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http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071014k0000m040103000c.html
原発で被ばくし、労災認定基準に対象疾患として例示されていない悪性リンパ腫で死亡した沖縄県うるま市の喜友名(きゆな)正さん(当時53歳)について、淀川労働基準監督署(大阪市)が遺族の認定申請へ不支給を決定したのに対し、厚生労働省が「慎重に本省が検討する事項にあたる」として、決定の見直しも含めて協議を始めたことが分かった。不支給決定後の本省協議は異例。リンパ腫の労災認定例はないが、類縁の病気である白血病の認定基準に照らすと3倍以上の放射線を被ばくしていた。広島・長崎の原爆症認定や米国の核実験被ばく者の補償制度はリンパ腫を対象にしており、厚労省の判断が注目される。
喜友名さんは97年、原発の機器などを傷つけず、放射線や超音波などで検査する「非破壊検査」会社の下請け会社(大阪市東淀川区)に入社。会社の被ばく記録では97〜04年の6年4カ月間、全国の加圧水型原発(泊、伊方、高浜、大飯、敦賀、美浜、玄海)や青森県六ケ所村の再処理工場で検査業務に携わり、計99.76ミリシーベルトの放射線を浴びた。白血病であれば、同期間に31.7ミリシーベルト以上が認定基準になる。
また、喜友名さんの99〜03年度の5年間の被ばく量は80.46ミリシーベルトで、全国の放射線業務従事者10万7201人のうち、被ばく量上位36人(0.03%)に入る。
喜友名さんは04年1月に体調不良となり退職。同年5月に悪性リンパ腫と診断され、抗がん治療などを受けたが、05年3月に死亡した。妻末子さん(56)が労災申請したが、淀川労基署は06年9月、不支給を決定。末子さんが不服として審査請求した後、支援者が厚労省に慎重な判断の必要性を訴えていた。
悪性リンパ腫は、白血病と同様のリンパ系腫瘍(しゅよう)の一つ。被ばく関連病に詳しい阪南中央病院(大阪府松原市)の村田三郎医師によると、リンパ腫を巡っては、広島・長崎の被爆者で被ばく線量が増加すると発症率が上昇するなど、放射線と発症の因果関係を示す複数の疫学データがある。原爆症の補償制度では現在までに2人が補償認定を受けたほか、却下処分になった別のリンパ腫患者を名古屋地裁が今年1月、原爆症と認定し、国に処分取り消しを命じている。
厚労省職業病認定対策室は「一定量の被ばくをしたリンパ腫での労災請求は過去10年見当たらず、異例だが、本省協議が必要と判断した。放射線医学などの専門家を呼び、検討会を開きたい」と話している。
被ばく者支援団体などによると、原発・核燃料施設労働者の労災申請は喜友名さんを含め18件把握され、9件が認定された。うち5件が白血病、3件が茨城県東海村の核燃料加工会社の臨界事故による急性放射線症、1件が多発性骨髄腫という。【大島秀利】
毎日新聞 2007年10月14日 3時00分
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