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社 説首相所信表明/どう進める「話し合い」路線http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2007/10/20071002s01.htm
安倍晋三前首相の突然の退陣で誕生した福田康夫首相は、参院で野党が過半数を占める「ねじれ国会」でどのような政治を目指すのか。
昨日の所信表明演説で首相は「誠意をもって話し合いながら、国政を進めていく」と述べ、野党との話し合い路線を強調した。
衆院では与党が3分の2を超す議席を維持しており、法案が参院で否決されても衆院で再議決して成立させることは可能だ。だが、再議決に踏み切るのはリスクが大きい。まず柔軟姿勢を示し、当面する国会を乗り切りたいとする考えだろう。
野党、とりわけ民主党との協議で、ある程度の修正に応じても法案の成立が図られるのなら、政府・与党にとって好都合なのは言うまでもない。
参院で第一党を占めた民主党も国会運営に責任がある立場だ。どのように政府・与党と協力していくのか、民主党も試されることになる。
話し合い路線は言葉の上ではきれいだが、政府・与党と民主党が国民を置き去りにして、それぞれの思惑で妥協しあう恐れがないとは言えない。「密室での談合」のようなことがあってはなるまい。
ただ、今国会で最大の焦点の海上自衛隊のインド洋における給油活動継続に、民主党はあくまでも反対する姿勢を変えていない。政府・与党と民主党の主張が対立するのは給油活動だけではない。年金制度改正、農業問題など基本的な姿勢が大きく異なる問題は少なくない。
民主党があくまでも反対する場合に、首相がどう対処するのかは明らかでない。どこまで話し合い路線を貫くのか、真価が問われることになるだろう。
政治とカネの問題、格差問題、年金記録不備問題など内政面の課題については、所信表明では具体的な内容が乏しい。
安倍氏が9月10日に行った所信表明の内容と大きく異なるところはなく、同じような言い回しが目につく。
準備期間がなく、前内閣をほとんど居抜きで引き継いだにしても、新鮮味に乏しい。
一方、憲法改正や官邸機能の強化などに全く触れていないことは安倍氏との違いだろう。
外交面で安倍氏との路線の違いがかなり示されたことも注目したい。安倍氏は「主張する外交」を掲げたが、首相は「平和を生み出す外交」とし、日朝国交正常化、積極的アジア外交の推進を強調した。
給油活動問題をはじめ、外交戦略の進め方はまだ明確ではない。イラク戦争についての言及もない。今後、どのように日米同盟の強化とアジア外交の推進を図っていくのか、詳しい説明がほしい。
メッセージ色が強く、大げさな表現が目立った小泉純一郎、安倍両氏に比べ、総じて面白みに欠ける所信表明と言える。
だが肝心なのは、国民の立場に立った具体的な政策の一つ一つであることは言うまでもない。あすから始まる各党代表質問で、首相はさらに踏み込んだ答弁をしてほしい。
2007年10月02日火曜日
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