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2007年11月5日発行 特別号
9条改憲阻止の会
TEL &FAX:03−3356−9932
E−mail:kyujokaikensoshi@utopia.ocn.ne.jp
小沢一郎の辞意表明と民主党の今後の方向
政治は一寸先が闇だというが何が起こるか分からないものだ。7時のニュースで民主党党首の小沢一郎の辞意表明を知っての偽らざる感想である。裏読みは好きではないが、山田洋行事件がなんらかの形で関係しているのか、アメリカの報復が働いたのかなど勝手な想像が浮かんだ。情報がない僕らには勝手な想像をするしか手はないが、小沢一郎が首脳会談に応じた段階で何らかの裏政治が動いたのかも知れない。小沢一郎の辞意表明が今後の日本の政局にどのような影響を与えるのかは想像できないが、現在の段階での感想を記して置きたい。
このまま、小沢一郎は辞任する事態に至ったとしても、参院選挙を勝利に導き安倍首相を辞任に追い込んだことは歴史的な功績として評価されるだろう。安倍内閣の憲法改定をはじめとする政治的プロがラムを挫折させ、多数を背景とする強硬な国会運営を反省させるに至ったのはやはり、参院選挙での民主党の勝利が第一の要因であるから、それを導いた小沢の功績は残るというものだ。この選挙で僕が注目したのは小泉―安倍と続いた自民党の構造改革路線(新自由主義路線)に対する批判を対置したことであった。これは構造改革が生み出す格差や弱者切捨てという路線に対して生活第一というスローガンを掲げることで対置の方向を示したことであった。そして、その対外政策がアメリカ主導の「テロとの戦い」に協力するテロ特措法による自衛隊の海外派兵批判であった。これは特措法の期限切れによるインド洋沖での給油活動から撤退となった。11月1日を期限としていたテロ特措法を延長しての給油活動を断念させたのはアメリカ軍主導のイラクーアフガン戦争を憲法違反として鋭く批判したのは小沢一郎の功績である。国際的な孤立、日米関係にヒビという脅迫を振り払い日米関係の見直しを含めた今後に一石を投じたことは間違いない。
民主党が依然として政権を担う党として衆院選挙を向かえようとしていることは確かである。参院選挙の勝利という勢いや力が小沢一郎の辞意表明によっていくらかは逓減されることはあっても民主党の党勢が失速したということではないし。簡単に失速することはないと思う。懸念は民主党の政策の展開である。参院選挙での安倍政権の敗北と民主党の勝利は、小泉―安倍政権が累積させてきた矛盾によることが多く、民主党の政策そのものの支持ではなかったことは多くの人が指摘する通りである。大きな枠組みでの批判は提示しえたにしても、それを政策として実現していくことは今後の課題であったからだ。新自由主義による格差を是正し、食や健康やエネルギー、あるいは人間関係(介護)などの領域に社会政策的な支えを強化するのだとすれば、その構想はどうなのか。理念と政策的プログラムはどうなのか。そして
小沢論文(『世界11月号』として公表された「国際安全保障の原則」はどうなるのか。憲法改定問題を含めて方針のはっきりしないといわれてきた民主党はその政策をどのように提示しうるのか。民主党は国際安全保障の構想の領域で統一性を欠いてきたが、これをどう克服するのか。取りとめのない感想ではあるが第一報として送る。 (文責 三上治)
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2007年11月5日発行 十五号
9条改憲阻止の会
TEL &FAX:03−3356−9932
E−mail:kyujokaikensoshi@utopia.ocn.ne.jp
テロ特新法(補給支援措置法)をめぐる自民党と民主党
その後の国家と社会の運命を決した会談は歴史的には数々ある。西郷隆盛と勝海舟の江戸城での会談はあまりにも有名であるがその一つである。この会談の評価は人によってまちまちであろうが、江戸を戦場にすることを回避した点で多くの支持を後世に残している。犬をつれた西郷さんのどこか寂しげな像は靖国神社の大村益次郎などの勇ましい像よりは共感できる。西郷さんの像にはちらりとであれ目線は送るが、大村の像などは振り向かない。多分、庶民の気持ちはそんな風に現れるのだろう。ところで巷で話題の福田康夫と小沢一郎の会談はどうであろうか。もちろん、そんな野暮な比較をしているわけではないが。
会談が行われたこと事態に人々が興味を持つことは衆院議院の解散の時期が近いとされる時勢であるだけに当然のことだが、参院選挙で惨敗した自民党側の姿勢が気になる。連立の提案は唐突でやはり変である。翼賛政治を提案する党は弱っている証拠である。下野して立て直すことを考えるべきではないか。この会談の本当の狙いはテロ特新報(補給支援措法)の成立のための民主党の協力を得ることにあったのだと推測されるが、この中で注目すべきは民主党が恒久法を作って国連の決議があれば自衛隊を海外に派遣できるようにすべきと主張している点である。もう一つアフガンでのISAF(国連治安支援部隊)への参加を民主党側が提起しているところだ。民主党がテロ特措法によるイラクやアフガンへの自衛隊の派遣を憲法違反として反対していることは良く知られているが、この二つの点はあまり知られていないのではないか。だから、おや、と思った人も少なくないのかもしれない。これについては「9条改憲阻止の会」ではまだ討議をしていないので、とりあえず僕(三上)の見解を述べておきたい。
小沢一郎は雑誌『世界』の11月号で政権を取ればアフガンでのISAF(国連治安支援部隊)への派遣を検討したいと述べていた。また国連平和活動への軍の派遣は結果として武力行使を含むことになったとしても現行憲法には違反しないと述べていた。この発言から考えれば民主党の恒久法による自衛隊の海外派遣という考えは唐突でないのかもしれない。ISAFへの参加も対テロ戦争に関する対抗案として検討されているのだろう。僕の見解は対抗案としてのISAFへの自衛隊の参加には反対であるということだ。アフガンでは指揮系統も性質も違う二つの戦争が展開されてきた。国連和平活動を支援するISAFの活動と米国主導の対テロ戦争である。このアフガンでのISAFの活動の評価ということになるが、アフガンでの長い内戦の歴史を見るとき、この活動が内戦の解決を展望できるものではないことがある。さらに、対テロ戦争といってもその内容が曖昧である。だから、国連の和平活動という理由で自衛隊を派遣する必然性はないと思う。アフガンの内戦問題(和平問題)や復興問題には日本は現段階では非戦という手段と方法で参加を検討すべきだ。もう一つの国連の決議に応じる恒久法を作っての自衛隊の海外派兵だが、現段階でその理由は明瞭ではない。大国の勝手な軍事行動と国連の平和活動が明確に区別されない今、恒久法の必要はない。国連の平和活動への自衛隊の派遣はその都度具体的に検討すべきことである。現段階ではそうとしか言えない。(『世界』小沢論文を論評したものあり。希望者には配布します)。(文責 三上 治)
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