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福田康夫首相は1日、国会での所信表明演説で、小泉改革路線を基本的に継承しながら、中央・地方の格差是正を通じて小泉路線の修正をはかる考えを示した。安倍晋三前首相の改憲路線に関しては払しょくする考えもにじませた。「小泉、安倍2代の劇場政治からの脱却」(自民党幹部)を目指しつつ、与野党逆転下の参院を抱える国会対応に専念するという首相の構えが表れた演説だと言える。
自民党総裁選、組閣人事と慌ただしいスケジュールの中で、首相は腰を据えた所信表明演説の準備に時間を割けなかったという。首相周辺も「総裁選の公約を入れてまとめたもの。省庁との協議の時間もなかった」と語るが、小泉、安倍両政権の「負の遺産」の処理をどう表現するかという点だけは、首相の頭から離れなかったようだ。
首相は小泉構造改革路線の継承を打ち出しつつも、構造改革で生じた格差を是正するための決意を示した。「格差問題には一つ一つきちんと処方せんを講じていくことに全力を注ぐ」との表現を用い、小泉改革のマイナス面を明確に意識した形になった。
安倍前首相は小泉純一郎元首相の改革路線を引き継いだものの、郵政造反組の復党問題なども絡み合って、自分の政権の独自性を打ち出すことに失敗。小泉流のひずみを抱えた自民党政治の「繕い」に追われた末、最後は力尽きた。
福田首相も「小泉」「脱小泉」の二つの流れの中で、一つ間違えば自らの立ち位置を見失わないとも限らない。福田政権の成立は、「小泉」「脱小泉」が入り交じった「雪崩」現象によるものであり、党内状況を見る限りにおいて安倍政権の誕生過程と変わらない。衆院での巨大与党は小泉郵政選挙で生み出された。福田政権も安倍政権同様、巨大与党を引き継いだのであり、自らが衆院選で勝ち取っていないという共通の弱点を持つ。
首相はそういう点も十分自覚している。有権者は参院選で安倍政権に「ノー」を突き付け、小沢民主党を支持した。「安倍カラー」だけは完全に清算して身を軽くし、次に「脱小泉路線への軟着陸」というのが首相の本音だろう。
演説からは「美しい国」「戦後レジームからの脱却」をうたった安倍氏の改憲路線は完全に姿を消した。与野党逆転の参院を抱えつつ、改憲をタイムスケジュールにのせるのは非現実的だと冷徹に切り捨てたとみられる。【中川佳昭】
毎日新聞 2007年10月1日 東京夕刊
解説:福田首相・所信表明演説 「安倍カラー」払しょく - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2007/10/01/20071001dde012010063000c.html
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