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安倍首相が退陣表明をしてから、次の首班指名までの約2週間、国会は開店休業状態である。また、自民党総裁選挙はやはりニュースバリューがあるので、各メディアもこれを大きく取り上げている。どうも釈然としない。朝青龍はけがを理由に巡業を休み、その間にサッカーをしたので、日本中からバッシングを浴びた。自民党は、相撲の本場所に当たる国会を総理の病気退陣で一方的に休業させたくせに、悪びれもせずサッカーならぬ身内の出来レースをテレビに取り上げさせ、ただで宣伝してもらっている。これは朝青龍よりも悪質ではないか。
私はたぶん総裁に選ばれるはずの福田康夫氏には多くを期待しない。自民党の都合だけで総理を入れ替えるのはもう限界である。誰がなっても、次の政権は正統性を持ち得ない。
次の総理の最大の仕事は、政治と金に関する透明化の仕組みを速やかに整え、政治に対する国民の信頼を最低限回復した上で、解散総選挙を行うことである。その意味で、福田氏には悪いがこの政権は選挙管理内閣の性格を持つべきである。メディアも、福田政権の政策課題などという議論をすべきではない。臨時国会で与野党が政策論戦を繰り広げることは大いに結構である。ただし、衆参ねじれ構造がある限り、片方の主張が実現することはない。与野党の対立構図が明らかになったところで、国民が決着をつけるしかない。(東京新聞9月24日)
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