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【天木直人のブログ】政局談義ふたたび(2007年09月18日)
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 9 月 18 日 22:54:46: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007年09月18日

 政局談義ふたたび


 もう政局の話はしないつもりだった。しかし自民党の総裁選が終るまで馬鹿騒ぎは続く。国会で首班指名が行われ、福田自民党と小沢民主党の対決が始まらないうちは政治は凍結だ。参院選後2ヶ月もたって、政策は何一つ進展していない。気の遠くなるような政治不在だ。
 その間にもメディアは無意味な政治評論を繰り返す。番組を続けなければならないからだ。時間つぶしをするほかはないからだ。しかも誰も本当の事を言わない。言ってしまえば身も蓋もないからだ。何もわかっていない国民はそんな評論に踊らされる。
 そこでふたたび本当の事を書く。

1. そもそも今の政治や政治家は不用なのだ

  18日の朝日新聞投書欄の二つの投書に注目した。一つは自民党の総裁選などはどうでもいい、彼らのいう政策は実現して当たり前だ、それよりもまず、尊敬に値する政治家になれ、というものだ。もう一つは、総理大臣の資質を云々するよりも、総理大臣の検定試験をやったらどうか、政治家たちに首相を選ばせるから欠陥首相が生まれるのだ、というものである。
  これらの投書から明らかなように、もはや国民は既存の政治家や政党を相手にしていない。どの政党が政権をとろうと、誰がこの国の総理になろうと、どうでもいい。我々の暮らしを良くしてくれる仕事をしてくれれば誰でもいい。それが出来なければせめて税金ドロボーだけは止めてくれ、という事である。
  読者は9月21日号の週刊朝日を読まれただろうか。ついに週刊朝日まで書くようになった。「知れば知るほど腹が立つ 国会議員の特権」という特集記事だ。給与は月額130万円ぐらいであるが、文書通信交通滞在費という名目で、課税されない「つかみガネ」が毎月100万円、どの議員にも一律に支払われる。領収書が要らない金だ。事実上の給与である。政治資金規正法の改正でいま領収書を一円以上にするかどうかで大騒ぎをしている。しかし議員は領収書のいらない資金を毎月100万円貰っているのだ。
  おまけに現行の議員歳費法は「月割り計算」という理由で、7月29日に当選した参議院議員でも、実働わずか2日間で230万円全額をふところに入れている。これこそ究極の格差社会ではないのか。国会議員になりたがるはずだ。与党はおろか、格差がけしからんと叫んでいる野党議員も、誰一人「おかしい」と言う者が出てこない。「いくらなんでも貰いすぎだ」と辞退する議員も、「国民に申し訳ないから規則を変えよう」と提案する者も、ただの一人も出てこない。そんな政治家に国民の為の政治など出来るはずがない。

2.自民党は終わっていた。

  参院選の敗北とその後のスキャンダルの連続で、今度こそ自民党は下野することは明らかであった。しかも安倍の突然の辞任でそれが決定的となった。総選挙を待つまでもなく即刻政権交代が行われても良いぐらいだった。野党もメディアも国民も、もっと強く迫るべきだった。自民党が後継者あらそいで醜態をさらしていたら、おそらくそうなっていたかもしれない。
  福田康夫の登場で自民党は九死に一生を得た。メディアは急遽福田で一本化された事をとやかく言っているがピンとハズレだ。自民党はベストの選択をしたのだ。それしかなかったのだ。これは派閥争いではない。談合ではない。挙党一致で自民党を守ろうとしただけだ。急遽福田でまとまったということは、まだ自民党に政権を守ろうとする執念が残っていたという事だ。
  勿論小泉チルドレンなどという馬鹿な議員もいた。しかし彼らは所詮は自民党の事よりも自分の生き残りだけしか念頭にない政治家失格の連中ばかりだ。もう彼らの報道なんかするな。もうすぐいなくなる。
  中には片山さつきなどという狡猾な議員もいる。自分だけは他の馬鹿議員とは違う、福田でまとまれば今度は完全に福田チルドレンとなってテレビで応援しまくって、自分を売りだす。その醜態はしかし国民に見抜かれている。

3.何のための自民党総裁選か

   自民党は何故総裁選などを行って時間稼ぎをしているのか。それは、「密室政治で決めた」と国民に反発されないためだ。おまけに自民党総裁選を行う事によって、国民の関心を自民党に集める効果があるからだ。メディアが毎日報道する。いやでも国民は自民党の総裁選に注目する。手のいい自民党の選挙運動だ。その間は野党の事は視界に入ってこない。見事な作戦だ。
   麻生は正直だから言っている。自分が降りたら総裁選がなくなる、談合と批判される、だから負けることが分かっても出るのだと。福田との対比を国民に示す芝居をしているのだ。だからこの二人は本気で討論していない。競い合っている振りをしているだけだ。小泉と違って福田は麻生を敵視はしない。それどころか麻生が大負けして恥をかかないように総裁選の票さえも調整されるのではないか。数字の上では思ったよりも麻生に票を流すのではないか。福田内閣でも手厚く遇せられるに違いない。

4.小泉改革は否定され、小泉の政治生命は終った

   福田も麻生も、「小泉改革は引き継ぐが、改革の陰の部分に光を当てる」などと馬鹿な事を言っている。そうではないのだ。小泉改革は否定されたのだ。失言壁のある麻生は、既に口を滑らせているがもっとはっきり言うべきだ。「小泉の為に自民党は潰された、小泉はひでえ野郎だった」と。
   福田も麻生も、「旧守派だ」、「逆戻りだ」と批判されるので、「改革は正しかった」などと心にもない事を言っている。しかしそんな事を恐れる必要はない。そもそも小泉改革とは何だったのか。小泉改革のどこが国民にとって為になったのか。言えるものなら言ってみろ。小泉改革が正しいと思っている国民はB級国民だと電通などから馬鹿にされている。そんな連中が小泉改革の内容など分かるはずはない。
   不良債権問題が片付いたというが、それは小泉がいてもいなくても片付いていたのだ。税金を湯水のようにつぎ込んで無理やり銀行を助けただけの話だ。おまけに米国金融に売り渡したりしている。景気が回復したというが、弱者、消費者の犠牲の下に企業収益を図っただけだ。それが格差社会の原因だ。
   官から民へというが、その根本にある官の無駄遣い、官の削減などは、まったくなされていない。地方への権限移譲などまったく行われていない。
   小泉改革とは米国追随の一部の連中だけで経済政策を決めたインサイダー政治なのだ。彼らで利益を山分けし、その陰で一般国民が犠牲になった。そんな小泉改革を否定するところから自民党は始めなければ、今度こそ政権を手放す事になる。それを福田は知っている。
   飯島勲が小泉の秘書を辞めたというニュースは、実に大きなニュースだ。飯島のことだから裏があるような気もする。しかし冷静に考えると福田政権ができれば小泉再登場の可能性は完全に絶たれるわけだから、福田に嫌われている飯島が辞めるのは当たり前である。もし飯島の辞任が本物ならば小泉が政界から引退するということだ。
   小泉新党をつくるべく画策しているという噂がたえない。しかしこれほど間抜けな分析はない。自分の事しか考えない小泉に、新党の親分が務まるはずはない。その気もない。   
   飯島や武部が小泉を担ぎ出して生き残ろうと考えていたとしたら愚かだ。もはや何もかも終ってしまった。安倍辞任は、福田を誕生させ、福田の誕生は小泉の再登場を絶った。安倍は結果的に小泉を道連れに政治生命を失ったということだ。飯島辞任は当然なのだ。
 
5. 小沢民主党は福田自民党に勝てるか

  私は政権交代論者だ。その限りにおいて民主党政権が実現することを期待する。しかしただそれだけだ。民主党が政権をとれば今度は民主党のいかさまを批判することになるだろう。
  しかし小沢一郎という政治家に一度は政権を取らせたいという気もする。果たして小沢は政権をとれるのか。もちろんそれはこれからの展開次第だ。しかしこれだけはハッキリしている。福田自民党との戦いは安倍自民党との戦いよりはるかに難しくなったということだ。
  ついこの間までは流れは圧倒的に民主党にあった。今でも基本的流れは変わらない。解散・総選挙が早く行われるのなら政権を取る可能性は高い。
  だから自民党は何があっても総選挙を引き延ばそうとするだろう。国会再開後、小沢民主党がどこまで福田自民党を追い込められるかだ。しかし政策論では福田自民党は安倍自民党よりはるかに手ごわい。17日の東京新聞が書いていたが、民主党の鳩山幹事長は、軽井沢の鳩山グループ研修会で、「(福田自民党総裁候補が)『自立と共生』という話をした。私としては面はゆい。民主党の考え方が、ついに自民党からもしっかり出るようになったか」と嘆いて見せたという。福田が修正主義的なものを導入してきたら民主党との違いはなくなる。福田は「若者が希望をもてるような社会、お年寄りが安心してくらせる社会」をつくると繰り返し言っている。これは本音だろう。
  その一方で外交、安全保障面については、福田は改憲や集団的自衛権の問題を封印するだろう。そのかわり日米同盟の重要性を強調するだろう。小沢民主党はどう対応するか。 
  テロ特措法延長反対に固執するのはいい。しかし「米国のテロとの戦いは間違いだ」と否定できるか。米軍再編への協力は否定できるか。日米安保体制は否定できるか。在日米軍基地は否定できるか。
  私の最近のブログを読むものの中には、私が民主党のテロ特措法反対を批判しているといって、日米同盟賛成論者に変節したなどと言うものがいる。とんだ見当違いだ。私は日米安保体制に反対する。日米軍事同盟に反対する。だからこそ中途半端にテロ特措法延長だけに反対するなといっているのだ。中途半端な対米自立は、かえって本物の日米同盟の見直しを妨げる結果になる。国民を混乱させることになる。そして政権に手の届くところまで来た民主党を窮地に追い込むおそれがあると言っているのだ。見ているがいい。安全保障問題の論争では小沢民主党は福田自民党に追い込まれるだろう。
   だからといって年金や政治とカネの問題で攻めればいいというものではない。この話はもう国民にとっては聞き飽きた問題だ。もはや批判より、犯罪人を処罰し、年金をはやく満額支払えという事だ。批判ばかりしているとやがて飽きられる。


6. 護憲政党の出番はない

  一番困っているのは護憲政党だろう。共産党はまだいい。共産党だからだ。余程の事がない限りつぶれる事はない。もはや勢力を拡張することはありえないが、つぶれなければいいと割り切れば仲間内で頑張っていればいい。
  問題は社民党だ。社民党の売りは暮らしと憲法である。しかし福田自民党は社民党の要求に近づける政策をとるだろう。9条改憲は封印するだろう。そのかわり日米軍事同盟は進めていく。
   社民党は9条改憲反対、国民投票法反対とばかり言ってはいられない。しかも社民党は日米安保体制を容認した。米軍再編反対、在日米軍基地撤退と言える立場にはない。つまり社民党は福田自民党にケチをつけられないのだ。だから野党結束と言うほかはない。しかしそれは聞こえがいいが、民主党にすりよるほかはないのだ。かつての社会党の愚を繰り返す運命にある。連合と一緒に民主党に合流した連中に遅れて参加するということだ。小沢が福田との争いで数が必要と判断すればそれを認める。不要だと思えば相手にしない。

7.   保守二大政党か保守大連合か

   かくして保守2大政党の時代が本格的に来る。それは実質的に保守大連合でもあるのだ。日本の政治は、福田自民党によってついに来るべきところまで来るかどうかと言う事だ。間違っても護憲政党が勢力を伸張することはない。ましてやこの期に及んでも護憲勢力の結集の動きすら見せられないのだから。

http://www.amakiblog.com/archives/2007/09/18/#000535

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