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2007.9.21(その1)
森田実の言わねばならぬ[574]
平和・自立・調和の日本をつくるために【385】
【自民党総裁選分析〈4〉】
福田康夫政治の本質は何か?――注目すべき福田氏のダブルスタンダード
「衣の袖(そで)から鎧(よろい)が見える」(日本の諺)
[表面上は柔和な提案をしながら、陰では武力による制圧をちらつかせること]
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福田康夫候補は立候補以来何回も、次のように述べている。
「小泉改革の方向はもう変えられないが、格差を埋める努力をしなければいけない」
福田氏の政治手法は、小泉・安倍両首相とは異なり、何事にも慎重・沈着である(これに対し麻生氏は小泉・安倍型すなわちハネ上がり型である)。
福田氏は、政治路線について、小泉・安倍政治の基本を変えないと言明している。
小泉・安倍路線とは、第一にブッシュ政権の戦争推進に協力する、第二にアングロ・サクソン流市場経済を日本に導入し(安倍氏の言葉)、日本の経済社会の構造を根本から変える(日本的システムを破壊する)ことにある。
福田氏は、この小泉・安倍政治の基本を継承する意向である。その上で格差問題に取り組むという。
しかし、これは矛盾である。小泉・安倍構造改革を進めれば格差は拡大する。貧富の差は拡大する。大都市と地方の格差は広がる一方である。強い者はますます強く、弱い者はさらに弱く、強者の犠牲にされてしまう。
一方で格差拡大政策をとりながら、他方で格差縮小政策をとるというのは、大いなる矛盾である。しかも小泉・安倍構造改革の継承を基本としているため、格差縮小の努力をやめてしまえば、小泉時代と同じことが繰り返される。いや、もっとひどいことが起こる。
格差拡大を食い止める最良の手段は、まず格差を拡大する小泉構造改革を止めることである。小泉構造改革をつづけながら格差を縮小するというのは矛盾であり、偽善である。
給油継続問題についても、福田氏はダブルスタンダードである。民主党との話し合いを繰り返し強調しながら、話し合いがまとまらなければ、憲法第59条2項の「衆院再議決」という民主党が反対している強硬策を「最後の最後には」排除しないというのである。
福田氏の言い回しはソフトだが、民主党側には次のように聞こえるだろう――「民主党よ、福田に賛成せよ。さもなければ衆議院で再議決して押し切るぞ」。
福田氏は表面上は柔和な態度をとってはいるが、最初から露骨な脅しづきの話し合いは本当の話し合いとはいえない。民主党側には民主党を孤立させるための策謀に映るかもしれない。
衆議院は自公連立与党が多数をとっているが、去る7月29日の参院選で参議院の主導権を握ったのは民主党である。いわゆる「ねじれ国会」である。
ねじれ状況下での国会運営においては、衆参両院は誠心誠意話し合わなければうまくいかない。衆院の代表は自民党、参院の代表は民主党である。自民党と民主党の話し合いは誠実に行われなければならない。だが、福田氏は「最後の最後には」衆院再議決を強行するという。福田氏が、このようなダブルスタンダードで国会運営が円滑にいくと考えているとすれば、甘い。
ダブルスタンダードでは、今日の政局を乗り切ることは困難ではないか、と思う。
福田氏は「給油継続」を断念すべきである。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03692.HTML
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