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自民党の多くの人々が“あじゃー”、と思ったのではないだろうか。昨日の自民党役員の人事で、伊吹文明氏を幹事長に選任したことである。福田康夫氏という政治家は、やはり凡庸な人物に過ぎない。政治家には“化ける”政治家もあるが、福田氏はきっと最後まで化けることはないであろう。
福田氏が伊吹を幹事長に選任したことがなぜ問題かというと、福田氏は幹事長という役職を理解していないからである。内閣の人事など、問題のない人物を大臣に選任しておけばだいたい大丈夫なのである。総理大臣だってだいたいそんなところなのである。このことを知っている自民党は、そんなつもりで福田氏を「総理大臣候補」に選出したのである。なぜならば、内閣総理大臣や大臣の職務は、そのほとんどを役人がフォローしてくれるからである。
しかし、総裁や幹事長という役職は違う。自民党には、総裁や幹事長をフォローできるほどの党官僚はいない。だから、総裁や幹事長は実力がなければ、その任務を果たせないのである。自民党はいま危急存亡の秋(とき)にある。この自民党を立て直すのは、簡単なことではない。伊吹文明氏には、立て直しする理念もなければ、気迫もない。伊吹氏は、典型的な事務局長的タイプの政治家なのである。そんな人物を幹事長に選任するあたりに、福田氏の政治的資質をみることができる。
大騒ぎして自民党が総理大臣候補に選んだ福田氏が、今日国会で総理大臣に指名されることは確実である。しかし、いちばん大切な人事である幹事長に伊吹氏を選任するくらいの福田氏であるから、福田内閣の人事もひどくつまらないものになるであろう。誰が考えても凡庸にしかみえない福田氏が総理大臣になったことだけが唯一の“サプライズ”ということか。しかし、こんなサプライズで自民党が立ち直るなど、ブラック・ユーモア以外の何ものでもないぞ、といいたい。
それでは、また明日。
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