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思っている事をひと言で述べてみる(天木直人のブログ 10/2)
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 10 月 02 日 13:45:33: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007年10月02日
思っている事をひと言で述べてみる
  思っている事をひと言で述べてみる

  毎日のブログを、もっと短く、核心をついて書けないものか。そうすれば多忙な読者は読みやすくなる。そういう声がある。その通りだと思う。しかしそれでは言い尽くせない事が残る。誤解をうむ余地が生じる。それに、私のブログは語りつくしてはじめて私のブログであると思っている。
  しかし書きたい事がたくさんある時に一つに集中して書くことに我慢できない時もある。書くべきタイミングに書かないと、もはや書く気がしなくなったりする。そこで今日のブログはひと言ブログである。

 1.沖縄の教科書修正問題

  政府は渋々ながら「軍の強制」を認めざるをえなくなった。11万人の沖縄県民の怒りが政府を動かしたという事だ。被害者の気持ちを軽く見るとしっぺ返しを受けるということだ。
  私は10月1日の朝日新聞、「この人、この話題」の中で、昭和史を聞き語りしているノンフィクション作家保阪正康氏の次の言葉を思い出した。
 「・・・侵略した側の行為は兵士しか記憶をもっていないが、侵略された側では幼児にも記憶が残っている・・・」
  素晴らしい言葉だ。我々の国と近隣諸国との間で歴史認識をめぐるギャップが存在し続けるのは、この視点が我々に欠落しているからだ。我々には加害者意識が希薄すぎる。被害者の痛みにあまりにも鈍感になってしまった。
 沖縄の教科書問題はその事を教えてくれた。

  福田総理の所信表明演説

  私は総理の所信表明演説なるものを聞いたり読んだりしない。官僚の書いた、血の通っていない文章のつぎはぎである事を知っているからだ。少なくとも外交に関する部分はそうだ。みずから分担して執筆した経験からそう断言できる。
  その外交部分の総理演説の書き出しがどういう言葉で始まるかご存知か。「日米同盟の堅持と国際協調は、わが国外交の基本です。」これである。
  私は過去の総理の所信演説の外交部分の書き出しを覚えていない。官僚の前例踏襲癖を考えると、おそらくいつもこの文章から始まっているのかもしれない。そうだとしたら大変な間違いが繰り返され、放置されていたという事だ。誰もまじめに聞いていなかったということだ。
  冷戦後の米国は、圧倒的な軍事力を背景に国際協調を無視して一方的に国益を追及する国となった。その国との同盟関係を最優先することは、そもそも「国際協調」と矛盾する。しかも米国の外交政策は常に変化する。特にブッシュ政権に入っての米国の安全保障政策は、「テロ」との終わりのない戦争へと激変した。その米国との軍事同盟を、わが外交の基本にするという事は、憲法9条を掲げる平和外交と真っ向から抵触する事なのだ。
 総理の外交演説は常に次のように始めるべきなのだ。なぜ外務官僚はそういう気概を持って、この国の政治家を導いていく事ができないのか。
  「 太平洋戦争を通じて戦争の悲惨さ、愚かさを知った我々は、二度と武器を手にしないという決意をして平和憲法9条を持った。この憲法を高らかに掲げ、国際平和に貢献する事をわが国の外交の基本とし・・・」

  敵意を超えた二つの勇気

  米国のイラン攻撃が取りざたされている。そんな中でイランのアフマディ・ネジャド大統領が国連総会に出席した際、米国コロンビア大学で講演をするという出来事があった。この事について10月1日の毎日新聞「東論西談」がニューヨーク支局の小倉孝保記者の報告として掲載している。実にいい報告だ。国際政治もまんざらではない。
  小倉記者は問う。「独裁指導者がずらっとならぶ中東にあってアフマディ・ネジャド大統領は選挙で選ばれた指導者だ。しかもイランは9・11には関与していない。なぜこれほどまでにイランの大統領は米国に嫌われるのか」と。それは米国の外交を左右するイスラエルにとっていまやイランが最大の脅威であるからだ。
  講演前、コロンビア大学には「独裁者に発言を許すのか」と中止要請の声が相次いだが、大学側は、「考えを異にする者にも発言の機会を保障することこそ我々の信条」とはねつけた。この大学側の勇気がいい。その一方で、ボリンジャー学長は、ゲストであるアフマディ・ネジャド大統領におもねることなく、「狭量な独裁者」と批判したという。これも毅然としている。
  そのアフマディ・ネジャド大統領は、会場にあふれた5000人超の学生の前で、たった一人でステージに立ち、話し、質問に答えた。
  「どうして核を持っている国が、持たない国に対し核を持つなと迫れるのか」、「欧州の問題のツケをなぜパレスチナ人が支払わなければならないのか」などと第二次世界大戦後の欧米主導の世界秩序への疑問を投げかけた。講演の内容は殆どが真剣に考えるに値する内容で、聴衆からはしばしば拍手が起きたという。
  小倉記者は書く、「一国の指導者が、敵視されている国に乗り込み質問を受けることが、どれほど勇気がいることか。それは日本の首相が北朝鮮で講演したり、ブッシュ大統領がキューバの学生の質疑を受けることを想像すればわかるだろう」と。
  演説後、小倉記者は学生に聞いて回った。「イランの指導者が何を考えているのか直接聞けて良かった」、「言われているほどむちゃな大統領じゃなかった」、といった感想が多かったという。
  そして小倉記者は締めくくる。
  「コロンビア大学とアフマディ・ネジャド大統領が示した二つの勇気が、敵意を書きたてようと扇動するメディアを凌駕した」と。政局に明け暮れる日本の政治家がなんと矮小に見えることか。

  インフレが国民を苦しめる時がまもなくやってくる

  10月1日は何も郵政民営化が始まった日だけではない。ガソリンをはじめ生活必需品のいくつかが値上がりした日でもある。
  財政当局と御用経済学者は決して口にはしないが、ゼロ金利がここまで長く据え置かれるのは異常である。それどころか国民の金利所得の収奪である。その無茶が許されてきたのは、ひとえに物価が安定していたからだ。
  財務当局の失政によって引き起こされた株価暴落と、その結果生じた大企業の膨大な不良債権。その救済のために緊急避難的にとられたのがゼロ金利であった。ところが、いざなぎ景気を超える好景気が続いているというのに、ゼロ金利はそのまま据え置かれている。こんなおかしな事はない。これは好景気が嘘だということか、景気とは関係のない他の要素で低金利が持されているか、のどちらかであるということだ。そして国民は何時までたっても本当の説明を聞かされないままである。
 調べてみるが良い。ゼロ金利の国は、金利を否定するイスラム圏のほかは日本だけだ。ゼロ金利を黙って我慢するようなおとなしい国民は日本人ぐらいだ。
  そのゼロ金利は、デフレが続いてきたから、我慢もできた。価格破壊などと喧伝され、物価が下がっているから所得が上がらなくても我慢できたということだ。
  しかし本当に物価は安かったのか。それさえも疑わしいのに、ここへきてはっきりと物価上昇の動きが出てきた。10月2日の毎日新聞経済欄の「経済観測」に三連星というペンネームで経済記者がこう書いている。「・・・いやな予兆がある。まず原油の80ドル突破。第二が希少金属相場の急騰。(そして)穀物相場の上昇・・・これはインフレですよ!」
  不況下のインフレ、これは最悪である。その被害はもろに庶民を襲う。我々はそう教科書で習ったはずだ。それが目の前に迫りつつあるのだ。

  ミャンマー事件で日本政府は何をもたもたしているのか

  ミャンマーに対するわが国の外交不在については9月28日のブログで取り上げた。その後、邦人記者の犠牲者が出た。その為に外務省が重い腰を上げ始めた。しかしその対応はあまりにも鈍く、誠意がない。世論に押されたジェスチャーでありアリバイ作りでしかない。
  邦人記者が殺されたという事で薮中外務審議官という官僚が急遽派遣された。この事をメディアが一斉に報じた。薮中外務審議官は私より一年後に上級職として入省した、かつての同僚である。よく知っている。その元同僚の資質をとやかく言うつもりはない。優秀であろうがなかろうが、所詮は一外務官僚である。高村外務大臣がミャンマーの外務大臣と国連で会って抗議を申し入れた後で、官僚がそれ以上ミャンマーの軍事政権に何をいう事が出来るというのか。
  それにミャンマーには日本政府を代表した特命全権大使がいるはずだ。彼は何をしているのか。日本の特命全権大使は、常日頃ミャンマー軍事政権と接触しているはずだ。今活躍しないで何時活躍できるというのか。
  因みに藪中外務審議官は北朝鮮との拉致問題で田中均アジア局長の後を引き継いで交渉を担当し、横田めぐみさんの遺骨と称する物を持ち帰ってきた人物だ。1400度の高温で償却したから本物か偽物かわからない、本物にしておいてくれ、と北朝鮮に言いくるめられたに違いないと、当時報道したものもあった。帰国後、横田めぐみさんの遺骨に違いないと記者会見で話して置きながら、後日それが技術の進んだ日本のDNA鑑定の結果偽物とばれたとたんに口をぬぐって、北朝鮮側から「約束を破った」と非難された外務官僚だ。
  せめて長井さんが撮影したビデオの返却ぐらいは実現して来たらどうか。ミャンマー政府が謝罪しましたというだけでは誰でもできる。ミャンマーへの援助打ち切りはいつでもできる。


http://www.amakiblog.com/archives/2007/10/02/#000553

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