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沖縄返還時、「核密約」示す米公文書 外務省は存在否定
http://www.asahi.com/politics/update/1007/TKY200710070118.html
2007年10月07日23時57分
日米両国が沖縄の「核抜き本土並み返還」に合意した1969年11月、当時の佐藤栄作首相とニクソン米大統領との会談直前に、両国間で返還後の沖縄に米軍の核の再持ち込みなどを認める「密約」を結んだことを明示する米政府の公文書が見つかった。密約の内容は当時の複数の米高官らが認めているが、「秘密議事録」と記述された米側の公文書が明らかになったのは初めて。
見つかったのは、キッシンジャー大統領補佐官(当時)からニクソン大統領にあてた69年11月12日付と同13日付のメモ。信夫隆司(しのぶ・たかし)・日大教授(日米外交史)が今夏、米国立公文書館で入手した。首脳会談の進め方や手順を説明した文書で、05年に機密指定解除された。
12日付のメモで、キッシンジャー氏は「返還後の沖縄への核兵器持ち込みと繊維問題に関する日米間の秘密合意に関連して、佐藤首相とあなた自身(ニクソン大統領)は次のような交渉のやりとりをする」と記したうえで、「手続きに関する申し合わせ」を添付した。
「申し合わせ」の核問題に関する項では、首脳会談での具体的な交渉の進め方が記され、「secret Minute」(秘密議事録=密約)という言葉があり、日米間で核密約があったことが前提となっていたことがうかがえる。
また「申し合わせ」は佐藤首相の密使としてキッシンジャー氏と交渉した若泉敬・元京都産業大教授(故人)の著書「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」で全文が明かされ、「日本政府は(中略)共同声明についての修正された秘密議事録(=密約)と共に(中略)受け入れるものと了解する」と訳されている。
さらに13日付のメモには、若泉氏が使っていたコードネーム「ヨシダ」が登場し、「この取り決めは昨日午後、私(キッシンジャー氏)とヨシダ氏との最終会談で合意した」などと書かれている。
信夫教授は「密約の存在が公文書のメモの中で明確に確認された。若泉氏の著書の価値が高められた。外務省は政府の信頼を高めるためにも自ら検証すべきではないか」と話している。
今回見つかった公文書について外務省は「文書がどんなものか定かではないのでコメントする立場にない。核の『密約』は存在しない」と従来の主張を繰り返している。
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