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http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20071012k0000m070138000c.html
発信箱:1円携帯の不経済成長=中村秀明(経済部)
携帯電話が普及し始めた10年近く前、大手電機メーカーの知人は憤っていた。「創意工夫を重ね、懸命に商品化したハイテクのかたまりをですよ、1円で売るなんて、技術屋は泣いてます」
当時、原価をきちんとはじけば、携帯電話の端末は「最低でも5万円」と言われていた。
技術屋を泣かせてきた、たたき売りはようやく是正される。KDDIが今月、「端末は高いけど、通話料は安い」料金プランの導入を決め、「1円携帯」のような営業手法を改めることにしたからだ。修理や電池交換より機種変更の方が安くあがる、おかしなこともなくなるだろう。
しかし、端末メーカーは喜ぶどころか、渋い表情だ。「端末価格が上がれば、買い替え需要が冷え込むのではないか」と心配らしい。
米国の環境経済学者、ハーマン・デイリー氏は現代社会を「不経済成長の時代」と呼んでいる。見かけは「経済」が成長しているように映るが、資源の大量消費とゴミの大量廃棄によって、生態系や環境に負担がかかる「不経済」をふくらませており、いずれ破局を迎えるという警告だ。
1円携帯は、携帯電話の急速な普及や端末の高機能化に役立ったかもしれない。しかし、まだ使えるものを捨てさせ、買い替えを促すやり方は、技術屋泣かせというだけでなく、本当に経済的だったのか。それを受け入れた消費者の行動は、どうだったのか。
携帯電話メーカーが昨年、国内向けに出荷したのは約4800万台。どう見ても作りすぎだ。そして作りすぎこそ、さまざまな不経済のもとなのだと思う。
毎日新聞 2007年10月12日 0時10分
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