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http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/yoroku/news/20070925ddm001070007000c.html
警告射撃が始まりだった。ヘリコプターからロープを伝って降りたスペイン軍特殊部隊の兵士が貨物船に乗り込む。セメント袋に隠されたミサイル15基がみつかった。02年12月9日早朝のアラビア海。貨物船は北朝鮮の「ソ・サン」号だ▲追跡していた米国がスペインに捜索を要請した。国旗を掲げていないことを理由にした臨検だ。だがミサイルはイエメンへの輸出品だった。積み荷を押収する国際法上の権限はどの国にもなかった。船は解放された▲スペインが危険を冒して臨検を行ったのは、アフガニスタンでの対テロ戦争、不朽の自由作戦の一部である海上阻止活動に参戦していたからだ。海上自衛隊が洋上給油を行うインド洋の有志連合作戦だ。何をやっているのか実態不明だ、といわれる▲珍しく公表されたのがソ・サン号事件だ。ホワイトハウス報道官は当時「(有志)連合の活動が成功した」と自賛した。有志連合は国連安保理の承認や委任を受けない。米国にとっては国連の枠外にこそ意味がある。対象地域や期間、権限が制限されないからだ。勝手に動ける。作戦対象がアフガン関係に限らないのはソ・サン号で明らかだ▲「第二次大戦以来、最大の国際海軍の集結」(米軍事研究団体、グローバル・セキュリティー)は出口が見えない長期戦だ。ソ・サン号の教訓から米国は新たな有志連合を作り出した。不審な船を捜索する大量破壊兵器の拡散防止構想(PSI)だ。日本は来月、伊豆大島近海で7カ国が参加する海上訓練を主催する▲きょう発足する福田康夫政権の最初の難問は海自派遣の継続だろう。「この指とまれ」と米国が呼びかけた有志連合から日本は抜けるか、とどまるか。どちらにしても対テロ戦争の時代は終わらない。
毎日新聞 2007年9月25日 東京朝刊
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