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2007年09月26日
私はあなただ、あなたは私だ(参院選の報告と今後の活動方針)
このブログは、先の私の参議院選挙立候補に際して、物心両面にわたって支援、支持をいただいた読者に向けて、報告と感謝の意を伝えるために書いたものです。私の選挙に関心のない読者におかれましては、このブログに限っては読み飛ばしてください。
さて、7月29日の参院選から早くも2ヶ月が経とうとしています。もっと早く報告をさせていただくべきところでしたが、その後の政局があまりにもめまぐるしく展開していった為、選挙の反省と今後の身の処し方について、考えをまとめる暇もなく今日に至ってしまいました。
ここに詫び申し上げますと共に、皆様方からいただいたご支持、ご支援にあらためてお礼を申し上げたいと思います。そして遅ればせながら選挙の報告をさせていただきます。やっと政治の将来が見通せてきたということです。
1.収支報告
最初に、皆様から頂いたカンパ資金の収支報告をさせていただきます。このブログは不特定多数の読者に公開されていることから、ここでは概要の説明にとどめ、詳細につきましては本年末に行なう政治資金収支報告書の提出が終わった段階で、支援を頂いた方々の中でご希望される皆様に対し、その最終報告書を送付して詳細説明をさせていただく事にしたいと思います。
カンパを始めた5月末から、政治資金規正法に従って、資金管理団体「天木直人と共に歩む会」を立ち上げ、専門の税理士に資金管理を依頼しました。規則に従って12月末に最終報告書を確定し、提出する事になりますが、寄付をいただいた皆様には、取りあえず、今回の選挙事務所を閉鎖し、残務整理を終えた8月2日現在での収支決算を次のように報告させていただきます。
寄付収入総額9,262,767円、支出総額6,719,698円、残額2,543,069円となりました。
支出のうち選挙そのものに直接関わる経費として、9条ネットが負担した供託金600万円その他の選挙必要費に加えて、候補者天木直人自身の選挙運動強化のための追加必要経費(ポスター追加、チラシそのほかの資料作成、新聞広告掲載、全国遊説に伴う所要経費など)が必要になりました。このための経費が2,500,000円かかりました。
他方、私はいわゆる政治活動を、5月中旬から選挙が始まる7月12日までのおよそ2ヶ月間に精力的に行ないました。その為の経費が(その主要な部分は全国の組織立ち上げのために移動した交通費、宿泊、滞在費であり、そのほか東京での滞在費、事務所借り上げ費、備品購入費、人件費など)4,219,698円でした。
その結果8月2日の時点で残額は2,543,069円となりました。
この経費はその後の私の政治活動(支援者の求めに応じて行う意見交換、講演会への参加経費、参加旅費・滞在費、資料購入費、通信費など)に使わせていただいております。それがなくなった時点で今回の寄付による私の政治活動は終了し、それを政治資金報告書に最終的に記録し提出する事になるわけです。
皆様から頂いた寄付の内訳は、最小5円、最大100万円、平均して1万円、およそ1000名の方々から寄付を頂きました。短期間にこれほどの方々が、私のごとき一私人の選挙のためにカンパを寄せていただいた事は、大変な事だと思っています。その責任の重さに身が引き締まる思いでした。この事によって私は私の都合だけで軽々に政治活動を止める訳にはいかないと自覚するに至りました。
寄付をいただいた方々に対しましては心よりお礼を申し上げると共に、皆様の期待に応える事のできなかった非力をお詫び致します。
今後ともブログの執筆に専念するとともに、将来の政治参加の可能性について皆様と共に探求して行きたいと思っています。ありがとうございました。
2. 私なりの選挙の総括
さて、選挙についての総括ですが、選挙結果が出た7月29日から今日まで、協力していただいた人たちはもとより、様々な人たちと意見交換を重ねてきました。
当然のことながら関係者、支援者の人たちの間で意見の完全な一致はありません。負け戦を総括する事は決して楽しい事ではありませんでした。時として激論を交わすこともありました。それでも、共に選挙を戦った事による連帯感は確実に残りました。
以下に述べる事は、皆様の様々な意見に謙虚に耳を傾け、そしてそれらを出来る限り尊重した上で、最後は自らの責任で下した私の今の考えです。そのつもりでお読みいただければ幸甚です。
やはりなんといっても私自身の集票能力の欠如があります。知名度やアピール度その他選挙に勝つための個人的魅力が私には決定的に欠けていたという事です。この認識を大前提として、いくつかの主要点について書いてみます。
(1) 9条ネット候補者としてのアピールが弱かったという事がまず指摘されます。9条ネットという組織は何か、それが不明瞭であり、国民の共感を得られなかったという問題があります。この点については、準備不足であったとか、メディアが取り上げてくれなかった、という理由もありますが、やはり9条ネットそのものが、一般有権者に不明瞭であったということです。
なぜ新しい政党ではないのか。なぜ9条ネットの候補者だけでなく社民党その他の護憲候補者も応援したのか。立場の違った人々が「憲法9条を守るという一点で集まる」という事が果たして可能なのか。9条ネットという新しい組織は既存の護憲政党の足を引っ張る事にならないのか(護憲票をなぜ奪い合うのか)、などなどの疑問が選挙期間中に有権者から常に提起され、それに対する明確な答えを私自身最後まで見つける事はできませんでした。
そもそも私自身が、9条ネットの母体となる主要団体(新社会党を中心に労働組合、みどりの会議その他の市民団体)の意図するところを十分理解しないまま、そして9条ネットが出来上がる過程での複雑な経緯を十分に知らないまま、9条ネットの共同候補者を引き受けてしまった、そこに私の根本的な矛盾があったと反省しています。
結果として、支援者、9条ネット関係者ほかの多くの方々に迷惑をかけてしまった、その事を私はまず反省しなければなりません。
(2) 次に、候補者天木直人に限って言えば、9条ネットを支える主要組織が新社会党であったという事が、私のアピール度を減らす働きをしたという面があります。すなわち、読者の皆さんにはこのブログで繰り返し申し上げていますように、私は政治的には左翼イデオロギーはもとより特定の政治的イデオロギーに基づいて護憲を主張する者ではありません。国際政治の観点から見て、日本外交は、対米従属の日米軍事同盟関係から決別し、憲法9条を世界に高らかに掲げて自主・自立した平和外交でなければならない、そういう強い信念から、誰よりも強く護憲を訴えているのです。
このブログを読んで私の支持者になった方々の多くも、9条ネットには関心はないが、天木個人を支持する、という人たちが多く存在しました。その私が9条ネットの候補者として立候補し、9条ネットの存在意義を訴えた事は、私の支持者のみならず、一般有権者にとっても、私の一貫性に疑義をもたせた結果となりました。実際のところ、9条ネットから選挙に出たことで私から離れて行ったり、批判を始める支持者も現れました。
(3) 三番目に、これは今後の私の活動のあり方にも関係するのですが、果たして私自身が目指している政治が、広く一般国民の受け入れられるものなのか、仮にそれが今の時点で一般国民の広く受け入れられなくても、それでも本気になってその政治的理想を貫き、いつかは実現していこうとする覚悟が、自分にあるのかという事です。
私の基本的な考えは、既存の政治ではない政治をつくりたい、つまり既存の自民、民主のいずれが政権をとろうとも、そしてまたどのような既存の政党の連立政権ができようとも、権力は腐敗してその政治は真に国民の為の政治とはならない、特にその政治が、これまでの日米軍事同盟体制を本気になって変えようとしないかぎり、真の平和国家日本は実現できない、というものです。
このように私の目指す政治と政治家は、既存の政党や政治家を全否定するまったく新しい政治、政治家像であるわけですが、この考え方が広く一般有権者の理解を受けるのはまだ時期尚早ではないか、ましてや今の選挙制度の下においてそのような主張を掲げて選挙に当選することは極めて困難ではないかという事です。
(4) そして最後になりますが、たとえ私が私がその理想を隠して妥協し、どんな形でもいいから勝てる選挙に臨む事にしたとても、勝てる選挙を行える参謀と支援者が必要だということです。そんな人は私にはいません。私が自分の考えだけで一人相撲を続けても、将来の見通しはなかなか開けて来ないという事です。
3.私の今後の方針
以上の総括を踏まえて、私として今後どのように対処していくべきか。
この点については、チャンスが来ればもう一度挑戦したいという気持ちを強く持つ一方で、今度選挙に出る時は文字通り最後の挑戦になるでしょうから、確実とは言わないまでも、勝てる可能性があると確信できるまでは慎重でありたいと思っています。
そして今の政治状況では勝てる選挙が見つかる目処はまったくありません。私が自公の公認で選挙に出る事はありえません。民主党の公認を得て出馬するのが一番近道ですが、私が民主党公認を得られる可能性はありません。私は3年前の参議院選挙で菅直人党首(当時)から出馬要請を受けましたが、私の反権力の言動が危険すぎるという党内の一部の強い反対があって公認を得る事が出来なかった経緯があります。ましてや政権に近づいた今の民主党には自薦、他薦の候補者が殺到していると聞きます。そういう状況の中で民主党が私の公認を求めてくる事はありえません。だからといって今の護憲政党から私が立候補して当選する可能性も、これまたないのです。
選挙は勝てるから出るのではない、理想を求めて出るのだ、当選の可能性は自分の手でつくるのだ、そう主張する方々もおられるかもしれません。私もそう思います。
しかし理想を掲げて選挙をして惨敗したのがこの前の選挙でした。私がもう一度だけ理想を求めて出馬する時は、本当の意味での政界再編が起きて、日米軍事同盟を基本とする二大保守政党のほかに、イデオロギーとは離れた平和主義のあらたな第三勢力が日本の政治に必要になる時だと思っています。その機運が国民の中から彷彿として湧き上がってくる時であると思っています。
私が9条ネットに参加する事を最終的に決断したのは、9条ネットを成功させればそのような機運を国民の間に起せるかもしれないと思ったからです。しかし9条ネットは成功しなかった。それは9条ネットの非力もありましたが、同時にまた日本国民の意識がいまだそこまで到達していなかったという事です。新しい政治の流れは無理をして作り出すだけでなく、政治状況の大きな流れと並行して生まれてくるのが本物なのだと思います。
そしてここに来て、私はあらたな政治の予感を感じます。このままの流れでは次回の選挙で民主党政権ができるような気がしてきました。そしてその場合は、自公が下野して、民主党、社民党、国民新党などの連立政権ができます。その政権の最大の課題は、暮らしや経済政策の問題ではなく、間違いなく日米軍事同盟関係をどうするかという事だと思います。
新しい連立政権は改憲を推し進めることはしないでしょう。しかし日米軍事同盟は確実に進展していくでしょう。一旦政権政党に入った社民党は、かつての社会党のように政権政党の立場を維持する事を最優先し日米軍事同盟を容認していくでしょう。これこそが、国民の目から隠された保守大連立政権のの到来ということです。下野した自公の政治家が日米軍事同盟に反対する立場をとるとは思えません。こうして憲法9条改憲なき日米軍事同盟体制が発展、深化し、当然視されていくのです。
その場合にはじめて平和の為の第三勢力を求める声が国民の中から彷彿として湧き上がってくると思います。その時にチャンスが生まれると私は思うのです。
今度の選挙を通して私の支持者にも変化が見られました。多くの人が離れて行った一方で、何があっても私を支持し続ける、あくまでも私の判断を尊重したい、と約束してくれる人たちが残りました。また私がブログでどのような意見を述べようが、たとえ意見が時として異なったとしても、私を支持するといってくれる読者が多くいます。私はそれで十分であると思っています。そしてそのような人たちとこそ、私が今後の活動を共にして行ける人たちです。
私はいま、選挙直前に書いた私のブログを気恥ずかしい思い出読み返しています。選挙が始まる前の最後のブログで呼びかけた、「私はあなただ、あなたは私だ」の言葉は、選挙で惨敗した今となっては虚しく響くかもしれません。しかしこの言葉は、いまこそ使うべきではないのか。一度は忘れかけていたこの言葉を、再び新しい思いで使わせていただきたいと思います。
激動する日本の政治情勢を透徹した目で見据えて、必ず我々に出番は来る、その時を信じて、その時に備えて、叡智と気迫を蓄えていく、これこそが今の私の心境であります。そのこころざしを共有し、私と一体になって挑戦していきたいと今でも考えている人たちに、私は感謝を込めて呼びかけます。
「私はあなただ、あなたは私だ。ともにあたらしいスタート地点に立って歩み始めたい」と。
最後までこの報告に目を通していただいた方々に心から感謝しつつ報告を終わります。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/09/26/#000544
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