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臨時国会で最大の焦点となるテロ特措法の延長問題。政府は洋上補給に絞った新法案を提出するが、審議中に期限切れの11月1日を迎える公算が大きい。活動の狙いは対米支援だったにもかかわらず、政府は「テロとの戦い」を強調する。論点を探った。(編集委員・半田滋)
薄れる給油根拠
監視郊果も疑問
■活動の本質は
米中枢同時テロ後の2001年10月、衆院特別委で当時の福田康夫官房長官は「(米国によるアフガニスタン攻撃を)自衛権の行使と判断している」と答弁。北大西洋条約機構(NATO)諸国は「集団的自衛権の行使」として参加した。憲法上、集団的自衛権を行使できない日本は「非戦闘地域」で「後方支援」するテロ特措法を成立させた。
狙いが戦争支援にあることは、小泉純一郎首相が憲法との関係を問われ、「すっきりした法律的な一貫性、明確性を問われれば、答弁に窮してしまう。そこにはすき間がある」(01年10月5日衆院予算委)と述べたことからも明らかだ。防衛省幹部は「緊急の支援策だったから無償の燃料補給となった」。戦争がテロ掃討に変化した現在、無償で燃料を提供する根拠は薄れている。
■インド洋で何を
有志連合による洋上監視は最大11カ国だったが、10月現在、日米英独仏、パキスタンの6カ国に減った。このうち補給艦は米2隻、日英が1隻ずつの合計4隻。補給艦「ときわ」が8月から9月13日までに行った洋上補給8回のうち、7回がパキスタン艦で、残り1回が米艦だった。パキスタン艦は不純物を除いた燃料しか使えないが、米英の補給艦も燃料のろ過はできる。ただ米英から提供を受ければ有償だ。日本を多用するのは無償だからだろう。
指揮を執る米第5艦隊は活動を、海洋の安全・安定に力点を置いた「海上安全活動(MSO)」と呼ぶ。武力行使の色彩が強い「海上阻止活動(MIO)」と呼んでいたころと比べ、ソフトな印象を与えているが、防衛省では「MSOは初耳だ」(幹部)。情報収集に不安を感じさせる。
不審船への無線照会は04年の41000回が06年には9000回に減り、「抑止効果だ出ている」という。だが、アフガニスタンでの自爆テロは05年秋から本格化した。洋上監視が「テロとの戦い」で直接的な効果を挙げているといえるかは疑問だ。
■燃料の転用は
有志連合による洋上監視は3カ所の海域に分かれ、45隻の艦艇が参加。イラク南部の油田監視は「CTF158」(米補給艦、英駆逐艦など)、ペルシャ湾中南部は「CTF152」(米空母戦闘群など)、オマーン湾からアラビア海を経て、紅海入り口のアデン湾までを「CTF150」(米仏、パキスタンの駆逐艦など)と呼び、日本はCTF150に参加している。
03年2月、「ときわ」から間接補給を受けた米空母キティホークがペルシャ湾に入った。テロ特措法に基づく基本計画はペルシャ湾も活動地域としているが、イラク戦争開始後、実施要項(非公開)でペルシャ湾北部は切り離されたとされる。
03年2月当時はペルシャ湾全域が海自の活動海域だった。有志連合も湾内を細分化しておらず、CTF152は04年、CTF158は06年に生まれた。キティホークがいた海域を見るだけでは、イラク戦争に転用したと断定するのは困難だ。
とはいえ、開戦直前の03年2月の洋上補給量は2万キロリットルと突出して多く、米艦が「駆け込み補給」を求めた可能性は極めて高い。
「東京新聞」10/3紙面より
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