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2007年09月27日
アーミテージの言葉
私にはこだわりがある。気にかかる人物の言動は徹底してフォローするのだ。徹底的といっても、今の私には格別の情報収集力はない。というよりも、およそ一般の市民、国民と同じように、新聞などの公開情報を通じてしか情報は入手できない。それでも、目にし、耳にした限りの情報でかなりの事がわかる。
アーミテージ元国務副長官という人物がいる。アナポリス海軍兵学校を卒業後、ベトナムに従軍した軍人だ。73年に仏でベトナム和平交渉が行われた時、途中で戦いを止めるのは嫌だと言って海軍を去ったという戦争好きな男だ。ランボーのモデルとも言われ、その後もベトナム戦争の最終局面では軍に復帰し、危険な戦いをいとわずに積極的に参加している。根っからの軍人だ。
2001年の米国のアフガン侵攻に際しては、協力しなければ空爆して「石器時代に逆戻りさせるぞ」とパキスタンのムシャラフ大統領を脅し、イラク戦争では、機密情報を漏らしたCIA工作員の身元をリークして報復するなどの卑劣な言動をした男だ。
そのアーミテージは、国防省、国務省の役人になって以来、日本との関係を持つようになった。いつまでたっても米国との間でろくな人脈を築けないままの日本政府や外務省は、何かといえば、アーミテージを知日派、親日派と誉めそやして重用する。今回も日経新聞主催のセミナーにアゴ、アシつきで招待されて訪日したに違いない。
そのセミナーでのアーミテージの基調講演録が、27日の日経新聞に大きく掲載されていた。その中で彼は次のように話しているのだ。
「・・・民主党の小沢一郎代表はテロ特措法の延長を阻止しようとしている。湾岸戦争時に日本は「普通の国」になれと主張し、本まで書いた人間が反対するのは、大変皮肉なことだ・・・」
問題はその後に続く彼の次の言葉である。
「・・・米国にとって日本との関係が世界でもっとも重要なのは、日本が世界第二の経済大国であるためなどではない。日本の人々が政府を通じて米軍基地の使用を認め、安全保障上の(米国の)守備範囲を広げてくれるからだ・・・」
これほど明確に米国の本音を述べた米国の高官がいたであろうか。在日米軍は米国のために日本にある事を認めた瞬間だ。
さらにまたアーミテージは次のように述べている。
「・・・米政権内の『アジアへの影響』の欠如を懸念する声はあがっている。実際、ネグロポンティ国務副長官以外はアジアにあまり詳しくはない・・・ただ、軍事部門の司令官クラスは米・アジア関係に精通しているので、日米関係の架け橋になるだろう・・・」
とんでもない発言だ。米軍人が日本の事を一番よく知っているというのだ。在日米軍がらみの仕事を担当している軍人が日本の事を一番よく知っているというのだ。しかも日本という固有の国ではなく、アジアの一部としての日本であると言わんばかりだ。
それに、ネグロポンティのどこが知日というのか。かつてネグロポンティが米国の国連大使であった時の実話である。日本は必死になって国連常任理事国入りを画策していた。わが国連代表部の同僚たちの最大の仕事は、わが国の安保理常任理事国入りについて米国の後押しを取り付けることであった。米国が強く支持してくれさえすれば、他の安保理理事国も最後は賛成するという読みだ。しかし米国は一向に態度を明確にしなかった。そのうち日本の大使が離任することになった。その大使が離任の挨拶にネグロポンティ大使を訪れた時の事だ。安保理常任理事国入りは日本の大使にとって勤務期間中の最大の課題であった。「どうか米国がわが国の常任理事国入りに賛成すると態度を明らかにしてもらえないか」と、まるで離任の餞別代わりに、最後のお願いだといわんばかりに、意を決して頼み込んだのだ。
ところが、その時のネグロポンティ米国連大使の返答は人を食ったものだった。
「何のことか。自分は忙しくて国連安保理改革の事はほとんどフォローしていない」というのだ。知日派どころか、日本軽視の男なのだ。
日経新聞もアーミテージなどに高いギャラを払ってお説拝聴するのでなく、駐米特派員に米国との人脈を築き、一つでも多くの有益な情報を入手するよう命じたらどうか。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/09/27/#000547
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