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http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2007/10/24/20071024ddm005010100000c.html
自民党：成長路線派、巻き返し？ 若手ら、竹中氏招き「勉強会」
小泉純一郎元首相や安倍晋三前首相に近い自民党の中堅・若手議員９人が２３日、政策勉強会「プロジェクト日本復活」を発足させた。竹中平蔵元総務相を「顧問」に迎え、小泉・安倍政権で進めてきた経済成長で増税先送りと財政再建を目指す「成長路線」の必要性を強調。福田政権下で消費税増税論がじわりと台頭する中で、参院選惨敗と安倍前首相の退陣で発言力が低下した“旧勢力”の「巻き返し」が顕在化した形だ。
メンバーは安倍内閣で首相補佐官を務めた世耕弘成氏や、安倍氏に近い山本一太氏、０５年の郵政選挙で初当選した「小泉チルドレン」の佐藤ゆかり、上野賢一郎両氏ら。設立趣意書では「『地方経済の停滞と格差の拡大が構造改革の負の影響』との見解にはくみしない」と主張し、政府・与党内に高まる構造改革修正論に反論している。
小泉・安倍政権で主流を占め続けてきた「成長路線」派が、福田政権下で否定されかねないとの危機感がある。福田政権誕生とともに、消費税率引き上げに積極的な与謝野馨・財政改革研究会長や谷垣禎一政調会長らが議論をリード。竹中氏の影響が強かった経済財政諮問会議も、増税路線への軌道修正を鮮明にしつつある。
メンバーは勉強会発足前、小泉・安倍政権で幹事長などを歴任した中川秀直氏と会合を開いたほか、今後は安倍内閣の官房長官だった塩崎恭久氏を招いての勉強会も開き、多数派形成への動きを強めるとみられる。「消費税増税派」との主導権争いが今後激化しそうだ。【川上克己】
◇武部氏「増税路線」批判
「成長路線」派は２３日の自民党役員連絡会でも存在感を見せた。「増税派」の谷垣政調会長は席上「将来の社会保障や財政の在り方を考えると税体系をどうするか、国民に分かりやすく訴えたい」などと発言。これに対し、小泉政権で自民党幹事長を務めた武部勤・党改革実行本部長は「地元に帰ると『自民党は増税路線に踏み切ったのか』と言われる」と反発した。
最終的には伊吹文明幹事長が「説明は慎重に」と引き取ったが、基礎年金の国庫負担引き上げをにらんだ税制改正論議と、衆院解散・総選挙が近づきかねない状況下での党内の緊張感を印象づけた。【堀井恵里子】
毎日新聞 2007年10月24日 東京朝刊
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