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耐震偽装−−「専門家たちの沈黙」
イーホームズの藤田東吾社長が耐震偽装事件の核心部分(*1)を告発してからまもなく1年が経とうとしています。その間に社会政治情勢は疾風怒濤のごとく大きな出来事が連続し、耐震偽装事件は一般に忘れ去られたかのようです。しかし、これは今までのところ都市部では大きな地震が起こっていないという偶然の所産に過ぎないでしょう。その一方で、重大な責任を指摘されている国交省の元高官が参院選の比例区で与党から立候補して当選しています。
わたしは藤田社長の告発からほどなくして以下の小文を書き、先月閉鎖されたAbEndフォーラムといういささか場末の情報集積場に投稿しました。すると、他の単独記事の多くは閲覧回数が1〜2カ月以内に数百で頭打ちになったのに対して、この記事の閲覧回数はなだらかな右肩上がりで増え続け、今年3月には1000を越え、先月の閉鎖時前には1600に達していました。もちろん、この数字自体は有名ブログのアクセス数などに比べれば取るに足らないものですが、11カ月近くの間にコンスタントに伸び続けてきたという点はインターネットの情報流通の在り方の1つとして決して無意味なものではないと考えます。
AbEndフォーラムの閉鎖後、この記事はgoogleのキャッシュ以外では読めなくなっているので、再び人目に付く場所(阿修羅)に置くことにしました。この記事を書いた後、若干の専門家の発言もあったようですが、内容の主旨に変更は不要と思います。
(*1): 偽装(改ざん)可能なプログラムを十分に検証せずに国交省(旧建設省)と(財)日本建築センターが認定してしまったこと。および、この大臣認定制度の不備を悪用した構造設計士が偽装を行なったこと。
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「専門家たちの沈黙」
藤田社長の告発内容の理解は素人には簡単でなく、そのため問題の重大性が伝わりにくい面が大きいようです。本来であれば、マスコミが学者などに解説させているはずですが、そうはしていないわけです。こうしたなかで、「反戦な家づくり」の明月さん(一級建築士)が明解な解説をしてくださいましたが、「きっこの日記」に取り上げられた唯一の例であるところから見ると、ほかには見るべき専門家の解説はないようです。藤田社長の告発の直後には、建築専門家の集まる掲示板では告発内容を肯定する発言が見られましたが、ネットで騒ぎが大きくなるにつれて、素人には意味不明の専門用語を並べるだけの発言ばかりになってしまいました。
ネットで以前に知り合った一級建築士(10階建てのビルの建築を監督した経験があるという)の意見を聞こうと思い、何年かぶりで彼の個人サイトへ行ってみると、HPの更新が今年の1月1日を最後に予告なしに停まっているのです。1月といえば、耐震偽装事件が騒ぎの頂点に達した頃です。夏前には某所で名前を見かけたので、病気とかではないと思います。彼はパソコン通信時代から積極的に市民運動にかかわり、博学多識でネットでも饒舌な人でした。彼の沈黙は事件と無関係ではないような気がします。
ところで、ネットでちょっと調べてみると、一級建築士は全国で約30万人もいるのですが、そのうち自分で構造計算が出来て柱や梁の大きさを決められるのは約9000人しかいないのだそうです。医師が内科や外科などに分かれるように、一級建築士も構造計算のほか設備や意匠などの専門に分かれます。ということは、1棟のビルを建てるにも何人もの一級建築士が相互依存しているということです(1人で全部をやる例もあるかもしれませんが、たぶん多くはないでしょう)。
一方、藤田社長の告発では「17年間に200万棟」の偽装が推測され、ということは1年に11万棟強です。ネットで調べると、個人事務所が扱える数は、どんなに頑張っても年に10棟止まりなのだそうです。そうすると、ゼネコンなどではもっと多いということで、ここが素人判断で難しいところですが、仮に1人当たり15棟で7300人強、20棟で5500人も偽装をやった一級建築士がいることになります。そして上記の通り、自分で構造計算が出来る一級建築士は約9000人しかいないのですから……(以下略)。
おかしい箇所はご指摘願います。
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[某氏からのコメントに答えて]
今回リンクを張らなかったのは、初めのほうはみなさんすでにご存じと思ったのと、後のほうはリンクに気が付いて消されたり変えられたりすると困ると思ったからです。
とにかく、銀座で石を投げると一級建築士に当たるそうですが、建築士の会合で石を投げると偽装をやっている人に当たるのでしょう。それくらい多いと、自分が何か言えば立場が悪くなる人が周囲にいたり、自分にも跳ね返りかねないというわけで沈黙を決め込むのでしょうね。それに、黙っていれば素人には分かるまいという意識がはたらいているのかもしれません。(リフォーム詐欺などもそうでしたが、建築関係者は専門知識を振りかざして素人をいいように扱うことが可能ですからね。)
追記:
私は先年、家を建て替えた際に、複数の建築業者から不愉快な思いをさせられた経験があるので、見方が若干厳しいかもしれません。
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