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◇政府、容認の余地 憲法論、政争の手段に
海上給油限定か、陸上部隊も派遣するのか−−。民主党の小沢一郎代表が打ち出したアフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)参加論は、テロとの戦いをめぐる議論の土俵を変えた。
海上自衛隊によるインド洋での給油活動。「安全で安上がり」「各国の評価も高い」。政府・与党は自画自賛し、論点を給油継続の是非に絞り、ソフトムードで世論を味方に付けようとしている。そこに小沢氏は「もっと本格的な貢献もできるはずだ」と意表を突く問題提起をぶつけたのだ。
「武力行使を伴うISAF参加は憲法上できない」。石破茂防衛相は9日の衆院予算委員会で猛然と批判したが、実は政府もISAF参加を全面否定はしていない。
今年1月、安倍晋三首相(当時)はブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で「アフガン地方復興チーム(PRT)の人道活動との協力を強化する」と演説。PRTは文民による民生支援が目的だが、安全確保に軍隊が必要でISAFと連携している。 この立場は、福田政権でも変わっていない。高村正彦外相も14日、東京都内で記者団に「参加はあり得ない話ではない」と語った。
政府高官は17日夜、「民主党がISAF参加を新テロ対策特措法案に書けと言うならいつでも書く。ISAFは地上部隊の活動だけに限らない」と妥協を示唆した。
しかし、政権奪取を狙う小沢氏に妥協の選択肢はない。小沢氏の提起は、逆に憲法政策と国際貢献戦略で政府・与党の心棒がぐらついていることを浮かび上がらせた。
波紋は民主党内にも起きた。小沢氏の勧めで外交官から転身した山口壮「次の内閣」防衛副担当は「民生支援に限るべきだ」が持論。小沢氏は4日、山口氏に「君は政策論、私は憲法論だ」と説いた。「私の主張を現実政治の対案ととる必要はない」というシグナルだった。憲法論は政府を揺さぶる政権奪取の手段であり、それを現実の政策に生かすのは政権奪取後だ−−。小沢氏はそう考えているように映る。
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01年の9・11テロで、米英がアフガニスタンでの対テロ戦争を始めてから6年。与野党はそれぞれの都合で憲法を材料に駆け引きを続けるが、日本は何をすべきかが今、改めて問われている。
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■ことば
◇国際治安支援部隊(ISAF)
International Security Assistance Force。アイザフ。01年12月の国連安保理決議で設置が承認された国際部隊。当初はカブール周辺の治安維持を担ったが、03年10月の安保理決議で展開地域をアフガニスタン全土に拡大。北大西洋条約機構(NATO)の指揮下にあり、NATO加盟26カ国と非加盟11カ国の計37カ国が参加。
毎日新聞 2007年10月19日 東京朝刊
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