福田政権基本は財政再建重視　“バラマキ”復活の懸念も(サンケイビジネス)-早速「改革見直し｣=「ばら撒き」のレッテル貼り JAXVN

福田政権基本は財政再建重視　“バラマキ”復活の懸念も(サンケイビジネス)-早速「改革見直し｣=「ばら撒き」のレッテル貼り
http://www.asyura2.com/07/senkyo42/msg/404.html
投稿者 JAXVN 日時 2007 年 9 月 24 日 09:49:06: fSuEJ1ZfVg3Og

「福田新政権発足へ　基本は財政再建重視　“バラマキ”復活の懸念も
9月24日8時33分配信フジサンケイ　ビジネスアイ

　２５日に発足する福田康夫政権は、極めて困難な経済財政政策運営を迫られる。財政再建と経済成長を両立させる構造改革路線を継続する一方で、改革の“影”である「格差問題」への対応も必要だ。基本姿勢は「財政再建重視派」とされるが、参院第一党に躍進した民主党だけでなく、与党内からも歳出増の圧力が高まっており、「調整型」の政治手法ではかつての“バラマキ財政”が復活するとの懸念が出ている。

　◆消費増税に前向き

　「消費税は上げずに済めば一番いいが、国民の生活に影響が出るのに上げずにがんばるというのでいいのか」

　福田氏は２３日の就任会見で、改めて消費税率引き上げに前向きな姿勢を示した。民主党が提案している基礎年金の財源を全額税金で賄うことについても、「検討すべき対象だ」と述べ、民主党と協議していく姿勢を表明した。

　参院で与党が過半数割れするなか、福田氏は民主党との協調路線を模索している。民主党は消費税率の据え置きを掲げており、年金制度改革や財政再建には欠かせない消費税率の引き上げは封印せざるを得ない。

　基礎年金の税方式に必要な財源はいったいどうするのか。本質的な議論は置き去りにされたままだ。日本経団連の御手洗冨士夫会長も税方式を提言しているが、財源は消費税率引き上げを念頭に置いている。

　２００９年度には基礎年金の国庫負担割合が現行の３分の１から２分の１に引き上げられることになっており、その財源を確保するためにも消費税を含む税制の抜本改革は待ったなしだ。社会保障制度改革と表裏の関係にある財源問題を棚上げしたままでは、改革が一歩も進まなくなる懸念がある。

　福田氏が総裁選で掲げた政権公約も財源問題はあやふやだ。改革に伴う痛みを受ける「弱者への配慮」を鮮明に打ち出しているが、格差批判を繰り広げる民主党に対抗するための“急ごしらえ”は否めない。

　福田氏は、来年４月に現行の１割から２割に引き上げられる高齢者医療費の自己負担増の凍結検討のほか、福祉サービスに対して原則１割の自己負担を定めた障害者自立支援法の見直しなどを表明した。特に、高齢者の自己負担引き上げは、すでに法律でも決まっているため、これを覆すことになれば凍結法案の提出が必要になる。

　◆財源論ないがしろ

　一連の自己負担の先送りには、１０００億円もの新たな財政負担が必要になるが、福田氏は財源をどこから捻出（ねんしゅつ）するのか示していない。政府内では「財源論をないがしろにした格差是正策が、“アリの一穴”となり、これまでの財政再建路線が崩壊しかねない」（経済官庁幹部）との危機感が募る。

　民主党だけでなく、格差是正を大義名分に与党内の歳出要求は勢いを増すばかりだ。公明党からは１１年度に基礎的財政収支（プライマリーバランス）を黒字化する政府・与党の財政再建目標の先送りを求める声まで出ている。

　各方面の顔を立てる調整型の手法では、こうした要求にあらがえない。バラマキ圧力を跳ね返す強力なリーダーシップが求められている。（中山忠夫）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇

　◆福田康夫氏の歩み

　１９３６年　７月１６日　東京都世田谷区生まれ

　　　４９年　３月　　　　学芸大付属小卒

　　　５５年　３月　　　　麻布学園高卒

　　　５９年　３月　　　　早大政経学部卒

　　　　　　　４月　　　　丸善石油（現コスモ石油）入社

　　　６２年　３月　　　　米国へ赴任（２年間）