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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-09-20/2007092001_01_0.html から転載。
2007年9月20日(木)「しんぶん赤旗」
07年政治考
変だゾ 自民総裁選
反省なし 違いなし 転換なし
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連日、洪水のように報道される自民党総裁選。立候補した福田康夫元官房長官、麻生太郎幹事長の街頭演説を聞いて、「どっちを向いて政治をしようとしてるのか分からない」(大阪市の男性)などの声が聞かれます。参院選の審判もどこ吹く風。なにかおかしいぞ! 総裁選。(林 信誠)
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メディアは大騒ぎでも
国会空転招く
「お二人を拍手でお迎えください」―誰かの結婚披露宴ではありません。十七日、高松市内の街頭演説に福田、麻生両氏が登場したさいのアナウンスですが、そもそも、総裁選と直接関係のない市民に拍手を求める感覚こそ異常です。
安倍晋三首相(自民党総裁)の突然の辞任表明(十二日)で、後任の総理・総裁が決まるまで、衆参両院の代表質問や予算委員会の質疑ができず、国会は空転状態となっています。
「このような事態になったことを深くおわびしたい」(十五日、福田氏)というだけ。この事態を招いた根本問題について、両候補からの反省の弁はありません。参院選での大敗を喫した自民党ですが、安倍首相は続投を決め、自民党もそれを容認しました。その安倍首相が突然、政権を放棄するという事態を招いたのです。
地方紙は、「民意に背いてまで安倍首相が続投することを『よし』とした自民党全体の責任と言っていい」(秋田魁新報十五日付社説)ときびしく指摘します。
そんな体裁の悪い「出直し」総裁選ですから、国民に顔向けができるものではありません。
ほとんど同じ
総裁選管理委員長の臼井日出男元法相は街頭演説で、「存分にお二人の論戦を聞いていただきたい」と聴衆に呼びかけました。しかし、候補者本人たちが「だいたい似たようなところ」「基本的に同じ」と平然と語るように、「論戦」が成り立つのか。
麻生氏が、米軍などへの自衛隊の給油活動を「日本に与えられた大事な仕事です」と発言し、「対テロ戦争」参加の義務があるとのべれば、福田氏も「活動が止まったら相当な国際批判を受ける」とのべるという具合です。
国民の関心が高まっている消費税増税については、両氏とも記者会見では検討の対象とする点では一致していましたが、街頭演説では触れずじまい。
「もっと中身のある政策論争を行って、再開国会での野党との論戦にもつなげていかなければ、時間の浪費とそしられても仕方あるまい」(新潟日報十六日付社説)という声があがっています。
塚本三夫中央大学教授(メディア論)は、「どちらが総裁に選ばれても、旧態依然の自民党と変わりなく、それによって政治の転換を期待することはできない。自民党は、なんで参院選で敗北したのか考えたことがあるのだろうか。そういう反省のないパフォーマンス目的の総裁選は、国民だましにすぎない」と批判しています。
小泉・安倍政権支えた2人
福田、麻生両氏とも、政治空白への根本的な反省がなく、政策も変わらないのはなぜか。いずれも小泉・安倍政権を支えてきた張本人だからです。――「『福田VS麻生』の対決というのも分かりにくい。…どちらがなるにせよ、安倍政治への厳しい審判に、どこまでこたえられるのか」(神戸新聞十六日付社説)。
そのことは、街頭演説や記者会見を通じて浮き彫りになりました。福田氏は大阪で、「小泉改革」について、「すごい改革をしたと思います」と絶賛し、「この方向は変わりません」と、小泉「構造改革」路線の続行を宣言。麻生氏は会見で、「構造改革の継続」を表明しています。
「政治とカネ」の問題でも、福田氏が年金問題での官僚の不祥事と政治家の責任などに触れただけ。企業・団体からの政治献金などの政治腐敗の根本原因にメスを入れる姿勢は、両氏ともに示しませんでした。
報道にも問題
今回の総裁選では、大阪でも高松でも数千人の聴衆が宣伝カーを囲みました。
テレビ各局は総裁選関連の映像を毎日流しています。特定政党の選挙を特別に扱う報道姿勢に批判の声も。
フジテレビ系番組「とくダネ!」にレギュラー出演している作家の室井佑月さんは、十八日の同番組で、「自民党がすごくだらしないからこういう事態になったのに、ぜんぜん緊張感がないじゃない。いつまでこの自民党のCMみたいなのをみせられなきゃいけないの。いらいらする」とのべています。
中央大学の塚本三夫教授も、「国民に投票権はないのだから、『開かれた選挙』でもなんでもない。それを普通の国政選挙と同じように報道するのがそもそもおかしい」と指摘しています。
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