★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK43 > 695.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2007102802059842.html
2007年10月28日 朝刊
日米安保条約改定の際に交わされた朝鮮半島有事に絡む日本国内の基地使用に関する密約について、首相就任時に存在を知らされた佐藤栄作氏が不快感を示し、沖縄返還交渉中の一九六九年、外務省に破棄するよう米国側との交渉を進めさせていたことが米公文書で分かった。
朝鮮有事に際し、米軍が日本にある基地から直接戦闘行動を取ることを日米間の事前協議の対象外とした密約は、佐藤氏の実兄で六〇年安保改定時の首相だった岸信介氏の“遺産”とされる。佐藤氏は、発覚すれば日米関係が揺らぐと、懸念を口にしていたという。
日本側は米軍に基地の自由使用を声明などで公式に保証することと引き換えに破棄を求めたが、最終的に断念。佐藤氏は沖縄返還をめぐり緊急時の核再持ち込みの密約を結んだ上、米軍に大幅な基地使用権拡大も認めることになった。
公文書は米シンクタンク「国家安全保障公文書館」が米国立公文書館で入手した六九年五月三十日付の在日米大使館発の国務省あて秘密公電。
公電によると、翌六月に予定されていた当時の愛知揆一外相訪米に向けた打ち合わせで、外務省幹部が朝鮮有事に絡む密約を記した「第一回日米安全保障協議議事録」に言及。幹部は「佐藤氏は首相就任時に初めて説明を受けたが、以来、不快に思ってきた」とし、愛知外相も密約に反対していると述べたという。
さらに「佐藤、愛知両氏は密約の内容が時代遅れで、発覚すれば日米安保関係は深刻な危機に陥ると感じている」と説明。同年十一月の日米首脳会談で共同声明に「密約を上回る文言」を盛り込むことを提案した。
ただ幹部は「事前協議の弾力的運用」を表明する用意があるとしながらも、個人的な考えと断り「現状では、日本の指導者たちが秘密合意議事録ほど明確に(基地自由使用を)表明できるかどうか不透明」とした。
返還で本土並みに事前協議制度の制約を受ける沖縄での米軍による基地使用と核貯蔵が焦点となった一連の交渉で、日本側は基地の自由使用を明確に保証できず、米側は密約の破棄を拒否。
結局、佐藤氏は新たに「核密約」を結んだだけでなく、日米首脳会談後の記者会見で朝鮮有事に加え、台湾やベトナムへの直接出撃まで範囲を広げ米軍の基地使用を認めることを明言した。
▼朝鮮有事の密約 朝鮮半島有事に、米軍は事前協議を経ず在日米軍基地を使用できるとした「第1回日米安全保障協議議事録」。1960年の日米安保条約改定に際し、日米間で交わされた二つの密約のうちの一つ。もう一つは、事前協議制度に関する秘密了解を収めた「討論記録」。これにより核搭載艦の寄港は事前協議の対象外とされた。二つの文書には当時の藤山愛一郎外相とダグラス・マッカーサー二世駐日米大使が署名。これまでに公開された文書で、朝鮮有事の密約については、岸信介首相が自ら「秘密の形式」を提案したことが分かっている。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK43掲示板
フォローアップ: