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政治は結果がすべてである。今回の自民党総裁選は、最後まで“芸”がなかった。芝居は騒げばよいというものではない。意味もなくただ騒ぐだけの芝居をドタバタ劇という。今回の総裁選が、ドタバタ喜劇なのか、ドタバタ悲劇になるのか? まあ、どちらでもよいけでね(笑)。
麻生氏は今回の総裁選を、「古い自民党と新しい自民党との戦い」と位置づけようとした。麻生氏が“新しい自民党”を代表する!? そんな風に思っているのは、政治を全く知らない○○オタクの若者だけである。麻生氏に投票した人が、漫画を読み大衆に迎合することが新しい自民党だと考えていたら、そんな自民党は間違いなく次の選挙で小沢民主党に敗北する。小沢氏は、そんなことを少しもやることなく、先の参議院選挙で大勝した。
漫画のことをいうならば、一言いいたい。麻生氏は“さいとうたかを”のゴルゴ13を愛読しているという。私も学生時代からゴルゴ13を読んでいる。ルーレットでは、常に“13”にチップを置くくらいのファンである。しかし、最近ではあまり読まない。単行本になってから漫画喫茶でまとめ読みするようになった。これも惰性にすぎない(笑)。率直な感想をいわせてもらえば、最近のゴルゴ13は凝りすぎているのである。ゴルゴ13が生身の人間として描かれていない。さいとうたかを氏のもので、私が発行と同時に買って読んでいるのは、隔週誌『乱』の「鬼平犯科帖」である。原作は池波正太郎で江戸情緒のある面白い連載である。
ITのことを本当に理解している政治家ならば、通信の秘密と通信料金の問題に触れなければならない。しかも麻生氏は総務大臣としてこの問題を直接所管していたのである。また選挙におけるインターネットの解禁も総務省の所管である。麻生氏はこういう問題に何らの問題意識をもっていなかった。この程度のことが理解できないから、“ITオタク”などといわれてしまうのである。わが国のITをもっと発展させるために、IT関係者ももっと政治に関心をもたなくてはならない。
そして私が麻生氏をもっとも本質的に非難するのは、参議院選挙で大敗した安倍首相に続投をけしかけた張本人である点である。民主主義の本質を公然と無視する者を新しい自民党を代表する人物とした麻生支持派の見識を私たちは問わなければならない。そのような麻生氏をキチンと批判するのではなく、言論戦で守勢に回っていた福田氏および福田支持派も反省しなければならない。民意を尊重することと大衆に迎合することは、同じではない。国民が民意として示した政策要望を、どうやったら実現することができるのかを具体的に示すことがプロの政治家の仕事である。
身内のとんでもない人物にさえ“古い自民党”と揶揄された福田氏が総裁に選出された。麻生票が37.4%も出たことにより、福田氏がどんなに厚化粧しても自民党は昔の自民党に戻ったといわれても仕方ないだろう。国民はそういう目でしか自民党をみなくなるだろう。時代遅れの自民党というレッテルを貼られて総選挙を戦わなければならない自民党の候補者はたいへんである。これも自業自得である。このことを自民党の国会議員は身をもって知ることになるだろう。野党の攻める点はここである。私が総裁選の始る前に永田町徒然草No.550でいったように今回の総裁選は葬儀委員長の選出劇であったと後世いわれることになると思う。
それでは、また明日から頑張りましょうや!
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