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2007年10月20日
特集/史上最低の安倍首相を支えてきた創価学会・公明党の責任
宗教的“縁”で安倍首相を支えた創価・公明の無惨
乙骨正生 ジャーナリスト
深い“縁”をアピール
先の参議院選挙で惨敗を喫したにもかかわらず、退陣せずに首相の座にしがみついていた安倍首相が9月12日、突然、政権を投げ出した。
それにしても「私を選ぶのか小沢(民主党代表)さんを選ぶのか」と、国民に選択を迫った参院選で惨敗し、国民から「ノー」を突きつけられたにもかかわらず、首相の座に居すわって内閣を改造。9月10日に開会された臨時国会では所信表明まで行いながら、そのわずか2日後、各党の代表質問を前に政権を投げ出すという無責任ぶりに、「史上最低の無責任首相」と厳しい批判が浴びせられている。
こんな無責任な人物を首相に担ぎ上げ、支えてきた自民党、公明党そして創価学会の責任は重い。だが、自民党・公明党そして創価学会からは、反省の弁は聞こえてこない。むしろ自民党は、国民・有権者の目先を変えて批判をかわすべく疑似政権交代を演出できる総裁選に腐心。公明党もまた新首相・新内閣のもとでの仕切り直しに期待する姿勢を露わにしている。
そこでここでは安倍氏が自民党総裁・総理大臣に選出される前後からの公明党・創価学会と安倍氏との関係を振り返り、もってその責任を明らかにしてみたい。
周知のように昨年9月22日、創価学会の機関紙「聖教新聞」は、突然、「池田先生と中国方面」という特集記事を掲載。そこで安倍首相の祖父である岸信介元首相と戸田城聖会長、父である安倍晋太郎元外相と池田大作名誉会長に“深い縁”があることを次のように強調した。
「岸信介は1957年2月、第56代内閣総理大臣になった。約1年後の58年3月16日。戸田会長の招待を受けた首相・岸の代理として、娘婿・安倍晋太郎が会長のもとを訪ねてきた。首相秘書官。岸首相夫人の良子、妻の洋子を伴っている。
広宣流布の記念式典。6千人の青年が集っていた。
“これだけの若者が戸田会長を慕っているのか”
安倍は毎日新聞の元記者。現場の空気を巧みに読む。行事が進むにつれ、安倍の目は、ある一点に向けられた。
戸田会長に、影のようにピタリと寄り添う青年がいた。指示を一言も聞き逃すまいと耳をそばだてながら、一糸乱れぬ全体の統制を指揮している。
『人を守るとは、こういう姿のことを言うのか。私も、かくありたい。深く学ぶものがあった』
後年、安倍は親しい友人に、池田室長の姿を感慨深げに語っている」
そして「朝日新聞」「読売新聞」「毎日新聞」「日経新聞」などの大手全国紙は、「聖教新聞」に「池田先生と中国方面」という特集記事が掲載された9月22日、池田大作氏と自民党新総裁に選出された安倍官房長官が、都内の創価学会施設で会談したと相次いで報じた。このうち11月1日付「読売新聞」に掲載された「安倍主義」と題するコラム記事は、安倍・池田会談の事実を詳報した。以下に紹介しよう。
極秘会談
自民党幹事長を経験した安倍は、連立を組む公明党とその支持母体の創価学会の集票力が自民党候補を支える実態を熟知している。
『来月の衆院補選の応援をよろしくお願いします』
自民党総裁選の渦中だった9月13日夜、安倍は街頭演説で大阪入りした際、帰りの伊丹空港のVIPルームで創価学会関西長・藤原武(62)とひそかに面会した。衆院大阪9区補選で自民党候補の支援を要請するためだ。
首相就任後は大阪9区と神奈川16区の補選が最初の試練になる。大阪9区は当初は劣勢で、関西創価学会にフル回転してもらう必要があった。次期首相に当確だった安倍が“仁義”を切ったことで、学会組織は本格的に動き出した。安倍は総裁当選2日後の9月22日午後、番記者をまいて都内の創価学会施設で名誉会長の池田大作(78)と会談した。安倍は幹事長時代などに会長の秋谷栄之助(76)と面会したことはあるが、池田に会うのは初めてだった。
『祖父(岸信介元首相)や父(安倍晋太郎元外相)は、戸田城聖・第2代会長や池田名誉会長と大変親しくさせていただいたと聞いています』
安倍は丁寧に切り出し、小泉政権時代の選挙支援などに礼を述べた。
1958年3月、創価学会が日蓮正宗総本山・大石寺(静岡県)に寄進した大講堂の落慶法要に、会長の戸田が当時の首相の岸を招待した。岸の代理で出席したのが首相秘書官の晋太郎だった。晋太郎が衆院議員に当選した後も、選挙支援などで関係は続いた。
創価学会の機関紙「聖教新聞」は、安倍が池田を訪ねた22日付紙面で、約50年前のこの故事を紹介していた。池田はこの日、晋太郎の思いで話などを披露し、『お父さんがなしえなかったことを実現してほしい』と激励した。会談はいつの間にか1時間を超えた。
首相に就任した安倍は30日、公明党大会の来賓あいさつで、池田との会談で話題になった話をさりげなく盛り込んだ。
『私の祖父と父は、公明党と交友関係の深い議員でした。私が自民党総裁として、連立を率いていく立場に立ったことは何か特別な運命を感じています』
創価学会関係者は安倍のしたたかさを指摘する。
『安倍さんは会員のツボを知っている。創価学会の組織は結局はトップ次第だ。首相が池田名誉会長と親しいとなれば、末端の学会員まで安倍シンパになる』」
安倍首相は、昨年10月の臨時国会で民主党の広野ただし議員、今年2月の通常国会で国民新党の亀井静香代表代行から、池田氏との会談の有無を質された際、いずれも会談の事実はないと完全否定している。だが、会談の内容まで詳報した「読売新聞」をはじめとする全国紙各紙に対して訂正も削除も要求していない。
そして創価学会は安倍・池田会談については沈黙を守り、否定も肯定もしていない。しかし昨秋の「週刊文春」の報道によれば、池田氏は創価大学の大学祭の席上、日中の関係正常化について「安倍ちゃんによく言っといたから」と発言したという。
こうした流れの中で「読売新聞」報道にあるように、首相就任直後に公明党の全国大会に出席した安倍首相は、自・公連立政権を率いることに、「特別な運命を感じる」とこう発言した。
「私は去る26日、本会議における首班指名選挙において、公明党の皆さまの支持をいただき、第90代内閣総理大臣に任命された。皆さまの力強い支援、支持に感謝を申し上げたい。(中略)
私の祖父の岸信介も、父の安倍晋太郎も御党と交友関係の深い間柄でもあった。両党が50年の歴史を経て、今、第2期の連立政権時代を迎えるに当たって私が自由民主党の総裁として、そして連立内閣の首班として、連立を率いていく立場になったことは、何か特別な運命を感じている」
安倍首相を高く評価した太田代表
この安倍発言を受けて、公明党・創価学会は欣喜雀躍。文字通り手放しで安倍首相を礼賛した。例えば昨年10月8日付「公明新聞」に掲載されたインタビューの中で、太田昭宏公明党代表は、党大会での安倍首相の挨拶を好意をもって受け止めたとこう述べている。
「太田代表 安倍首相には党大会であいさつを頂きましたが、とても親近感を持てました。また、私の代表質問に対しても誠実に答弁していただいたと思います。公明党と自民党には連立7年を経て、今や非常に強い信頼関係が築けています」
同様に昨年10月13日付「公明新聞」に掲載された「対談『連立第2期』と公明党」と題する対談記事の中で、太田昭宏公明党代表は安倍首相を次のように高く評価している。
「太田 これからのリーダには、オープンで、率直で、分かりやすい言葉、前向き、爽やかさなどが欠かせません。安倍(晋三)首相の中にはそういう面がある」
今日から振り返ればこうした評価が全く的外れのものであったことは明白だが、創価学会との“深き縁・を前面に押し出していた安倍首相を、公明党は高く評価していたのである。
これに先立つ10月1日にNHKの「日曜討論」などに出演した太田代表は、「タカ派色が強いと指摘される安倍首相との関係について」質されたが、「所信表明演説を聞いた限りでは、タカ派ということではないという感じだ」とも発言。「平和主義」を掲げ、憲法九条の維持と集団的自衛権の行使に反対してきた公明党と、「戦後レジームからの脱却」を掲げ、憲法九条の改正と集団的自衛権の行使を目指す安倍首相とは、政治的スタンスが基本的に異なるにも関わらず、「タカ派ということではないという感じ」という極めて曖昧な印象論で、両者が政権を維持することの矛盾を糊塗する姿勢を明らかにした。
この点については、昨年9月30日の党大会後の記者会見でも次のように述べている。
「(安倍政権はタカ派色が強い政権だが、公明党らしさをどう出していくのか)政権協議をする中で、(首相は)タカ派色が強いという印象は持っていない。(政権合意で)憲法の全面改正が提起されているわけでもないし、教育についても具体的な方向性は同じだし、アジア外交についても改善に向かって努力するという方向性は全く同じだ」
「産経新聞」は、先の参議院選挙の大敗後に開催された創価学会の8月度本部幹部会の席上、池田氏が「安倍首相ももうちょっとやると思ったんだけどな」と語ったと報じているが、一連の言説は、公明党そして創価学会が、創価学会との“深き縁”を有する安倍首相を全面的に支持してきたことを示している。
だがその安倍首相は、「史上最低の無責任首相」だったのである。くり返しになるが、こんな人物を高く評価し支えてきた公明党そして創価学会の責任は決して小さくない。
にもかかわらず、北側一雄幹事長が、9月12日午後、国会内で記者団の質問に答えて、安倍首相の突然の辞任を「非常に理解しがたい」と批判する一方で、「何よりも大事なことは、国民生活の確保のために、政治の空白をつくってはならないということ。早く自民党総裁選をやっていただき、新しい内閣を早く発足し、やるべき課題について、しっかりと取り組む体制をつくってもらうことが最も大事だと思う」(9月13日付「公明新聞」)と語ったように、公明党は無責任首相を担ぎ支えた責任は棚上げ、等閑視して、新首相の選出、新政権の発足に逃げ込むことで、国民・有権者の批判の矛先をかわそうとの姿勢を見せている。
濃密だった福田元首相との関係
その安倍後継については、本誌先号の「信濃町探偵団」で報じたように、創価学会は8月16日に突然、吉田茂元首相の令孫から池田大作名誉会長に吉田元首相の遺品が届けられたとの記事を掲載。その中で戸田会長が吉田元首相を評価していたこと。また池田氏が佐藤栄作首相の鎌倉の別邸を訪問した際、佐藤首相から自分の政治の師匠は吉田元首相だと告げられたとのエピソードを紹介している。この記事が死に体だった安倍首相の後継として有力視されていた吉田元首相の孫である麻生太郎幹事長の首相就任を視野に入れたものだったことは想像に難くない。
だが9月20日現在、自民党総裁選には、麻生幹事長の他に福田康夫元官房長官が立候補。福田氏が麻生派以外の自民党各派の推薦を受けたことから、福田氏の圧倒的優位が伝えられる。おそらく本誌発行時点では福田新内閣が発足していることだろう。
その福田氏との関係でいえば、すでに創価学会は、本誌の106号(平成18年7月15日号)の特集記事「福田元首相・安倍元外相との関係誇示する池田大作」で報じたように、福田氏の父親である福田元首相と池田氏との濃密な関係を誇示している。
この池田氏と福田元首相との関係については、平成12年9月25日付「毎日新聞」掲載の池田インタビューでも触れられており、池田氏は福田元首相との親密な関係を次のように述懐している。
「岩見 名誉会長は、ずいぶん歴代総理に接触が多いようですが。
池田氏 私から『会いたい』と言って、会った方はおりません。先方から『懇談したい』と言うので、すべてお断りすることもできませんし、以前はほとんどの総理にお会いしています。公明党の国会議員は一切関係していません。私個人として会っています。一番多かったのは福田(赳夫)さんでしょうね」
新首相に選出された場合、福田康夫氏は、父親同様、池田氏に拝謁を請うのかどうか、けだし見ものである。
乙骨正生(おっこつ・まさお)フリージャーナリスト。1955年生まれ。創価中学・創価大学法学部卒。宗教・政治・社会分野などを取材、週刊誌・月刊誌を中心に執筆。著書に『怪死』(教育資料出版会)『公明党=創価学会の野望』『公明党=創価学会の真実』(かもがわ出版)など。
投稿者 Forum21 : 2007年10月20日 18:03
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