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http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hassinbako/news/20070930ddm002070205000c.html
発信箱:ノー・モア・エルビス=藤原章生
福田さんの雰囲気に懐かしさを感じる。プレスリーのまねなどしそうにないところがいい。
薄暗い料亭でおやじたちが高い懐石をつまみながらひそひそ話をする。60年代初め生まれの私にとって、政治と聞けばそんな絵が浮かぶ。ツラの皮の厚い人々が話すのは世界情勢ではなく、派閥の裏取引。ヤニ色の指で票を数える姿が浮かぶ。
森元首相の時代まで、そんな「おやじたちの治外法権」という趣があった。小泉元首相はそれを崩したものの、目を覆いたくなるパフォーマンスを演じるようになる。ブラジルで日系人を前に号泣した元首相について、案内役の在留邦人が語った言葉をよく思い出す。「あのパフォーマンス、何とかならんのか」
だが、多くの日本人が引っかかった。小泉氏が人気絶頂のころ「森(首相)の方が良かったんじゃないか」と話しても、笑われるのがおちだった。安倍さんは力不足。「さぬきうどん」や「阪神タイガース」を語れば受けると考える麻生さんの庶民のなめ方は、小泉さんによく似ている。
それに比べ、福田さんはパフォーマンスが苦手そうだ。風ぼうから浮かぶ言葉は「地味でのんきな国」。いんぎんに、のらりくらりとやりそうなところが日本らしくていい。「ショー・ザ・フラッグ(旗を見せろ)」と言われたら「ええ、確か……」としらばっくれる。「金だけ出して、血を流さない」と言われれば、「いやあ……」と黙り込む。それでいいのだ。
紋付きはかま姿で口を真一文字に締めなくていい。受けなくていい。肩の力を抜いて、もっと自然に。(夕刊編集部)
毎日新聞 2007年9月30日 東京朝刊
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