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僕は天邪鬼なところがあってベストセラーは時期が終わってからしか読まないようにしている。ところが、時にはベストセラーの時期が終わって、しばらく経ってから再度ベストセラーになる本もある。『闇社会の守護神とよばれて反転』(田中森一)がそうで、時期を見計らって読んでいたのだが、再びベストセラーになっているらしい。かつて特捜検事として凄腕を揮っていた男が、闇社会の守護神といわれるような弁護士に転身した。その数奇な人生が人々の興味を刺激するのであろうが、検察という権力の中枢をなす世界の一端を明るみにしているところに視線は行った。国策捜査と呼ばれるものに疑念を抱いていたのであるが、その実態は想像していたこととあたっていた。統治権力の中枢をなす検察や警察、そしてある意味では軍隊の実態や動きはカーテンに包まれていて外(国民)からは見えない。暗闇の世界のようなものである。この内側の世界を透かし絵のように浮かび上がらせているのは刺激的である。
テロ特法に替わる「補給支援特措法案」の審議を前にして、二つの問題が浮上している。一つはイラク作戦転用疑惑に加えて給油量誤りの隠蔽という問題である。もう一つは守屋前防衛事務次官の業者(山田洋行)との癒着問題である。国会では守屋氏の証人喚問が決まったらし。僕らの情報源は新聞やテレビの報道しかないから、想像や勘を働かせるしかないが、僕にはどうも引っ掛かるところがある。端的に言えば守屋問題はイラク作戦転用や給油量の誤り問題が重大な論議に展開しないための陽動作戦、いうなら目くらましのために浮上してきているように思えるのだ。この二つは防衛省を舞台にし、キーマンとして守屋氏があることから共通のように見えるが、本質的には違う問題である。イラク作戦転用や給油量の誤りの問題は、軍事的作戦や行為の問題である。昔風に言えば軍の統帥に関係する問題である。軍事行動の決定はどのような意思決定としてなされるか、その責任体制はどうあるかのかという問題である。文民統制(シビリアンコントロール)ということが問題にされているがこの問題である。今回の法案で国会の承認がはずされた問題に直結している。自衛隊の行う軍事作戦はどのような意志決定としてなされるか、その責任体制は何かを現在的に問う問題がここにはある。日米政府の関係とアメリカ軍と自衛隊の関係という問題がここにはあり、そこで曖昧に処理され、国民には実態が見えなくされてきた世界を明るみに出す問題がある。守屋氏の業者との癒着問題は防衛産業と自衛隊の問題としてその闇の部分を明らかにしなければならない、という問題だ。どちらが重大かということではないにしても、だだ、守屋問題が自衛隊の作戦や意思決定問題の隠蔽に使われることを警戒していいのではないか。
田中森一は特捜事件が法務省と検察が打ち合わせた筋書で開始されると述べていた。この筋書の中には体制や国益の擁護ということが含まれている。それを考えると軍事作戦の問題が重大な論議に発展するのを阻止するために、別の事件が浮上したということはあるのだ。自民党や自衛隊の幹部連中が国益と考え、そのための作り出している筋書を見ぬかなければならない。そこが問題なのだ。 (文責 三上治)
2007年10月24日発行 八号
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