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(回答先: 給油の新法「海上阻止行動に限定」高村外相(毎日新聞) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 10 月 11 日 10:28:28)
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20071011ddm003010022000c.html
クローズアップ2007:衆院予算委 晴れぬ給油転用疑惑
10日の衆院予算委員会で政府は、海上自衛隊から間接給油を受けた03年2月25日の翌日、米空母キティホークがペルシャ湾入りしたことを認めた。イラク戦争開戦まで1カ月を切ったこの時期、イラクに面したペルシャ湾で、日本が供与した燃料を使ってキティホークは何をしていたのか。何日で供与燃料を使い切ったのか。政府は「転用はなかった」と繰り返すが、供与燃料のイラク戦争への転用疑惑は残ったままだ。【古本陽荘、田中成之、田所柳子】
◇民主と政府、「1日消費量」で応酬
海上自衛隊から間接的に給油された空母キティホークの燃料は、何日間で消費されたのか−−。
政府はキティホークが1日で消費する燃料は約20万ガロンと説明。これに対して民主党は、市民団体「ピースデポ」の情報などから1日の消費量を約11万ガロンと見積もり、キティホークがイラク作戦に関与した疑いが強いとの論陣を張って対抗した。1日の消費量を特定することが、イラク戦争開戦前のこの時期、キティホークがペルシャ湾で何をしていたのかを割り出す有効なツールとみているためだ。
民主党が参考にしているのはピースデポが引用した米会計検査院(GAO)のデータ。この場合海自の補給艦「ときわ」から米補給艦「ペコス」を経てキティホークに提供された燃料67万5000ガロンを消費する日数は「約1週間」となる。防衛省資料や同艦の航跡などからみると、イラクに一番近いクウェート沖に停泊した3月1日も含まれることになる。
民主党の菅直人氏はこれらを踏まえ、「キティホークはもともとイラク南部でやっていた南方監視作戦(OSW)に加わったと見るのが自然だ」と強調し、イラク作戦への関与が濃厚だと詰め寄った。
一方、政府側は同艦の1日当たり消費燃料を約20万ガロンとする米政府の説明を論拠にしている。米側は「2月28日までの3日以内で消費した」と説明しており、政府もこれに従ってイラク戦争への関与を真っ向から否定した。
石破茂防衛相は、2月末までに燃料は消費していたとの前提に立ち、「南方監視作戦の開始は3月初めだ」として、民主党の追及を退けた。
ただ、実際の消費量をさかのぼって分析するのは難しい。軍事評論家の江畑謙介氏は「船の速度や波の強さ、風力などの天候により変わる。時速が2倍になれば、燃料消費量は8倍程度になる」と指摘する。「11万ガロン」が正しいならば、イラク作戦に従事した時期と重なる可能性が残る。これを完全に否定するだけの証拠は依然、政府から示されていない。
防衛省によると、今年8月末現在、テロ対策特別措置法により海上自衛隊が提供した燃料は48万4000キロリットル。大型の空母などに間接供与される可能性がある補給艦に限ってみると、米仏伊蘭英5カ国に対し計105回、計26万7000キロリットル。このうち米軍艦船が23万7000キロリットル(約6000万ガロン)で圧倒的に多く、時期は01年度(41回)、02年度(45回)に集中している。
衆院予算委で取り上げられたキティホークの事例はイラク戦争の開戦の3週間余り前のことだ。ちょうど、米軍が準備態勢を整えていた時期とみられる。イラク戦争とテロ掃討のための「不朽の自由作戦」との間に明確な線引きがあったかについても十分な説明はない。キティホークをはじめ、給油を受けたとみられる他の艦船の行動も軍事機密のベールに覆われており、給油転用疑惑に関する真相究明には、ほど遠いのが現状だ。
◇民主、一層の情報開示要求
民主党は、海上自衛隊から間接給油を受けた米空母キティホークがペルシャ湾最深部に入ったことを政府に正式に認めさせた。ただ、給油燃料のイラク作戦への転用を否定する政府の主張を突き崩すのは容易ではない。同党は給油後数日間に及ぶキティホークの湾内行動に焦点を移し、イラク戦争との関与を引き続き追及する。
同党が突破口とみているのは、キティホークがペルシャ湾内とホルムズ海峡近くで計4回行った「飛行作業」の詳細。当時の同湾内では約1カ月後のイラク戦争開戦の準備のためキティホークの艦載機が敵襲を警戒する哨戒任務についていた可能性が指摘されている。
同党は引き続き政府に情報開示を求めるが、政府側は「軍事上の観点から情報を全部出せるものではない」(石破茂防衛相)との姿勢。今回以上の情報が開示される保証はない。
党内では、給油に代わる民生支援を盛り込んだ対案を模索する動きがあるが、安易に踏み出せば政府・与党ペースに巻き込まれるとの懸念が消えない。国連中心主義を唱える小沢一郎代表の原則論だけでは、国民の理解を得られないとの見方もあり、次の一手が固まるまで、政府対応の矛盾点を突いてポイント稼ぎを続けるしかない状況だ。
◇前原氏「安保」封印 小沢氏とズレ、質問避け?
民主党はこの日、菅氏のほか前原誠司、岡田克也両副代表という代表経験者3人を質問者に送り込んだ。ただ、党内で安全保障の論客である前原氏は給油問題には触れず、公共事業の無駄遣いなどに専念。答弁準備を進めてきた政府側は肩透かしを食らった。
得意の分野での質問を「封印」した前原氏は、記者団から理由を問われ「菅さんと岡田さんがやるので役割分担した」とだけ述べた。前原氏は、この日の質問でも「外交・安保に与党も野党もない」と自民党との協調をにおわせた。国連中心主義を掲げる小沢一郎代表とのズレが以前から指摘されており、あえて論戦を避けたとの見方が多い。
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■ことば
◇不朽の自由作戦(OEF)
Operation Enduring Freedomの和訳。01年9月の米国同時多発テロ事件後、首謀者のウサマ・ビンラディン容疑者が潜伏するとみられたアフガニスタンに対して取られた米軍主導の軍事作戦を指す。アフガン本土での国際テロ組織「アルカイダ」や旧支配勢力タリバンの掃討のほか、日本が補給活動のため海上自衛隊艦船を派遣している、インド洋でのテロリストやテロ関連物資の海上移動阻止・抑止のための海上阻止行動(OEF−MIO)を含む。外務省によると、アフガン本土に部隊などを派遣している国は約20カ国。海上阻止行動に従事している国は日本を含め8カ国に上る。
毎日新聞 2007年10月11日 東京朝刊
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