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「青天のへきれきで、極めて遺憾と考えている。現在捜査中で、内容についてコメントは差し控える。捜査結果を踏まえ、事実が確認され次第厳正に対処したい。今後職員の綱紀の厳正な保持を徹底して参りたい」。これは財務省秘書課の話である。昨日の永田町徒然草で“綱紀の粛正”ということを書いた。今度は財務省中枢である。わが国の官界は、一体どうなっているのだ!? まずは事件の概要をみて欲しい。
財務省職員2人、集団強姦容疑で逮捕 女性の部屋で暴行
警視庁は25日、財務省主計局主計官付係長の近藤智明容疑者(34)=東京都北区十条台2丁目=、主計官付財務事務官の広瀬佑樹容疑者(28)=世田谷区上用賀4丁目=の2人を集団強姦(ごう・かん)容疑で逮捕した。両容疑者はノンキャリアの職員。
捜査1課などの調べでは、2人は2月23日早朝、中野区の女性(34)のマンションの部屋で、女性を集団で強姦した疑い。近藤容疑者は「性行為はしたが、押さえ付けてはいない」と容疑を否認。広瀬容疑者は容疑を認めているという。
2人は同僚職員の男性3人とともに、帰宅途中だった女性にJR中野駅前で声をかけて誘い、同日午前1時ごろから居酒屋で一緒に飲酒した。その後、近藤容疑者が女性に「(電車の)始発まで休憩させてほしい」と言い、同4時ごろもう1人の職員とともに3人で女性宅を訪問。さらに飲酒したのち、暴行したという。事件当時1人は寝ていたという。
女性宅には行かなかった同僚職員が女性に携帯電話の番号を伝えており、近藤容疑者らが浮上した。<冒頭の秘書課のコメントを含めて asahi.com 2007年10月26日の記事から引用>
大蔵省は“省の中の省”といわれてきた。財務省になっても同じであろう。その大蔵省・財務省の中で、主計局は“局の中の局”である。この事件の被疑者たちは、主計局主計官付係長と主計官付財務省職員である。彼らは財務省の中で主計官と共にこの日本を動かしているような言動をしていたのであろう。わが国の誇り高き官僚が彼らの前ではいつもペコペコしているのである。こうした中で彼らは増長していったのであろう。そのような“増長満”がこの事件を惹き起したのだろう。
官僚は国民に対して尊大である。たとえ言葉が丁寧であっても、慇懃無礼である。しかし、政治家や財務省主計官に対して、官僚はきわめて卑屈である。私はそのような官僚たちを数多くみてきた。なぜ彼らは政治家や主計官に対して卑屈なのであろうか。政治家や主計官は官僚の“メシの種”である「権限と予算」を与えてくれるからである。官僚は「権限と予算」を背景に国民に対して尊大に振舞うのである。その予算の源泉が国民であるという単純なことに思いが至らないのである。端的にいって事の本質が分からない“バカ”なのである。そんな“バカ”な官僚に対して卑屈になり、追従する国民も多い。
尊大と卑屈の循環を改めるのが、本来の政治の仕事なのである。行政の“民主化”ということである。民主化とは、国民が主であるということである。わが国は戦後の民主化のなかで、行政の民主化をおろそかにしてきた。それはマッカーサー指令によって天皇制が存続することになった負の遺産なである。秩序の中心であった天皇制が総括されることなくそのまま存続されたために、戦前の官僚制がそのまま残ったからである。これを“改革”することが新しい政権の任務である。そのことは別の機会に改めて述べよう。
それでは、また明日。
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