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情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/fa7c26d17733eb8835dca68b0273d3f6
さらば、毎日新聞〜軍国主義への途を推し進める新聞に未来はない
毎日新聞の17日付朝刊一面(※1)を見て驚いた。政治部長小松浩が軍国主義への途を読者にお勧めしているのだ。目を疑った。同じ青いロゴだから、産経新聞と間違って読んでいるのかと思ったが、そうではなかった。反骨精神が売りの毎日新聞でこのような記事が書かれたことは非常にショックだ。毎日新聞の多くの記者も違和感を抱いたはずだ。編集綱領委員会(※2)で問題にすることはできないのだろうか…。いや、まずは、ご一読頂きたい。
■■引用開始■■
ベトナム戦争さなかの60年代半ば、財界首脳の一人が「ベトナム戦争が終わると日本の景気が悪くなる」と口にしたことがある。同じアジアで同時進行中の戦争が「カネもうけ」の次元で語られた時代。それは、他者の運命への共感を、日本人が無自覚なまま欠いていた時代でもあった。
あからさまな「一国平和主義」を公言して恥じない人は、もういないだろう。我々は湾岸戦争で「カネだけ」の国際貢献の限界を知った。9・11以降はテロという「見えない敵」とどう対峙(たいじ)するかを国際社会とともに考え、行動してきた。
テロ集団を増殖させる破綻(はたん)国家を再びつくらない、貧困や宗教対立といったテロの温床となる問題の解消に各国が結束して取り組む−−。自分たちの外の世界の不条理に対する怒りを共有することなしに、9・11以降の国際社会は立ちゆかなくなったのである。
アフガニスタンにかかわる作戦に40以上の国が軍や文民を派遣しているのも、アフガンと世界の運命が不可分であることが、国際的コンセンサスとなっているからだ。日本も大国として、アフガンや周辺地域の安定に責任を負う。この一点において、自民党も民主党も共通の認識を持つ。
ところが、両者の議論はかみ合わない。当のアフガンをはじめ多くの国が評価しているインド洋上での給油活動に民主党はノーだと言う。小沢一郎・民主党代表が提起した国際治安支援部隊(ISAF)への参加構想には、自民党から「危なくて無理だ」と大合唱が起こる。両者は相手の弱点ばかりつき、合意形成の努力は見られない。「現在やっている活動(給油)も、将来やれる可能性のある活動(ISAF参加)も与野党が互いにつぶしあって、日本は結局、国際的に孤立主義の道を歩むのではないか」。田中明彦・東京大学教授は懸念する。
与党も野党も、アフガン安定や対テロ戦で行動が必要だという「政治的意思」を同じくしているのであれば、結果として何もやらないという選択肢はありえないはずだ。それは、国際貢献論議に名前を借りた国内政局の権力闘争である。日本の「不作為の政治」は、国際的にも無責任のそしりを免れないだろう。
■■引用終了■■
読めば完全に論理が破綻している、ただの戦争推進記事だということは一目瞭然だ。
しかし、この記事に共感を持つ人もいるだろうから、あえて、記事を順に検討したい。
【ベトナム戦争さなかの60年代半ば、財界首脳の一人が「ベトナム戦争が終わると日本の景気が悪くなる」と口にしたことがある。同じアジアで同時進行中の戦争が「カネもうけ」の次元で語られた時代。それは、他者の運命への共感を、日本人が無自覚なまま欠いていた時代でもあった】
では、対「テロ」戦争に参加することは、【他者の運命への共感を、日本人が無自覚なまま欠いていた】ことにはならないのか?「テロ」という言葉さえ、自覚的に使わないようにしている海外メディアと比べ、テロというと葵のご紋のように頭を下げ、なぜ、「テロ」が起きるのか、その真の原因を突き詰めようともしないで国際貢献を謳うことは、戦争が起きている現地の市民にまったく共感していないからではないか!
【あからさまな「一国平和主義」を公言して恥じない人は、もういないだろう。我々は湾岸戦争で「カネだけ」の国際貢献の限界を知った。9・11以降はテロという「見えない敵」とどう対峙(たいじ)するかを国際社会とともに考え、行動してきた。】…はぁ?誰かが一度でも、【あからさまな「一国平和主義」を公言】したのでしょうか?いわゆる平和主義者は、平和国家としてしか貢献できない国際協力があり、それをなすことこそが世界平和につながると主張しているのであり、自分のところは平和だからそれでいいんだ、なんて主張をしている人はいないでしょう。
【「カネだけ」の国際貢献の限界】…どういう限界なのか?具体的に説明したらいかがか?米国及びその三下が「良くやったね」ってほめてくれなかったことを指しているのだろうか?そもそも、「カネだけ」の貢献をしろとも言っていないのは、前述のとおり。平和主義国家としてできることに汗を流すべきだと言っている。
【テロという「見えない敵」とどう対峙(たいじ)するかを国際社会とともに考え、行動してきた】…見えない敵、まさにそうなんだよ。敵なのか、どうかさえ、分かっちゃいない、実態を把握していないんだよ。イラク戦争開戦のときの米国の口実がでっちあげだったことをどう評価するのか。毎日新聞はあのでっち上げ口実に乗せられたことについて、一度でも市民に謝ったことがあるのか!
【テロ集団を増殖させる破綻(はたん)国家を再びつくらない、貧困や宗教対立といったテロの温床となる問題の解消に各国が結束して取り組む−−。】…ここはそのとおりだろう。しかし、どうしたら、この文に次の文が続くのか…
【自分たちの外の世界の不条理に対する怒りを共有することなしに、9・11以降の国際社会は立ちゆかなくなったのである】…【自分たちの外の世界の不条理に対する怒り】、あぁ、何という自己反省のなさか。なぜ、「テロ」行為が起きているのか、そのことに自分たち国の国際政治のあり方が関係していないのか?自分たちは「正義」で、相手が「悪」だと言い切れることの破廉恥さ。
【アフガニスタンにかかわる作戦に40以上の国が軍や文民を派遣しているのも、アフガンと世界の運命が不可分であることが、国際的コンセンサスとなっているからだ】…本気でそう思っているんでしょうか?国際治安支援部隊の加盟国37カ国のうち、非ヨーロッパ圏は、米国、オーストラリア、ニュージーランドのみ。つまり、アフガンにおける治安維持活動は、世界の一のテロ国家米国のほか、中東の利権に関心の高く、地理的にも近い国々及びそれにきわめて近い国のみが行っているのであり、【アフガンと世界の運命が不可分であることが、国際的コンセンサス】ではない。言葉遊びをするな!
【「現在やっている活動(給油)も、将来やれる可能性のある活動(ISAF参加)も与野党が互いにつぶしあって、日本は結局、国際的に孤立主義の道を歩むのではないか」。田中明彦・東京大学教授は懸念する】…平和国家としてなしうる貢献をすればよいだけだ。なんで、そこで思考停止するのか…。
【与党も野党も、アフガン安定や対テロ戦で行動が必要だという「政治的意思」を同じくしているのであれば、結果として何もやらないという選択肢はありえないはずだ】…ぜひ、平和国家としての貢献を行ってほしい。
平和国家としての貢献のひとつの提案が、JANJANの「【NGOが問う】アフガンでの対テロ戦争を見直せ〜谷山博史JVC代表」という記事(※3)で紹介されている。
谷山氏は、【それをまとめるような新しい合意の枠組みがない。だれが敵かわからない対テロ戦争によってますます敵をつくっていて、先の見えない状況になっている。このようななかでは、なんら平和の展望はない。だから対テロ戦争そのものを見直さなくてはいけない】、【実をいうと日本の政府の支援は現地でとても評価されている。どこの国の支援が一番信頼できるかというと日本だ。それはアフガニスタンに軍隊を派遣していないからだ。どこの村に行っても長老は言う。日本の支援は軍事的な目的のためや自分たちの利益のためではなくてアフガニスタンのための支援だと思っていると。軍隊を派遣するところの国の支援はどうしても疑われる。結局自分たちのために占領するのでないかという。それはいままでの長い歴史のなかで培ってきた彼らの感覚だ】と述べたうえ、【国際社会のなかで日本がイニシャティブをとってもう一度和平の枠組み作りの仕切り直しする会議をおこなう。簡単なことではないが、日本はそれだけの外交的なイニシャティブを取ってしかるべきだしできることだと思う】と述べている。
具体的な提案は、谷山さんが代表を務める日本ボランティアセンター(JVC)の「アフガニスタンにおける対テロ戦争と日本の軍事支援の見直しを求める声明」(※4)に書かれています。
1.国際社会と日本政府はアフガニスタンで行われている対テロ戦争を見直し、敵対勢力やパキスタン、イランなど周辺国を含むすべての紛争当事者と包括的な和平のための協議を始めるべきです。*1
2.国際社会はすでにパキスタンやアフガニスタン一部地域で試みられた紛争当事者による休戦協定や和平協定の取り組みを検証し、このような取り組みが成果を積み重ね、和平の環境が地域から醸成されるよう支援すべきです。*2 *3
3.日本政府は「テロ対策特別措置法」を継続せず、アフガニスタンにおいていかなる形であろうと自衛隊による協力ではなく上記包括的な和平に向けた政治的なイニシアティブを発揮するべきです。同時にNGOや国連、アフガニスタン行政と協力して地域の融和と安定を促進する復興支援にこれまで以上に力を入れて取り組むべきです。
4.国連、NATOおよび各国政府は対テロ戦争との境界が失われた現在のISAFの役割と活動を見直し、治安の側面支援という本来のミッションに戻すべきです。
5.NATO/ISAFおよび各国政府は、PRTによる復興支援活動を止め、PRTの役割をISAFの本来のミッションの枠内での治安支援活動に特化すべきです。
小松浩政治部長さん、一度、現地を見に行ったり、JVCの人から話を聞いてみてはどうでしょうか?
あるいは、「驚愕! 防衛省からの回答 −「駆け付け警護」発言について−」(※5)に見られるような取材をしてはどうでしょうか?
そして、ヒューマンチェーン(10月23日午後6時半、衆院第2議員会館前集合)や、「武力で平和はつくれない!11・3市民集会」(11月3日午後2時半、日比谷野外音楽堂)などに参加している人の声を聞いてみてはどうでしょうか?
昔と違い、市民はインターネットなどでマスメディア以外の情報を入手することができる。戦争遂行を目指す提灯記事だけ書いていたのでは、そのうち、新聞は見捨てられる、そのことに気づかないのか。事実に即した記事を書けるようになるまで、さらば、毎日新聞!
※1:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071018ddm001010097000c.html
※2:第20回毎日新聞編集綱領制定記念シンポ(12月11日)〜編集の経営からの分離 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/ac06613889a7ee05ef4fad186505df09
※3:http://www.news.janjan.jp/world/0710/0710154028/1.php
※4:http://www.ngo-jvc.net/jp/notice/notice20071016_afghanstatement.html
※5:http://tokidokilogos.blog109.fc2.com/blog-entry-53.html
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