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2007年10月01日
アメリカの核兵器はなぜ他の国から何も言われないのですか?
「王様は裸だ」と言った子供のように、こういう質問を子供から受けたら、あなたはどう答えるだろうか。30日の毎日新聞は、「質問タイム」という欄で、和歌山県の小学生から寄せられたこの質問を取り上げていた。その答えを紹介する前に、あなた自身、答えを考えてみて欲しい。
「アメリカは世界の警察の役割を果たす国だから、そのアメリカが核兵器を保有することは許される」、「アメリカは世界で一番強い国だから、そのアメリカに核兵器を放棄しろと誰も命令できない」、「北朝鮮やイランは危険で悪い国だから、そのような国に核兵器を持たせる事は世界の平和にとって危険だ」、「アメリカは日本を守ってくれる国だから、アメリカのすることに反対できない」・・・
いずれも答になっていない。あなたは不機嫌な顔をして言うかもしれない。そんな愚問は、大人はしない、答えるまでもない、と。そうだろうか。子供を納得させる答を見つけられずに、強引に議論を打ち切る、それは恥ずべき事ではないか。そのような態度こそこの世界に不正義をはびこらせてきたのだ。その結果、不正義に対する反抗、反撥を招いてしまうのだ。
しかも、アメリカは核兵器をただ保有しているだけではない。世界の合意に反して核実験を繰り返し、最新核兵器を開発してそれを使おうとしている。その米国に対し、唯一の被爆国である日本の政府は、被爆者や平和を願う国民の声を無視して、ただの一言も本気で核廃絶を米国に申し入れた事がない。ついこの前、米国の要人が「広島、長崎の原爆投下は、終戦を早め、これ以上の犠牲者を防いだ」と原爆投下を正当化する発言をした時も、政府は抗議はおろか一言も発する事はなかった。この現実を知った時、冒頭の質問をした子供はどう反応するだろうか。
さて、毎日新聞の論説委員、中井良則氏の答えはどのようなものであったか。残念ながら直接に答えることはしていない。そのかわり、核廃絶へ向けての一つのヒントを述べている。それは、米ソ冷戦時代には「恐怖の均衡」によって核使用が抑止されたけれど、対テロ戦争の時代になった今、核兵器がテロ組織にわたれば抑止はできない、だから、核兵器そのものをなくさなければならない、と、キッシンジャー元国務長官などの米国有力者が「核のない世界」を訴え始めた、この動きを紹介しながら、「・・・『どうせなくならない』とあきらめないで、『核兵器をゼロに』と声を広げて行きたいものです。」と、結んでいる。
そうあってほしい。しかし現実はどうか。核兵器がテロ組織に渡れば確実に使われる。かつて私がレバノンのパレスチナ難民の若者と話した時、その若者は「核兵器があったらなあ・・・。今我々に核兵器があれば、ためらいなく直ちにイスラエルにぶち込む」と真顔で話していた事が忘れられない。
その一方で、米政府内部には、たとえ核兵器がテロ組織にわたって何十万、何百万の犠牲者がでようとも、何千万の犠牲者を出さないために、テロ組織を根絶するまで戦う、と考える者がいる。その米国はまた、核兵器よりはるかに破壊力のある兵器を開発し、独占した上で核兵器を廃絶し、世界を武力で圧倒しようとしているのだ。
そのような国と、日本政府は軍事同盟を一層強化しようとしているのである。憲法9条を守ろうと叫んでいる事がむなしくなる現実が、静かに、しかし急速に進行している。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/10/01/#000550
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