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小沢民主党が悪政自民党を徹底的に追い詰めるかどうかが焦点
政府与党や大マスコミはテロ特措法が最大の焦点などと煽っているが、今のイラクやアフガンの情勢や張本人ブッシュの衰勢から時代遅れとなったテロとの戦いなどよりもっと他に重大なことが山ほどある
「辞任」発言の狙いは何か
今日から始まった大荒れの臨時国会が、面白いことになってきた。安倍が「法案不成立なら退陣」とタンカを切ったからだ。9日、外遊先のシドニ−で記者会見した安倍は、テロ特措法が延長できず海上自衛隊の給油活動継続ができない場合は「職責にしがみつくことはない」と言明。退路を断ってみせた。
大臣が何人辞めようが、参院選で大惨敗しようが、無責任に逃げ回ってきた男が、初めて「ダメなら辞める」と言い出したから、マスコミは大騒ぎだ。
民主党など野党は、テロ特措法の延長に反対で固まり、自民党が苦肉の策で提出する給油継続だけに限った新法についても反対を表明している。となると、与野党が逆転した参院で法案は通らず、安倍は退陣するしかないが、いまや政権維持しか眼中にない安倍がそう簡単に辞めるわけがない。
一体どんな計算と思惑があって、あんな発言をしたのか。政治評論家の浅川博忠氏はこう言う。
「会見をテレビで見ていましたが、安倍首相は視点が定まらず、だいぶ疲れている。言わずもがなのことを、思わず口にしてしまったという感じです。安倍首相には、与野党逆転の臨時国会を切り抜ける妙案はない。政治とカネや年金問題で追い詰められるのは目に見えています。となれば、テ−マをテロ特措法一本に絞り、そこに注目させて中央突破するしかない。日本だけ国際貢献をやめるのか∞日米関係が損なわれてもいいのか≠ニ強調しながら、世論を味方にして民主党が妥協してくれるのを待つ作戦です。そこで不退転の決意表明になったのでしょう。でも、落ち目の首相が辞意を漏らすのは逆効果になりかねませんね」
小沢民主党は同じ土俵に乗るな
安倍は会見で、小沢民主党代表との会談も呼びかけた。ブッシュからの伝言を伝え、会談が決裂したら、「小沢さんが日米関係を壊した」と言いふらし、それに呼応する大新聞に民主党のネガティブキャンペ−ンでもさせるつもりなのだろう。それしか活路≠ェないドン詰まり状況だ。
だが、国民も民主党もこんな論法にごまかされないことだ。元レバノン大使の天木直人氏が言う。
「アフガン戦争支援のテロ特措法は、2001年の9・11同時テロのドサクサの中、ほとんど議論もなく、1ヵ月半で成立し、その後は自公の数の力で延長を重ねてきました。海上自衛隊がインド洋上で米軍やパキスタンの軍艦に給油を続けていますが、6年たってもアフガンの混乱は終わらない。イラクの内乱に日本の給油が横流しされている疑惑も出ています。安倍首相と自民党はそういう点は隠して、中央突破の反転攻勢に出てきましたが、民主党はこの作戦に乗らないことです。日米関係を壊してもいいのか≠ニ攻められると反論は難しい。しかし、それじゃあ、給油継続でアフガンの治安はよくなるのか∞イラクで分かるように、結局、アメリカのやり方は間違っていた≠ニいう一点で攻めればいいのです。安倍・ブッシュと同じ土俵に乗らないことです」
大体、「テロとの戦い」なんて、ひとり力んでいるのはブッシュだけだし、そのブッシュは米世論にも見捨てられ、テロも相手にしていない。時代遅れの「テロとの戦い」にドップリの安倍はバカみたいなもの。国民は政治に別のことを求めている。それも分からないなら、法案を潰し、安倍に引導を渡すしかない。
攻めの材料では圧倒的に有利な民主党
民主党がテロ特措法反対を有利に進めるには、国会であらゆる安倍内閣の悪政をあぶり出し、徹底追及することだ。安倍が最優先する「テロとの戦い」以上の重要問題を次々と取り上げ、安倍の無能無責任ぶりを国民にアピ−ルしていく。そうすれば世論も民主党を応援する。
世間の関心は「消えた年金」と「政治とカネ」。それで無能内閣が早く潰れ、景気対策をやる新政権が出現することを望んでいる。そのため、民主党は年金保険料流用禁止法案、すべての政治団体の1円以上の支出に領収書添付を義務付ける政治資金規正法改正法案などを参院で先行可決させ、自民党をグチャグチャにする作戦だ。
確かに年金問題は、相変わらずデタラメが尽きない一方で、歴代の社会保険庁長官の私財没収もウヤムヤだし、来年3月に終えると首相が公約した名寄せ作業もほとんど進んでいない。「消えた年金」の認定も難航していて、1ヶ月で1%消化しただけだから呆れる。攻め口はいくらでもある。
「野党は、首相が『私の内閣ですべて解決する』と大風呂敷を広げた公約のウソをどんどん突いていく。また悪名高いグリ−ンピア建設に関して、社会保険庁の倉庫に眠る自民党議員の要望書などを議会に提出させ、証人喚問も考えています。さらに『政治とカネ』では、800万円もの収支のズレを正当化した鴨下環境相や、怪しい献金疑惑が浮上した若林農相を攻め立て、答弁がいい加減だったら参院で問責決議となります。それで辞めないと、今度は安倍首相への問責決議可決となり、首相が居直れば、参院は完全に審議ストップです」(政界事情通)
妥協したら政権交代は夢と消える
民主党が手持ちの材料でガンガン攻めれば、参院でテロ特措法延長を審議する時間もなく、廃案、首相退陣は決定的だ。
政治評論家の有馬晴海氏がこう言う。
「辞任発言までした安倍首相は、テロ特措法延長に命をかけたようですが、それなら、なぜ臨時国会をもっと早く開会しなかったのか。今さらクビをかけて≠ニ言い出すのは変な話ですし、別に辞めざるを得ない理由があって、テロ特措法を口実に使っているとも思えます。反対を押し切って続投し、内閣改造までしながら、ヤル気があるのかないのか分からない首相では、困ってしまいますよ」
「それだけに民主党も正念場」と前出の天木直人氏が言う。
「臨時国会の最大の焦点は、国民的関心の高い年金や『政治とカネ』の問題で民主党が世論の支持を得られるかどうか。それとも首相発言によって話題がテロ特措法一色となり、民主党の出番が封じられるかどうかです。首相がクビまでかけたテロ特措法≠ェ注目されるのは間違いなく、世論は延長賛成に傾くかもしれない。そのとき、小沢民主党が変に妥協してしまうのか、それとも野党ペ−スを貫けるか、それが勝負になります。民主党が妥協したら、せっかく与野党逆転の国会をつくり出した国民は失望し、逃げてしまう。民主党の政権奪取は夢となります」
安倍「辞任」発言を受けて、民主党の鳩山幹事長は「われわれはいい加減な妥協をするつもりはない。反対の立場を貫くという思いで対峙していく。総理が職を賭す≠ニいうなら辞任してもらうしかない。民主党の考えを世界に発信するチャンスだ」と語った。このセリフ通りに民主党が行動したら、テロ特措法が切れる50日後、安倍総辞職が実現する。
日刊ゲンダイ 2007 9 11
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