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世界に逆行?自民総裁選 若手へのバトン失敗【東京新聞】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007092102050417.html
2007年9月21日 朝刊
サミットで記念撮影に応じるG8首脳。安倍首相(右から2人目)をはじめ、ブレア前首相(左端)、プーチン大統領(左から3人目)、サルコジ大統領(同4人目)など50代前半の首脳が5人を占めた=6月、ドイツ・ハイリゲンダムで(ロイター)
福田康夫元官房長官の優勢が伝えられ、二十三日の投票を控え、盛り上がりに欠ける自民党総裁選。戦後最年少で日本のトップに駆け上がった安倍晋三首相は、任期わずか一年で政権を放り出し、総裁選は七十一歳の福田氏と六十七歳の麻生太郎幹事長の争いに。
ところが、世界の政治リーダーを見渡せば、五十代前半が目立つ。なぜ日本は若手の政治リーダーが育ちにくいのか−。 (菊谷隆文)
六月にドイツで開かれた主要国首脳会議(サミット、G8)では各国のトップ八人のうち安倍氏を含め五人が五十代前半。安倍氏は二十一日、五十三歳の誕生日を迎えた。
「G8の面々には若さを感じる。安倍さんには期待していたんだが…」とため息をつくのは政治評論家の有馬晴海氏。
「日本ではふつう、首相になるのに三十年ぐらいかかるから、首相になった時は六十歳前後。サラリーマンの定年が六十歳のせいか、『六十歳で頂点』という国民性があるのでは」と話し、全体的に海外よりも遅い傾向があると指摘する。
一九九〇年代以降に首相に就任した九人のうち、六十歳前後が五人。宮沢喜一氏、村山富市氏は七十代だった。海外に目を向けると、ブレア前英首相は四十三歳で首相に就任。クリントン前米大統領は四十六歳、現在のブッシュ大統領も五十四歳だった。
日本では若手リーダーが台頭しにくい理由を有馬氏は「結局はお年寄りが敬われているから。
お年寄りが『まだ若いもんには負けん』と言うことが、肯定的に受け取られるでしょ。
若い世代が出しゃばると、ライブドアの堀江貴文前社長のようにたたかれる」と皮肉を込めた。
元参院議員でプロ野球解説者の江本孟紀氏は「年功序列社会の日本では若い人がリーダーになる場合は人気先行のため、実力があるかチェックしないことが問題」と語る。
チームの成績不振で、退団を表明したばかりのプロ野球ヤクルトの古田敦也選手兼監督(42)を例に、「球団は人気重視で、二軍監督などを経験させることに真剣じゃなかった。
閣僚経験のない安倍さんも人気だけで首相になった結果だ」と語る。
「競争で勝ち抜いた人がリーダーになる欧米に対し、日本では集団をまとめる能力にたけている人がリーダーになるから」と分析するのは国際政治学者の山本武彦・早大教授。
「G8の本当の姿は『G7プラス1』。それほど協調型リーダーの日本は異質」と言う。
「自民党内で各派閥を調整する力が一番ある人が、総裁になることが多かった。
世論を味方につけた小泉さん(純一郎前首相)の改革を引き継いだ安倍さんに注目したけど、党内をまとめる資質がなかった」と話す。
戦後生まれ世代が政治リーダーになる主要国が増える中、日本は世代交代に失敗した。
山本教授は「安倍さん同様、海外でも戦後生まれ世代の首脳は『自国の誇り』を強調し、国が右傾化する傾向にある」と、戦争を体験していない世代の危うさも指摘した。
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