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海上自衛隊補給艦の給油量訂正問題で、担当者が誤りに気づきながら上司に報告していなかった。流用疑惑の最中のことだ。意図的隠ぺいを疑われても仕方ない。文民統制を軽んじるのは許せない。
きょうから衆院本会議でインド洋での給油活動を継続させる新テロ対策特別措置法案の審議が始まる。その矢先に報じられている防衛省の不祥事がひどすぎる。
補給艦「ときわ」が二〇〇三年二月に米補給艦を通じて米空母に間接給油した量について、当初の二十万ガロンから六十七万五千ガロンに訂正された経緯を防衛省が公表した。
それによると、派遣部隊から海上幕僚監部運用課に報告された給油量をパソコン集計する際、米補給艦と他の駆逐艦の分を取り違えた。防衛課長らが同年五月、誤りを確認したが、上司らへの報告は行わず、訂正の措置も取らなかったという。
米空母に給油した燃料がイラク作戦に流用された疑惑が浮上していたころだ。福田康夫官房長官(当時)は給油量が一日の消費量である二十万ガロンにすぎないことを理由に疑惑を否定。石破茂防衛庁長官(同)も国会で同様の答弁をしたが、担当者はその時点で誤りに気づいていた。
報告しなかったのは、流用問題が「沈静化しつつあったことを考慮した」ためという。正確な情報を公表すれば疑惑が深まる懸念を抱いていたことを認めているようなものだ。あまりにも悪質だ。
ウソの説明は国民への裏切り行為だ。石破氏ら防衛トップがその事実を把握しないまま、誤った情報をもとに国会審議が行われたことを考えれば、シビリアンコントロール(文民統制)が二重にないがしろにされたことになる。防衛省側の罪は重い。
給油問題では、補給艦「とわだ」の航海日誌が誤って破棄されるなど、防衛省全体が「弛緩(しかん)した」(石破防衛相)現状が浮かび上がっている。守屋武昌前事務次官のゴルフ接待疑惑も浮上しており、国民の不信は極めて厳しいものがある。
福田首相は「とんでもないことをしてくれた。そういうことをすると組織全体、私まで疑われてしまう」と人ごとのように語ったが、事態を深刻に考えるべきだ。担当者の処分だけでは済まない。情報隠ぺいはこれだけなのか。公表された事実すら疑いの目で見られている。真相解明なしには前へ進めない。当事者の証人喚問なども欠かせないだろう。
安倍前政権のつまずきの元となった問題処理能力が、福田政権でも再び問われている。
2007年10月23日
中日新聞:「給油」隠ぺい 許せぬ文民統制の軽視:社説(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2007102302058469.html
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