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http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070922-01-0901.html
古い自民党が戻ってきた?!
2007年9月22日 ビデオニュース・ドットコム
ゲスト:上杉隆氏(ジャーナリスト)
上杉隆氏
安倍首相の辞任を受けて、自民党総裁選挙に麻生太郎幹事長と福田康夫元官房長官が立候補した。投開票まで1週間という過密スケジュールの中で、各派閥は軒並み福田氏支持を打ち出し、公示初日から早くも福田氏優勢が取りざたされている。
安倍首相の辞任と後継総裁選びをめぐる自民党内の動きを、政治ジャーナリストの上杉隆氏に聞いた。
官邸・自民党内の動きについて
上杉:安倍首相の辞任については、自民党の青木前参院議員会長、森喜朗元首相や中川秀直前幹事長が事前に水面下で動いていたようだ。私は単純に12日の時点で辞めたのかと思っていたが、それほど単純な状況ではないことが分かってきた。
辞任する前日には中川秀直が知っていたようだが、知らないふりをしている。麻生氏一人に責任を押し付けるのがこの際手っ取り早いという感じのようだ。
安倍首相辞任の真意について
上杉:辞任の理由は、実際の政治的な背景よりも、自身の心身両面の衰弱が大きいと思う。安倍首相の精神的な部分がかなり揺れ動いていたというのは事実のようだ。
肉体的な問題は総理になる前からあった。しかし、2週間ほど前からは心の部分でもかなり追い込まれていて、夜、公邸から出て一人佇んだり、近しい人に電話して突然泣き出したり、かなり情緒が不安定だったようだ。
それが限界に来て、ポキッと折れたのが辞任を表明した12日だったのではないか。
自民党内の福田氏支持の動きについて
上杉:今回、福田氏支持に動いているのは「勝ち馬に乗る」という古い自民党の典型だ。しかも、かつて密室で森元首相を選んだときと同じような面子が福田氏を擁立するという動きが実際はあった。かつての自民党の体質に針を戻したのかと感じる。
福田氏の政策について
上杉:福田氏は官房長官時代、少しずつではあるが自身の方向性を打ち出している。特に外交に関しては、自分なりの福田外交を展開すると思われる。
しかし、内政に関しては、明確に打ち出した政策が少ないので、それが果たしてどういう政策なのか不明だ。本来ならば、それを示しながら支持をするというのが各派閥のやるべきことなのだが、まだ何も言っていないのに福田支持になっている。
福田氏自身が政策を打ち出さないにもかかわらず、福田氏に支持が集まっている。政策論などを抜きにして、権力を掌握するために烏合の衆が集まったと言わざるを得ない。
対北朝鮮政策について
上杉:安倍首相の今の方向とは変わったものになるだろう。現に北朝鮮の朝鮮中央テレビでは、安倍首相辞任を歓迎する報道をしているようだ。
また、福田氏自身が今回の米朝協議の中でも、日本の役割を果たすべきだという考えを持っている。良いか悪いかは別として、日本が蚊帳の外にある今の路線とは違った形に戻っていくのではないか。
対北朝鮮政策について
神保:小泉氏の後継者のはずだった安倍首相がこのような形で辞任したので、小泉前首相がぶち壊したはずの古い自民党に戻ってきたのか。あるいは、古い自民党の手法と同じだけで、実際には似て非なるものというところだろうか。
宮台:福田氏が古い自民党を継続するのではないと象徴操作をしない限りは、自民党はこれで終わってしまうだろう。
神保:しかし、安倍首相のタカ派路線に比べて、福田氏は人柄や話し方が比較的ソフトなので、民主党側から見ると、やりにくいのではないか。
宮台:たしかにやりにくいだろう。
ただ、古い自民党の体制に戻すということならば、突っ込みどころはたくさんある。レジームや制度について、従来の制度では保たないということを民主党が突っ込んでいき、自民党に答えさせていくプロセスで、政党の枠を超えて、全体として日本が進む道はこういう方向しかないと合意できる状態になれば一番望ましい。
神保:それにしても、ポストのために勝ち馬に乗るのがここまで露骨で、世論の支持を受けられるのか。前回は宏池会だけ外されたが、今回はいち早く支持を表明したので、閣僚ポストの一つや二つ回ってくるだろう。
宮台:民主党の前原前代表がメール問題で失敗し、「若いやつは無理だよね」という感じになったのと同じことが、今の自民党で起こっている。
古い自民党が良いというよりも、前原氏と同じように、若い人、意気軒昂なぼんぼんは退いてもらうという感じだ。
神保:福田氏の方が安心感があるのだろう。しかし、麻生氏は(議員票のうち)麻生派の16人の票しか集まらない可能性も出てきている。麻生氏にとっては大敗すると政治生命に関わる話になってくる。
宮台:安倍首相はダメな政治家という烙印が押されたが、今回、麻生氏も票を得られなければ、安倍首相と一蓮托生になって、政治的な影響力は激減するだろう。
神保:英語で「その重責を支えるだけの胃袋があるのか」という言い方があるが、安倍首相にはその胃袋は無かったと(笑)
※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。
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