が自公“合体”政権に3分の2以上の議席を与えることはあるまい。
自公“合体”政権は、野党の賛成の得られない政策をもう実行することはできないのである。それが今年の夏の参議院選挙で示した国民の意思なのである。そうであるにもかかわらず、衆議院で化け物のような議席をもっているために最後は再議決で法律を通すことができると考えているとしたら甘い。再議決は余程のことがない限り実際には使えないのである。自公“合体”政権は、これまで当然のこととしてきたことを捨てなければならない。野党からも賛成の得られることを誠心誠意やるしかないのである。その切り換えができていないようである。これも根本に立ち返ると、具体的状況における具体的分析が政治の要諦であることを知らないからである。
国内政治でも国際政治でも、“具体的状況における具体的分析”ができない政党や政権に本当の政権担当能力があるのだろうかということに国民は気が付かなければならない。現在の国会を“なじれ国会”というのは間違いである。“ねじれている”のは、自公“合体”政権の根性であり、思い上がりなのだ。ねじれた根性をしているから、参議院選挙は「政権選択の選挙ではない」などと嘯(うそぶ)き、命懸けの脱皮をかけた総裁選を行うこともなく福田内閣を作ったからこのような状況になったいるのである。自業自得である。そんな状況の中で、どう考えてもその“器”でない福田首相から飛び出したのが、大連立などという時代ががった“お化けのような話”というのが、今回の顛末である。お化けのような話をする総理大臣に国民の支持が集まる筈がない(笑)。
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